SCP-3818-JP
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アイテム番号: SCP-3818-JP

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-3818-JPはサイト-81-109の標準部品収容セル内に収容されます。SCP-3818-JPの近傍にクラスA霊的実体を接近させることは禁止されています。収容セル内には複数台の監視カメラが配置されます。通話の接続先を特定するため、SCP-3818-JPには電話線が接続されます。SCP-3818-JPが予期せぬ挙動を示した場合、担当チームによって対応措置が取られます。

説明: SCP-3818-JPは大分県北西部の田原山に存在している公衆電話ボックスです。内部には1台のダイヤル式電話が設置されています。SCP-3818-JPとその内部に設置されている電話機の外見や素材に異常な点はありません。また、SCP-3818-JPの通常の公衆電話との差異として、手引書1が存在していない点が挙げられます。

SCP-3818-JPは1973年に運用が停止されており、それ以降は電力の供給が行われていませんでした。しかしながら、SCP-3818-JPは財団による発見から現在に至るまで一般的な公衆電話の稼働状態と遜色ない挙動を示しており、問題なく通話が可能である事がDクラス職員を用いた実験により明らかになっています。

不定期に、SCP-3818-JPの内部には1体のクラスA霊的実体2(SCP-3818-JP-Aに指定)が出現します。SCP-3818-JP-Aの外見は過去7日以内に日本国内で死亡した人物(故人と記載)のものと一致しています。しかしながら、現在までにSCP-3818-JP-Aと故人の同一性の確認に至った例は存在していません。

出現後のSCP-3818-JP-Aは慌てた様子で受話器を取る、ダイヤルを回すなどの挙動を示します。SCP-3818-JP-Aがこれらの挙動を完了すると同時に、SCP-3818-JPは金銭の投入がないにもかかわらず通話を開始します。この通話は故人と親交のあった人物(通話相手と記載)の所持する携帯電話に接続されることが判明しています。

SCP-3818-JP-Aを構成する霊素は時間経過に応じて消失します。消失は右脚、左脚、左腕、右腕、胴体、頭部の順に進行していき、最終的にSCP-3818-JPの内部から完全に消失します。消失後のSCP-3818-JP-Aの行方は明らかになっていません。

調査の結果、SCP-3818-JP-Aが完全に消失するまでに要する時間は通話相手との距離に応じて変化することが判明しています ─ SCP-3818-JPの位置と通話相手の距離が離れている場合は消滅までの時間が短くなります。このプロセスを経てSCP-3818-JP-Aが消失した時点で通話は終了します。通話終了時のSCP-3818-JP内部は受話器が垂れ下がった状態となっています3

補遺3818-JP.1: 発見

SCP-3818-JPは1990年代に流通した都市伝説である「死者からの電話」に対する調査の結果、巷説部門4によって発見されました。また、SCP-3818-JPは近隣住民の間で「幽霊の出るいわくつき電話ボックス」として認知されていることが収集された情報より判明しています。発見後に行われた各種検証の結果、SCP-3818-JPの異常性が「死者からの電話」が流通した後に発現したものであることが確認されました。このことから巷説部門はSCP-3818-JPの異常性が巷説に基づいたものであると判断しました。そのため、収容活動の実施に伴って異常性が変質・喪失する可能性があるとして、SCP-3818-JPの現地での収容が決定しました。


補遺3818-JP.2: 通話成功率の減少

巷説部門による調査の結果、2012年を契機としてSCP-3818-JP-AによるSCP-3818-JPを用いた通話の成功頻度が低下していることが判明しています。これは固定電話機普及率の減少や、スマートフォンの普及に伴って生じていると推測されています ─ 公衆電話からスマートフォンに通話を行った際、受信メッセージが「非通知」あるいは「公衆電話」と表示されるため、使用者が警戒して通話に応じない状況が増加しています。この事実により、SCP-3818-JP-Aの通話成功率が減少していると考えられています。

また、これと同時期よりSCP-3818-JPを使用しないSCP-3818-JP-Aの存在が確認されています。該当のSCP-3818-JP-Aらはダイヤルを回さずに押し込もうとしたり、数秒ダイヤルを睨みつけた後に困惑する様子を見せたりするなどの挙動を示します。研究チームは、これらの挙動が公衆電話やダイヤル式電話機の使用方法を理解していないことに起因していると推測しています。


補遺3818-JP.3: 無力化判定

2017/09/17以降、SCP-3818-JPの稼働およびSCP-3818-JP-Aの出現が途絶えています。巷説部門による調査の結果、SCP-3818-JPに関する言及量が著しく減少していることが明らかになっています。これは通話成功率の減少や、公衆電話およびダイヤル式電話機の使用方法を理解していないSCP-3818-JP-Aの増加などの要因によるものとされています。また、巷説部門は「死者からの電話」にまつわる巷説のうち、公衆電話や固定電話が関連するものへの言及が一般社会で減ったことにより、同巷説に対する集合認知が影響を受け、結果としてSCP-3818-JPの異常性が失われたと推測しています。この推測をもとにした協議の結果、SCP-3818-JPに対する無力化判断が下されました。これに伴い、SCP-3818-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedに指定され、サイト内での収容を行うことが決定されました。


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