SCP-378
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財団記録情報セキュリティー管理局RAISAからの通達

1963/06/27のクラーケン・プロトコルの実施以降、SCP-378の収容プロトコルは更新された。SCP-378計画に割り当てられた職員は可及的速やかに更新文書を確認せよ。

— RAISA管理者、クローディア・サウジーClaudia Southey


アイテム番号: SCP-378

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-378は地下存在収容テラリウムに収容されます。その温度と湿度はHeterodermia kaincrow1Prenolepis everettmann2の成長・生息に最適な水準に保たれます。SCP-378には年二回の身体・心理検査が行われます。

SCP-378の収容テラリウムへの通路は除染チャンバーによって周囲の施設から分離されます。携わる職員は全身防護服を装備し、除染を終了する前にSCP-378-Aに寄生されているか検査を受けてください。感染した職員はSCP-378-1または-3が不在でないかぎり終了されます。不在の場合は代わりにその立場に割り当てられます。

クラーケン・プロトコルの適用により、SCP-378の収容は三つの主要収容個体の維持に焦点が当てられています:

  • SCP-378-1は地域-19の小屋に住まわせます。SCP-378-1はセキュリティー・クリアランス0/A19を持つ保守技術者として雇用されます。現在のSCP-378-1が死んだ際には、脳死あるいは昏睡状態の予備職員が置換要員として選出されます。SCP-378-1はSCP-378との主要な伝達手段であるため、SCP-378-1の発声器官を保持するよう心懸けてください。
  • SCP-378-2は現在デイビッド・ロックヒードDavid Lockheedの形を取っています。彼は36歳の白人男性で、全米超常収容イニシアチブASCIに事務員として雇用されています。SCP-378-2の任務は、合衆国でのSCP財団の活動を継続させるため、財団に対抗するASCIの活動への破壊工作、並びに、財団の興味を引いた情報の収集です。性質上、置換が困難なため、SCP-378-2は厳格な健康状態と運動管理が維持されていることが望ましいです。
  • SCP-378-3は現在リサ・マーティンLisa Martinの形を取っています。彼女は33歳のメキシコ系アメリカ人女性で、スタテン島に在るスパイシー・クラスト・ピザSpicy Crust Pizzaの従業員です。SCP-378-3の死亡の際には、可及的速やかに置換を行ってください。

各個体は追跡・音声記録装置を装備されます。毎週、各個体の付近に駐留する対応エージェントが、各個体の健康状態・怪我の有無、並びに、監視機器の状態を評価してください。潜入の為の更なるSCP-378-Aの使用は財団監査会によって審議中です。

説明: SCP-378はScolopendra gigantea3の幼体に外見上似ている節足動物です。SCP-378の附属肢は大幅に退化しており、主に蠕動運動を補助する為に使われます。SCP-378の体長は口から肛門までが3メートルで、胴の厚みは1メートルを超え、体重は233キログラムです。平常時のSCP-378は雑食性で、主食は地衣類と昆虫です。

SCP-378は無性生殖を意のままに行え、肛門からSCP-378-A実体を生成します。SCP-378-A実体はScolopendra giganteaの成体に似ています。解剖の結果によればこれは外見上の類似で、SCP-378-Aは原始的な神経系以外は予測される器官を欠いています。SCP-378-A実体はSCP-378によって遠隔操作されています。

SCP-378-Aは選択的内部寄生生物で、人間・Homo ignotus4Gigantopithecus sapiens5のような高等霊長類に寄生します。寄生の際、未解明の手段でSCP-378-Aは自身を宿主の神経系と融合させ、宿主の脳死とSCP-378の遠隔操作をもたらします。生命機能や感覚入力は影響を受けません。

適した宿主への寄生に際して、SCP-378は宿主をそれ自身の生物種の社会領域に関与させるのを試みます。関与の後、SCP-378は宿主を無期限に、共同作業や社会的娯楽のようなその種に典型的な行為に従事させます。人間の宿主は人口密度が高く娯楽に満ち溢れた環境を好みます。

SCP-378が同時に活動させられる宿主の上限は不明です。最初の聴取の際、SCP-378は26人の人間・二体のAlouatta pigra6・三体のSCP-10007の宿主を所持していると回答しました。この回答は重度の酩酊時に得られました。


補遺178-294b:

SCP-378の心理評価

Dr.ジェイコブ・ブライトJacob Brightの指揮による


暫定的に分類されたScolopendra anomalia、すなわちSCP-378は節足動物の中でも際立ったことに、人間水準の知性、あるいは、宿主の知的能力を模倣する能力を持っている。いずれにしろ、SCP-378は自我を有し、極めて知的でもある。

SCP-378と宿主の関係は複雑である。SCP-378が複数の宿主間で一貫したアイデンティティを持つ一方、各個体のアイデンティティは模倣すべきペルソナとしてSCP-378に扱われている。宿主は滅多にSCP-378や仲間の宿主と意思疎通をせず、SCP-378はその異常能力を主に娯楽の為に用いていると推察される。危機に瀕している際にSCP-378がそのようなペルソナを捨て去ることが、これを裏付けている。

人間の社会領域への関与以外では、宿主の振る舞いは個体毎に大きく異なる。外交的なのが比較的一般的であり、宿主は睡眠・排泄以外ではほぼ独りにならない。SCP-378は享楽的状況と同じように、緊張的状況でも同様の熱中を見せている。

注目: SCP-378はリサ・マーティンのアイデンティティと特に繋がっている。他の宿主とは対照的に、リサ・マーティンの週毎の日課は相対的に安定している:

  • 土曜日以外の毎日AM8からPM6の間、雇用状態や日程に関わらず、Ms.マーティンはディジャナントニオのパイDigiannantonio's Piesの以前の位置から最寄りのピザ屋で働く。
  • 土曜日以外の毎日PM6からPM11の間、Ms.マーティンはニューヨーク市の17個の屋上庭園の内の一つを手入れする。これらの内13個は共同体によって管理されており、その内の12個にMs.マーティンは参加していない。
  • 土曜日のAM8からPM6の間、Ms.マーティンは隔週で、友人・同僚・恋人と交流するか、あるいは、高級酒場でピアノを弾く。
  • PM11からAM12の間、Ms.マーティンはシャワーを浴び、眠る準備をする。
  • AM12からAM7の間、Ms.マーティンは寝ており、最後には目覚めて次の周期に備える。

Ms.マーティンが死亡した場合、SCP-378は他の宿主に彼女の自己同一性を引き継がせるだろう。Ms.マーティンの日課を妨げる試みはSCP-378と宿主による通常にない水準の一方的敵対を引き起こした。


From: DHeiden@Scipnet(副管理者ダニエラ・ハイデンDaniela Heiden、レベル分類RAISA-4、職員番号134)
To: Dir19_KFeinstein@Scipnet(監督者ケルシー・ファインスタインKelsey Feinstein、レベル分類XK-4、職員番号87)
Re:: Re:Re:Re:現在の宿主の特定
日付: 1963/04/27

管理者ファインスタインへ、

Mr.ソンSongとDr.ブライトの働きにより、SCP-378について多くの事実が判明しました。最も重要なことですが、私はあれが社会活動の意義、特に階級社会や社会関係資本を理解していない、と考えています。

複数のSCP-378の実体が、驚くべき権力を有しています。事実として、その内の二つ(デイビッド・ロックヒード、並びに、アルフォンソ・レオズAlfonso Leoz)は財団の収容可能な範囲外に居ます。それにも関わらず、SCP-378はリサ・マーティンの防衛・置換・維持の為にそれらを犠牲にしようとする意向を見せています。ええ、あまりに奇妙ですが、大変都合が良いことでもあります。

Ms.マーティンやその友人に何かが起きた場合、面倒なことになるでしょう。

SCP-378は知性を持ち、しかし、まるでその行動の意義を把握していません。若干の説得で、デイビッド・ロックヒードの地位は些細なASCIの事務員から昇格しました、財団が傀儡を必要とするまさにその場所においてです。そして、もし私が失敗しなければ、スパイシー・クラスト・ピザの第二支店も潰れないでしょう。


提言: SCP-378の異常性を活用して、合衆国での財団活動を容易にする。

評議会投票要約:

賛成 反対 棄権
O5-01
O5-02
O5-03
O5-04
O5-05
O5-06
O5-07
O5-08
O5-09
O5-10
O5-11
O5-12
O5-13

決議
可決

提言は承認された。クラーケン・プロトコルを開始する。


From: SSong1@Scipnet(上級研究員ソン・サンフンSang-Hun、レベル分類γU-3、職員番号148)
To: Dir19_KFeinstein@Scipnet (監督者ケルシー・ファインスタイン、レベル分類XK-4、職員番号87)
Re: γU-2677計画の遅延
日付: 1965/07/21

管理者へ、良い報せと悪い報せが有ります。

良い報せは、もう聞いていると思いますが、サイト-56の建設計画によって(どこかのMr.ロックヒードのおかげですね)、待ち望んだクラーケン・プロトコルの拡張が進行中です。スズランLily of the Valley, LotV地点と太平洋岸北西部の双方への相対的近接性のため、我々が到達する前にASCIがLotVを吸い尽くすのを阻止しつつ、SCP-1000の収容範囲の拡大をする絶好の機会です。

まったく奇妙なことに、周囲の変化の兆しをSCP-378は喜んでいるようです。熱帯雨林のムカデの幼虫が、その影響範囲がニューイングランドに限られているのを好むとは想像できませんが、それは要点ではありません。-Aは十分言い成りになっています。

悪い報せに移りましょう。

ルパート・トレモントRupert Tremontは滑稽で平凡な男です。FBIの非公式の"異常事件課"のエージェントであり、便所に居る時に、エージェント・ライアンを信じ切って、彼が渡した睡眠薬を飲んでしまう、かなりの愚物でもあります。その後は、ブラックロック砂漠の暫定地域-56に彼を連れて行き、ムカデを飲ませるだけです。問題は378が繋がりを確立できないと言ってきたことです。その時もトレモントは生きたままで、それは通常の事態ではありません。かなりの数の試験をし、何がおかしいかを探ろうとしました。

そして我々は彼の脳内に別個体のムカデを発見しました、我々のムカデのような。

まだ続きが有るでしょうが、良い気分はしませんね。

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