SCP-3767
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SCP-3767(発生初期)

アイテム番号: SCP-3767

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: ユナイテッド航空に潜入している職員は、ニューアーク発ヒューストン行の航空便において過剰予約を行おうとするあらゆる試みを阻止、中断、妨害します。万一過剰予約が行われた便が出発した場合、財団職員が乗客全員を降機前に拘留し、クラスB記憶処理を施します。本来の乗客名簿に記載されていない人物を職員が発見した場合、該当する人物は拘束され、以降の収容を行うために付近の財団サイトに移送されます。

過剰予約の航空便を必要とする実験は、SCP-3767プロジェクト主任の承認を得れば計画が可能です。

説明: SCP-3767はユナイテッド航空のニュージャージー州ニューアーク発テキサス州ヒューストン行の航空便のうち、過剰予約が行われたものに発生する異常現象です。SCP-3767は航空機が巡航高度に達したおよそ20分後に発生します。発生の兆候として、空の色が紫色の暗い影を帯びるように変化します1。この変化は地平線から始まり、上方向へ広がっていきます。空の色が完全に変化する2と、機体があらゆる並進運動を停止し、低速での自由落下3を開始します。この降下の間を通して機体は地面に平行な状態を維持するほか、空は赤色に変化するように観察されます。

この時点で、イギリス式アクセントを使用する女性的な声が機内のスピーカーシステムを通して放送を行います。この声は、余分な乗客が1名搭乗しており、その重量によって機体が下降していると宣言します。声は続いて、機体を再び上昇させるためには問題の余分な乗客を排除する必要がある旨を告げます。実験中に取得された映像は、実際に追加の乗客1名が搭乗していることを示しています。この人物がどの時点で出現するのかは不明です。

人間1名が機内から排除されると自由落下は停止し、操縦士は航空機を巡航高度に戻します。この人物を機内から放出することにより客室に減圧が発生することはありません。航空機が上昇するにつれて空は本来の色に戻ります。放出された人物が落下したと予測される区域の捜索では、当該人物は発見されていません。

航空便に搭乗していた乗客らは、切っ掛けを与えられた場合に限りSCP-3767の期間中に発生した事象を思い出すことができます。しかし、乗客らは事象の異常性を理解することはできません。

記録されているケースのうち78%では乗客らが集団となって排除される人物を決定し、決定された人物がその後気密室から放出されます。ケースのうち21%では乗客のうち1名が自発的に機外へと去ります。残るケースの詳細については補遺 SCP-3767-1を参照してください。

ケースのうち63%で、本来の乗客名簿に記載された乗客のうち1名が事象発生後に行方不明になっています。しかし、旅客機に搭乗した人物と降機した人物の数は同一です。

補遺 SCP-3767-1: 2016/05/10、財団はSCP-3767の観察のためにD-3114を3552便に搭乗させました。D-3114が着陸した際、本来の乗客名簿に記載された人物全員の存在が確認されました。SCP-3767は乗客らが機内から放出する人物を決定するまでは通常通りに進行していました。

同便は定刻通りに着陸し、乗客全員が降機しました。D-3114のカメラを検査した結果、故障は見受けられませんでした。口論の結末について質問されたD-3114はあらゆる詳細を思い出すことができませんでした。

2日後、財団はテネシー州のチェロキー国有林に3552便のものに一致する航空機が出現したという報告を受けました。航空機そのものには概ね損傷はありませんでしたが、内部の乗客は終端速度で地面に激突したことが原因と考えられる鈍的外傷により全員が死亡していました。

機内には本来の乗客名簿に記載された乗客全員に加え、未特定の男児1名が存在していました。この人物の解剖の結果、その体内は部分的に摂食されたプレッツェル、航空機に設置される安全のしおり、非常時用救命胴衣で構成されていたことが判明しました。

財団が拘留中の生存しているD-3114にX線検査を行ったところ、同様の結果が得られました。

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