SCP-3794-JP
評価: +14+x
blank.png
IMG_2109.jpeg

SCP-3794-JP

アイテム番号: SCP-3794-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3794-JPはサイト-81-109の標準物品収容ロッカー内に収容されます。SCP-3794-JPを用いた実験の実施には担当職員2名からの許可が必要となります。

SCP-3794-JPの発見を目的として、後述の共通項(補遺3794-JP.1を参照)を有する人物の特定とモニタリングが行われます。新たなSCP-3794-JPが発見された場合、該当人物に対する記憶処理の実施とカバーストーリー「白昼夢」の流布、ならびにSCP-3794-JPの回収が行われます。

説明: SCP-3794-JPは後述の異常性を有する砂時計です。外見や素材に異常な点はなく、通常の砂時計と同様に機能します。SCP-3794-JPは現在までに17個回収されており、その全てが非異常の企業によって作成されたものであることが判明しています。また製造過程や店頭での販売時の様子などの複数の状況的証拠から、後天的に異常性が発現したと推測されています。

SCP-3794-JPの異常性は使用時にヒトが接触することによって発生します。異常性発生時のSCP-3794-JPに接触していた人物(接触者と表記)は消失します。この消失事象に伴い、SCP-3794-JPの下部には接触者と同様の外見を有する小型のヒト型実体(SCP-3794-JP-Aに指定)が出現します。SCP-3794-JP-Aは珪砂や砂鉄などの粉末状物質によって構成されています。SCP-3794-JP-Aと接触者の同一性は確認されておらず、現在も調査が進行中です。

出現直後のSCP-3794-JP-Aは困惑した様子を示します。これは自身の置かれている状況を正確に理解できていないためであると考えられています。出現から一定時間が経過することによってSCP-3794-JP-Aは困惑した様子を示さなくなります。その一方でSCP-3794-JP-Aは砂時計の内容からの脱出を試みるようになります。この際にSCP-3794-JP-Aは容器を殴るなどの暴力的挙動を示す傾向にあります。しかしながら、これらの挙動の影響は軽微なものであり、SCP-3794-JP-Aが砂時計内部からの脱出に至ることはありません。

暴力的挙動を示した後のSCP-3794-JP-Aは一時的に活動を停止します。活動停止時のSCP-3794-JP-Aの様子は「無気力的な」と形容可能です。また、この間にSCP-3794-JP-Aが硝子面に触れるなどの挙動を示しますが、これらの挙動は無意味なものであると推測されています。活動停止からおよそ30秒が経過した時点でSCP-3794-JP-Aは活動を再開します。活動を再開したSCP-3794-JP-Aは口を動かすなどの動作を示します。この動作はヒトが思案する際のものに類似しているとされています。

最終的にSCP-3794-JP-Aは目を閉じた状態で仰向けに横たわります。この状態のSCP-3794-JP-Aの表情は「微笑んでいるような」と形容されるものとなっています。この状態に移行すると同時にSCP-3794-JP-Aは一切の活動の兆候を示さなくなります。結果としてSCP-3794-JP-Aは上部から落ちてくる砂に埋もれることとなります。SCP-3794-JP-Aは自身の身体が完全に砂に埋もれると同時に消失し、それに伴って接触者が再出現します。接触者はSCP-3794-JP-Aが体験した出来事に関する記憶を有していますが、多くの場合において「夢の中での出来事」として認識していることが聴取結果から判明しています。

補遺3794-JP.1: 追加情報

SCP-3794-JPの所有者に関する調査を行った結果、該当する人物らに以下の共通項が存在していることが判明しました。

  • 解決が困難な問題に直面している。
  • 問題を受容しておらず、積極的に取り除くべき事柄として認知している。
  • 問題の解決を目的として活動しているが、現在までに有意な結果を得られていない。

これらの要因により、所有者の心理状態は不安定になっていました。しかしながら、SCP-3794-JPとの干渉を通じて心理状態が安定化していることが判明しています。これは心理面の非異常的な変化によるものであると考えられていますが、その実例の少なさから仮説の実証には至っていません。

現在、財団内ではSCP-3794-JPと接触者の心理状態の関係性について調査と検証が行われています。


特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。