SCP-3797-JP
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アイテム番号: SCP-3797-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-3797-JPへの特別な対応は不要です。ただし、SCP-3797-JPにはあらゆる知性体に対して十分に想像の余地を残す必要があります。本報告書の記載は、主となる異常性の説明を除いて最小限に抑えてください。

いずれかのK-クラスシナリオが発生した場合、SCP-3797-JPの所在が公表されます。詳細は補遺を参照してください。

説明: SCP-3797-JPは一塊の3次元空間であり、日本国[編集済み]の地表面を含む約███km3から構成されています。境界部は周囲と滑らかに接続しており、自由に出入りが可能です。内部は他の通常空間と同様に土地利用されており、一般科学によって内外の区別をつけることは困難です。

SCP-3797-JPの異常性は、その内外の状態に関わらず、常に純粋無現実空間として存在することです。無現実空間とは、物理的空間を占めるにも関わらず、内部にいかなる現実空間も構成されていない (常に0Hm1である) 領域を指します。通常、このような空間は他存在からの現実性流入により即座に破綻しますが、SCP-3797-JPにおいてこのプロセスは機能しないことが判明しています。

異常性の副次的効果として、SCP-3797-JPは事実上無限の被現実改変能を有します。これは、SCP-3797-JPが他存在による改変に対抗しうる確かな現実空間を持たないためと理解されています。典型的には、SCP-3797-JPが何らかの知性体に観測された場合、SCP-3797-JP内部は観測者の想定した状態そのままに改変されます。

特筆すべき点として、SCP-3797-JPが同時に複数の知性体に観測された場合、複数かつ無制限の現実改変が互いに干渉し合うことで、結果としてある一定の平衡状態に収束することが確認されています。平衡状態は、観測者数が多いほど、また観測者の抱くイメージが均一であるほど、より安定した擬似現実空間に漸近すると推測されています。

補遺: その特異な被現実改変能により、財団日本支部理事会はSCP-3797-JPのThaumiel指定を決定しました。現在、SCP-3797-JPは以下の規則に基づいて運用されています。

規則1: 通常時、SCP-3797-JPの収容を実施しない。これにより、内部で生活する不特定多数の民間人が異常性を知覚しない状態で現実改変を行い、結果としてSCP-3797-JP内部は"日常生活から連続した平凡な土地"に収束する。

規則2: 通常時、財団職員に対してSCP-3797-JPの所在を秘匿する。これにより、職員のSCP-3797-JPおよび他の超常への認知に起因する意図しない改変を抑制する。

規則3: いずれかのK-クラスシナリオが発生し、財団が機能不全に陥った場合、財団職員に対しSCP-3797-JPの所在を公表する。

近隣で生活していた財団職員は、直ちにSCP-3797-JPへ突入し、"通常時のSCP-3797-JP"を強く想起することで現実改変を行う。SCP-3797-JPの異常性により、改変内容は即座に反映される。その後、SCP-3797-JPに再出現した財団のリソースを用いて、外部の事態の収束に務める。

想起精度向上のため、本報告書を閲覧する職員は自身の生活区域に慣れ親しんでいることが推奨されます。SCP-3797-JPの存在・有効性を十分理解した上で、日常における様々な様相について認識を深めるよう努めてください。

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