SCP-3804に表示されたロゴのサンプル。時計回りに、SCP-3804-4、SCP-3804-25、SCP-3804-174
アイテム番号: SCP-3804
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 財団AI DEINOPISがSCP-3804実例の送信を監視するために全ての主要なEメールサービスに組み込まれています。DEINOPISのメンテナンスは機動部隊ミュー-4(“デバッガー”)が担当します。実例が発見された場合、AIは財団記録用のコピーを作成し、SCP-3804実例は受信者のアカウントから恒久的に削除されます。
SCP-3804を読んだことが判明した受取人は財団エージェントによって発見、確保され、状況に応じてクラスAまたはクラスB記憶処理が施されます。
説明: SCP-3804は、“マグナム&ウィットリー”という企業の最高経営責任者(CEO)、オリヴィエ・デ・ウィーンが書いたとされている一連の電子メールです。SCP-3804以外にこの企業や人物の記録は存在しません。一部のSCP-3804実例にはデ・ウィーンと思われる人物の写真が添付されていますが、同一の写真が複数回使用された例はありません。画像の人物は年齢、人種、体重、目の色などの外見的特徴が様々に変化します。
全ての発見されたSCP-3804実例は送信者を"Olivier.de.Whynn@M+W.com"としており、企業/仕事関連のEメールアカウントにのみ送られています。SCP-3804の配信手段は現在不明です。Eメールの内容は実例ごとに異なりますが、一貫して何らかの破滅的な事象または状況と、それらがマグナム&ウィットリー社に及ぼす影響に言及しています。
Eメールを読んだ受信者は興奮状態に陥り、自組織の有事対応方針と災害復旧計画に没頭し始めます。既存の計画や方針はいずれも著しく不十分なものと見做されます。十分なリソースや権威がある場合、受信者は壊滅的事象に対する自組織の準備を改善するであろうと信じ込んだ様々な行動を実行に移します。質問を受けた時、受信者は自分が何に備えているのか、なぜ自分の行動がその影響を緩和するのに役立つかを説明できません。
受信者はEメールを読んだことを思い出さず、自らの行動がEメールによるものとは認識しません。再びEメールを見ても異常な影響は発現せず、受信者はしばしばSCP-3804の性質に対して混乱を表明します。これにも拘らず、記憶処理はSCP-3804の影響を打ち消すのに効果的であることが証明されています。正式な受信者のみがSCP-3804効果を受けます — 他者が実例を読んでも異常な影響は発生しません。
発見: SCP-3804は多国籍企業██████のCEO、████ ██████が企業ブログへの投稿を通して、“雨の日が発生する”可能性に備え、全従業員にガスマスクと緊急用糧食を標準支給する計画を公表した後に財団に発見されました。財団エージェントが状況の調査に派遣され、問題の発表はサイバーテロリズムであったという偽情報が流布されました。
補遺SCP-3804.1: 選択されたSCP-3804実例:
SCP-3804-2
説明: SCP-3804-2は██/██/██、██████国法銀行のサイバー情報アナリストに配信されました。SCP-3804の発見に続いて、機動部隊ミュー-4が更なる事件の監視と当該SCPの調査に割り当てられました。
Eメール:
皆さんもここ数日間の出来事に不安を覚えているだろうと思います。オルレアンの破壊と、その後の世界中での騒乱は、非常に衝撃的な光景でした。混乱が収束し、我が国のインフラストラクチャの回復が遅延する見通しが明らかになった今こそ、マグナム&ウィットリーの“FlexiWork”ポリシーに再び馴染むための良い機会です。
私たちはあなたがオフィスでも、自宅でも、最寄りの移転先や避難所でもフレキシブルに働けるようにサポートします。ポータブルWi-Fiホットスポットやイーサネットケーブルは3階の運営・サービス部で全従業員が使用できますが、私たちの最新鋭のインターネットセキュリティならば、自宅や公的なWi-Fiのネットワークを利用することも可能です。
ただし、公共の場で仕事をする際には、忘れずにラップトップの画面にプライバシーフィルターを取り付けてください。誰が肩越しに覗いているか分かりませんからね!
敬具、
オリヴィエ
結果: 受信者は人事部に連絡し、会社のイントラネット上に様々な文書が発見できないと報告しました。欠落が報告されたのは第三度熱傷の治療、オフィス用具プロトコルへの兵器導入、同僚の肉を消費する行為に対しての社の方針に関わる指示でした。
これらの文書は存在しないと知らされた受信者は激昂し、話し相手の同僚を攻撃しました。受信者には警察留置場で記憶処理が施され、行動はメンタルヘルスの悪化による発作的なものとされました。
SCP-3804-10
説明: SCP-3804-10は██/██/██、█████████にある██████病院の施設管理者に配信されました。
SCP-3804送信元のEメールアドレスは、SCP-3804-9の配信後、人気の高いEメールサービスのスパムフィルターに追加されていました。実例はその後も受信トレイに出現し続けたため、これは効果的な収容法ではないと証明されました。
Eメール:
今日の私たちが直面している近頃の厳しい事情を踏まえ、働き続けている皆さんに感謝します。今年の1月、貴方や同僚たちは、今年の当社の抱負として“慈愛”に投票してくれました。
今日は仕事をするにあたって、その抱負を念頭に置いてください — 貴方の報告によって支援できる同僚はいませんか? デスクを離れてチームと会話し、彼らの様子を確かめ合えますか? 月の赤目に不安を抱いているかもしれない年配の親戚と電話で話していますか?
最近の出来事に鑑みて、私たちの事業所にも全国的に多くの変化を起こさざるを得ません。これらの変更はあくまでも一時的な措置であり、程なく通常のサービスを再開できると想定しています。
- 全ての社内食堂とリフレッシュ施設は閉鎖されます。配給食を持参してください。交換は受け付けられません。
- 事業所の周囲にいる警備員の数が増えたのに気付いたかもしれません。彼らの一部は銃器を装備しているでしょう。どうか不安に思わないでください、これは貴方たちを、そして会社を保護するためです。
- 事業所に出勤する時、警備員から感染の兆候がないかを検査される場合があります。できるだけ早く社内に入れるように、彼らの要請に協力してください。
- 全ての事業所の地下室と地下駐車場は、シェルターとして再利用されます。警報が鳴ったら速やかに、静かに直近のシェルターへ移動してください。エレベーターを使用しないでください。空を見上げないでください。
残念ながら、来週のマグナム&ウィットリー表彰夜会も延期することになりました。しかしながら、“今年の最優秀社員”の投票を再開しますので、職員ポータルのリンクから是非投票してください!
いずれ再び、
オリヴィエ
結果: 施設管理者は病院食堂への次回の食品配達を変更し、全ての生鮮食品をキャンセルすると共に、冷凍食品の注文を30倍に増やしました。記憶処理が施され、注文はシステムエラーによるものとされました。
SCP-3804-14
説明: SCP-3804-14は██/██/██、サイト-17に駐留していた██████研究員に配信されました。
Eメール:
週末にかけて、当社とトラジア工業の関係、そしてその後の当社のケープタウン虐殺への関与について、憂慮すべき主張を耳にしたものと思います。
当社はプロフェッショナリズムと卓越性で高く評価されており、また30年以上にわたって専門家の助言と指導を提供してきました。これはM&Wの責任ではありませんが、私たちはトラジアとの繋がりがあったプロジェクトチームの行動には失敗があったことを認めます。全ての関係者は適切な司法当局に引き渡されました。
私たちは今回の事件における当社の、とりわけ秘術・オカルト部(内部的にはT+Oと称されている部署です)の役割への綿密な精査を期待しています。これについて友人や家族からの質問を受けた場合は、このメールに添付した当社のお手軽話題ガイドブックを参照してください。暫定政府メディア部門からの照会があった場合は、直ちに直属のチームリーダーに連絡してください。
敬白、
オリヴィエ・デ・ウィーン
結果: ██████研究員はXK-クラス事象を引き起こし得るSCP数点の収容プロトコルを不適切な内容としてフラグ付けし、対応する主任研究者に連絡して収容の見直しを求めました。クラスA記憶処理が施され、SCP-3804収容の優先度は引き上げられました。
SCP-3804-16
説明: SCP-3804-16は██/██/██、プライベート・エクイティ企業 █████████のロンドン支社に務める従業員の60%に配信されました。これ以前のEメールと異なり、この実例にはグラフィック要素が含まれていませんでした。現在までのところ、これが複数名に配信された唯一の実例です。
Eメール:
俺たちは過ちを犯した。何ヶ月も前にオフィスを閉鎖して、お前たちを家族の所に、愛する人の所に、本当に大切な人たちの所に送るべきだった。
到着が何の前触れだったかは皆分かっていたんだろう、俺たちはただそれを認めたくなかった。それが何なのか信じたくなかった。何を意味するのか。俺はただ船を沈めないように普段通りの商売を続けようとした。その方が俺は怖くなかった。お前たちもそれで少しは安心できたのであれば良かったと思う。
もう何週間も誰一人目にしていない、物資は尽きつつある。この先どれだけ逃げ延びられるか分からないし、お前たちがどれだけ逃げられたかも分からない。
このメッセージを受け取る奴がいるのを願っている。
結果: 7分かけて、全ての受信者は社屋の屋上テラスに向かい、23階下の中庭に身投げしました。死亡者は総計███名でした。全ての目撃者にはクラスA記憶処理が施され、死者を事業所内での大規模火災によるものとする財団の作戦が展開されました。建造物には適切な損傷が加えられ、生存者の記憶喪失は煙の吸入が原因とされ、メディア報道は偽情報に対応するように統制されました。
SCP-3804-16の後、DEINOPISの実装成功によって収容は達成されました。SCP-3804-17は受信者に読まれることなく削除され、その後の行動は必要とされませんでした。
ページリビジョン: 10, 最終更新: 02 Oct 2021 01:00