SCP-3810-JP
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2/3810-JP LEVEL 2/3810-JP

CLASSIFIED

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Item #: SCP-3810-JP

Object Class: Safe

torii

SCP-3810-JP、非活性時

特別収容プロトコル: SCP-3810-JPはサイト-8162の低脅威度物品ロッカー内で、中空に糸で吊った状態で保管されます。2台の監視カメラにより収容維持の状況が観測されます。

説明: SCP-3810-JPは朱に塗られた木製の鳥居の模型であり、大きさは全体で40×35×5cm、貫下高は30cmです。発見時は██県██町郊外の田園地域の道路脇に設置されていましたが、設置の経緯については十分な情報が残存していません。

SCP-3810-JPの異常性は、カワラバト(Columba livia)に対し選択的に発現します。地表に立っている状態のSCP-3810-JPの下方をカワラバトが通過した場合、SCP-3810-JPと地表により形成される門がSCP-3543-JP-2を生じ、通過したカワラバト個体を特定の別次元(以下、SCP-3810-JP-A)へと転送します。カワラバトの体表および体内に付帯する物質も同時に転送されますが、形成されるポータルのサイズを超える物体(例としてヒトなど)は転送されません。

反対に、SCP-3810-JPが自発的にポータルを形成し、SCP-3810-JP-Aからの漂流物を排出する現象も観測されています。この現象の発生は不定期ですが、基底次元からカワラバトの転送が行われてから24時間以内に発生する頻度が高いことが知られています。出現するのは原則としてカワラバトですが、例外が確認されています。補遺を参照してください。この現象は、SCP-3810-JPが地表に立てられている状態でなければ発生しません。

発見経緯: SCP-3810-JPの発見に先立ち、2013/██/██に███市の警察に対する不審な相談が確認されていました。市内の伝書鳩愛好家(以下、甲)が、██町の友人(以下、乙)から送られてきた伝書鳩から入手した手紙の内容に以下のような不自然な点が複数みられ、なりすましや文書偽造の疑念を持ったことが発端となっています。

  • 甲と乙がお互いに関知していない、両者の会合についての所感が述べられている。
  • 乙が甲に対して大豆の生食を勧める旨の記述がある。乙にはそのような食習慣は認められていない。
  • しかし、筆跡は乙のものと非常に類似している。
  • 乙が上記の手紙を作成して送付した事実が確認できない。

警察の捜査に偽装して施行された下記の実験により、███市の甲の自宅から放たれたカワラバトが██町の乙の家に向かう途中でSCP-3810-JPを通過し、数時間後に再びSCP-3810-JP内から現れたことが確認されたため、オブジェクトの発見と確保に至りました。映像記録は下記を参照してください。

実験責任者: 大田博士

実験方法: 甲の自宅から放鳥されるカワラバト(以下、対象)の足にビデオカメラを取り付け、乙の自宅に辿り着くまでの対象の飛行経路の観察を行う。再現性の確認のため、甲から乙へ宛てた手紙も同時に持たせる。

結果: 対象は乙の自宅に到着せず、4時間48分後に甲の自宅へと戻ってきたのが発見された。実験用のビデオカメラは記録を維持しており、加えて甲が作成した手紙とは異なる紙がカメラに貼り付けられているのが確認された。

[記録開始]

[00h00m] 対象が甲の自宅の鳩舎から放鳥される。

[00h28m] 対象は███市から██町への最短経路上を飛行している。時々地上に降り、路地や道端の餌を食べている。

[01h05m] 対象が田園に降りた際、道路脇に置かれていたSCP-3810-JPがビデオカメラに映る。対象は羽ばたかずに歩いてSCP-3810-JPの下を通過する。周辺にハトが興味を引くような餌の痕跡はみられない。

[01h06m] SCP-3810-JPの異常性が発現し、対象が次元間の移動を行う。移行先の次元(SCP-3810-JP-A)は基底次元の██町郊外とおおむね同じ風景を有している。対象は直ちに再び飛翔する。

[01h32m] 対象は飛翔を続け、██町の市街を模した領域へ進入する。ビデオカメラから映る範囲の地上には人の姿が見えず、代わりに多数の野鳥が地表を動き回っている。そのほとんどは歩道上にいる。

[01h38m] 対象が特定の家屋内へ進入する。家屋の形状は基底次元における乙の自宅と酷似しているが、庭の鳩舎は存在せず、対象は開かれていた家屋の窓から室内へ突入し、床面に着地する。室内のテーブルの上にはシリアルが入ったボウルが置かれている。

[01h39m] 家屋内のインテリアは乙の自宅のものとおおむね同様である。ビデオカメラが対象の足に取り付けられているため、床に近い高さしか観察できていない。対象は室内で飛び立つ様子を見せないが、代わりに足を極めて高く上げ、ハトの全長に近い歩幅で歩いていることがカメラの動きから推測される。

[01h45m] 部屋の中に、別個体のカワラバト1羽が歩いて進入してくる。新たなハトはビデオカメラが付けられた対象の足を嘴で啄み、取り付けられていた手紙を取り外す。

[01h48m] 新たなハトは取り外した手紙を嘴で広げて、床に敷いている。3分間ほど手紙を見つめていたハトは低い声で鳴き、手紙を咥えて部屋を出ていく。対象はその後を追うことはなく、部屋に残る。

[02h20m] およそ1時間の間、対象は室内に待機しており、カメラは床の高さを写し続けている。室内には他の生物は見受けられない。

[02h43m] 対象がテーブルの下に入ったあと、何者かにより椅子が引かれて床に擦れる音が記録される。その後、金属の触れ合う音がカメラの上方から聞こえる。何者かがテーブル上のシリアルを摂食しているものと推測される。

[03h10m] 先ほど手紙を持って出て行ったハトが部屋に戻ってくる。嘴には折り畳まれた紙を咥えている。戻ってきたハトは対象に近づき、ビデオカメラの前に紙を押し付ける。紙はビデオカメラのレンズに張り付き、その半分程度を覆い隠す。

[03h12m] 対象が飛翔し、先ほど進入に使用した開かれている窓から屋外へと出る。

[03h21m] 対象はSCP-3810-JP-A次元内の██町の街並みを模した区域を再び直線的に飛行している。多数の住宅の屋根の上に登っている複数の人間の姿が記録されている。

[03h40m] 対象はSCP-3810-JP-A次元に転移した地点の付近まで戻ってくる。SCP-3810-JP-A側から観測されるポータルは基底次元側とは異なり、高さ5m程度とみられる実物の鳥居によって形成されている。対象は鳥居の下に入り、基底次元のSCP-3810-JPへと転移する。

[04h48m] 対象は███市へと戻り、基底次元の甲の自宅の鳩舎へ到達する。甲により鳩舎の扉が開かれ、対象からビデオカメラと紙が取り除かれる。

[記録終了]

補遺: ビデオカメラに張り付いていた紙は、乙のものと類似した筆跡で日本語が書かれた手紙であった。内容は甲が手紙の不審性を警察に相談したことに当惑を示すものであった。

SCP-3810-JPの収容後、多次元通信部門によりSCP-3810-JPを介して接続される次元のヒューム素次元コード1解析が施行されました。判明した点として、当該次元内では揚力が翼面積に比例せず、翼が棒状の時に揚力が最大となることが挙げられます。この法則が適用される場合、カワラバトの体重と翼面積では飛翔に必要な揚力が確保されないことが指摘されています。

インシデント記録: 2014/██/██、収容ロッカー内に立てて保管されていたSCP-3810-JPの内部から1羽のカワラバトが出現しました。その5分後に6体の人型実体が続けて出現し、容量超過により収容ロッカーが破壊されるインシデントとなりました。出現した実体はいずれも生物学上はヒトと相同していましたが、地面に口をつける、両腕を振り回す、規則的な低音で吠える等の非人間的な振る舞いを行っていました。日本語で紙に書いた文章を掲示すると、実体群は内容に興味を示しましたが、実体群の側から言語を表出する手段が未解明のため、意思の疎通は失敗に終わっています。特筆すべき事象として、出現した人型実体はいずれも腹かけと襦袢、草履を身につけており、豆や穀類を納めた小包を所持していました。それらは全てカワラバトの羽毛を用いて編まれていました。先んじて出現したカワラバトの足には、以下の内容の文書が取り付けられていました。

調査書類1: SCP-3810-JP

民間の飛脚愛好家からの通報により発見されたポータルについて初回の調査を施行する。この手紙は基底次元から別次元へ移動した際の情報保全性を確認する目的で送信したものである。調査にあたる機動隊員6名は、当該次元到達後にこの文書を開封し、以下の内容を転記すること。

確保Secure収容ContainポッポPigeon

多次元通信部門 大田博士2

出現した人型実体をSCP-3810-JP内へ送還する試みは現在まで成功していません。上記のインシデントを踏まえ、収容プロトコルが現在のものへ更新されました。


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