SCP-3763-JP
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SCP-3763-JP実例の一つ。

アイテム番号: SCP-3763-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3763-JPが検出された施設や建造物は分析部門による解析の後に収容状況に応じて適切な対応を受けます。回収された全てのSCP-3763-JP実例と関連したアイテムはサイト-11の収容倉庫内に保管されます。収容済のアノマリーは週に1度の点検における際の汚れの除去以外の特別な措置を必要としません。清掃を行う職員は特別な指令がない限り、アメリカの高等学校を卒業していない人員が選択されます。

SCP-3763-JPの確保のため、アメリカ合衆国内の高等学校に潜入中のエージェントらによって、高等学校内に含まれる設備は定期的に調査されます。これらの人員は必要に応じて標準的な記憶処理を民間人に適応することが許可されています。

説明: SCP-3763-JPはアメリカの高等学校内に不定期に出現するバスケットボール大会の優勝トロフィーです。SCP-3763-JPは高等学校1の物置や倉庫、頻繁に使用されていない空き教室内に出現します。アノマリーの出現を直接描写したメディアが存在しないため断定は不可能ですが、これらは自然発生的に出現しているものと推定されます。

SCP-3763-JPは限定的な人物(以下、対象)に対する認識災害性を有しています。SCP-3763-JPが出現した高等学校に所属している、あるいはかつて所属していた生徒や教員がSCP-3763-JPを直接視認した際に異常な影響が発現します。異常性に発現した対象は、SCP-3763-JPが同校で1976年夏に行われた学校対抗のバスケットボール大会2の記念品であると確信します。これらは同一の高等学校に所属した対象ら共通の認識として表れ、SCP-3763-JPの記述や彫り込み文字もその認識と合致します。派生した影響として対象は現在まで同校のバスケットボールチームが現存しているという認識を有するようになります。このような異常な認識は現在や過去にこのようなクラブが存在しない、あるいは既に学校が閉校している場合でも発生します。

SCP-3763-JPが校内の生徒や教員に発見された場合、複合的な異常現象(以下、SCP-3763-JP-1)が当該の学校に影響を及ぼし始めます。SCP-3763-JP-1の初期段階において、学校の無人の体育館からバスケットボールチームを応援する趣旨のバンドの演奏3が聞こえ始めます。次いで校内のポスターや書類、教師の発言が架空の人物や出来事に言及するよう改変されます。この影響は時間の経過とともに増大/深刻化します。SCP-3763-JP-1自体が認識阻害性の異常を帯びており、校内の人物は事前に異常の知識や指摘を受けない場合、これらの現象に疑問や不自然さを抱くことが不可能です。4SCP-3763-JPが当該の学校内から取り除かれた場合にのみSCP-3763-JP-1は終了しますが、影響を受けた物理的証拠は校内に残存し続けます。

補遺.1: 以下はSCP-3763-JPが初めて発見された、ケンタッキー州の███████高等学校で回収されたアイテムの一覧からの抜粋です。初期の分析が不十分だったためSCP-3763-JP-1の影響が極めて深刻なものとなり、結果的に多数の記憶処理剤と収容資産が消費されました。

概要: 科学クラブの勧誘ポスター。
改変前の状態: 誰より早い計算に自信ある者求む。 数学コンテスト優勝目指そう!
改変後の状態: ダイナマイトキャッツ、四校対抗戦勝つぞ!


概要: 職員室カレンダー。
改変前の状態: 5日、合唱全校合同練習。7日、1年生近隣ハイキング。
改変後の状態: あの日のことを昨日のように覚えてるよ。リッキー、チームには君が必要だ。


概要: 日誌。
改変前の状態: クラスでネオンテトラを育て始めてちょうど50日目。今日も元気だけど、みんな餌をあげすぎじゃない?
改変後の状態: 人生の中で最も素晴らしい水曜日。この場にいた誰もが今日の試合を忘れはしないでしょう。何があったとしても。


概要: 社会科教師の発言。
改変前の状態: 不明。
改変後の状態: 君が今をどう思っていても、必ずあの日に帰るんだ。

補遺.2: 以下はSCP-3763-JP-1影響下にあった███████高等学校の校長へのインタビューです。

[記録開始]

インタビュアー: では、次に本校のクラブについて教えていただきたいのですが……バスケットボールなどについて聞かせていただけませんか?

対象: ああ、バスケットボールチームは本校の中でも特に素晴らしいクラブですよ。ちょっとしたトーナメントで優勝したこともあるんです!

インタビュアー: なるほど、トーナメントというのは?

対象: ケンタッキー州のいくつかの学校で対抗試合があったんですよ。たしか1976年です。あれは本当にいい試合だった。最後の最後で本校のチームが逆転のシュートを決めて……彼らが誇らしいです。

インタビュアー: 今ではクラブの雰囲気はどんな感じですか?

対象: 嬉しいことに本当に変わりなく、今も衰え知らずですよ。なんなら元気が良すぎるくらいです。

インタビュアー: そうですか、1976年の優勝経験はクラブの中でも大きなもので?

対象: それはもちろんですとも。あの先輩らがいたからこそ僕たちは高みを目指すとね、本当に良いことを言ってくれます。

インタビュアー: あの大会はどの高校との試合だったのですか?

対象: それは……すいません、度忘れしてしまいました。どこかに記念品かなにかがあったはずで……。

[8秒の沈黙]

対象: [不明瞭]違う、彼は確かにシュートした……それはそのはずだ。しかし-

インタビュアー: どうされました?

対象: いや、すいません少しうとうとしていたようで。

インタビュアー: あの試合で何かあったのですか?

対象: 何かあったという程のものでもありません。ただ、当時エースだった生徒が結果に喜びすぎて失神してしまって……まあ、それも粋な思い出です。

[記録終了]

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