アイテム番号: SCP-3819-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3819-JPはサイト-8181の低危険物収容ロッカーに収容されます。新たにSCP-3819-JPの出現が見られた際は、隠蔽作業後にSCP-3819-JPの出現対象周囲の人間関係を調査し継続的な経過観察を行ってください。
また財団はSCP-3819-JPに対し特殊な事情を含まない限り存在を隠蔽する以上の干渉は行わないことを決定しています。
説明: SCP-3819-JPは日本国内において不定期的に送付される便箋です。出現したSCP-3819-JPは全て非異常の紙及びインクで構成されており、筆跡及び文字の大きさも完全に一致していることが判明しています。
SCP-3819-JPを送付される対象(以下SCP-3819-JP-A)は概して入院中の患者であり、SCP-3819-JPが送付されてきた時点で危篤状態に陥っている事例が多いことが指摘されています。
SCP-3819-JPの内容は一部を除き一律で以下のようになっています。
[SCP-3819-JP-Aの本名]様
貴方の死により[数値(出現ごとに変化)]人もの人が命を落としてしまいます。
生きてください。
出現記録3819-JP: 以下はSCP-3819-JPの出現記録の抜粋及び補足情報です。
出現記録3819-JP-3:
送付対象: 畠山 道弘(84歳)
日時: 2014/5/9
言及された人数: 1人
備考: 2016/6/18、畠山氏の配偶者である畠山 薫(79歳)が自宅にて孤独死していたことが判明しました。
本件における畠山 薫氏の死因は急性心不全であるとして処理されています。
出現記録3819-JP-7:
送付対象: 宇実 武(21歳)
日時: 2016/3/6
言及された人数: 1人
備考: 2016/3/9、宇実氏の元交際相手である竹園 和子(20歳)が自宅にて手首を切りつけ自殺していたことが判明しました。
本件は感受性の高い時期に交際相手を亡くしたことによる心理的ストレスを原因とした後追い自殺として処理されています。
出現記録3819-JP-12:
送付対象: 平田 徹(47歳)
日時: 2020/10/26
言及された人数: 1人
備考: 2023/3/27、生前に平田氏が経営していた小規模の工務店が倒産していたことが判明しました。
本件において現在に至るまで平田氏の血縁関係者に死者は出ていません。調査チームは平田氏の血縁関係者、知人のみでなく工務店元従業員に対しても調査対象を拡大しています。
出現記録3819-JP-18:
送付対象: 若井 東也(56歳)
日時: 2023/6/18
言及された人数: 3人
備考: 若井氏は財団所属の博士及び研究者として複数のオブジェクトの収容担当も兼任していましたが、20██に発生した収容違反インシデントの際に重傷を負っておりSCP-3819-JPが出現した時点で既に昏睡状態に陥っていました。
出現記録3819-JP-18は財団内にてSCP-3819-JPが出現した初の事例であるため、財団は若井氏をSCP-3819-JPの研究サンプルに指定し「SCP-3819-JPはSCP-3819-JP-Aの死亡を起点とし、記載された人数分だけ周辺人物を死亡させている」という仮説のもと若井氏の延命措置、及びそれに伴う周辺人物の死亡率変化調査を開始しました。調査結果は補遺を参照してください。
出現記録3819-JP-23:
送付対象: 南田 義隆(83歳)
日時: 2028/12/27
言及された人数: 1人
備考: 本件はいくつかの点が出現記録3819-JP-3と近似した要素を持つこと1から対照実験適正が見込まれ、南田氏の死亡後にSCP-3819-JPで言及された死亡者数に対する財団介入の影響調査が行われました。結果として南田 佐子氏は自宅にて2029年にくも膜下出血を発症しましたが、監視を行なっていた財団による救護活動により一命を取り留めています。
補遺: 2032年に至るまで若井氏の血縁関係者に死者は出ておらず、財団内における若井氏関係者の死亡率も財団職員全体からD-クラスを除いた平均死亡率と比較して異常な点は見られていません。
また出現記録3819-JP-23で行われた介入実験により「SCP-3819-JPに記載されている人数はオブジェクト出現時点で予測される『SCP-3819-JP-Aの死亡に伴って発生する死亡者数』であり、SCP-3819-JPを起因とする他者の介入により後天的に数値がブレる」という仮説が有力視され、SCP-3819-JPに記載された情報を受けての財団による介入はかえって正常を乱すという見方が強まりました。
このため研究チームにより若井氏のSCP-3819-JP-Aとしての研究価値及び延命措置の必要性が疑問視されています。若井氏に対する延命措置打ち切りの決議は次回の第██回定例報告会にて採択される予定です。ました。
補遺2: 2032/2/7に行われた第██回定例報告会にて若井氏の延命措置打ち切りが確定した際、若井氏に対し新たにSCP-3819-JPが出現しました。内容は以下の通りです。
若井 東也様
貴方の死により2人もの人が命を落としてしまいます。
生きてください。
SCP-3819-JPが同一人物に対し再出現する事例は初でありこれに対し財団は、「延命措置打ち切りの決定により死に瀕した若井氏がSCP-3819-JPの出現条件と見られる『SCP-3819-JPが送付されてきた時点で危篤状態に陥っていること』を擬似的に満たしたためSCP-3819-JPが再出現した」と推測しています。
当事案によるSCP-3819-JPの挙動変化を理由に若井氏へ新たな研究価値が付与されたため延命措置打ち切りは撤回され、若井氏は再び延命措置を受ける運びとなりました。
補遺3: 2032/2/14、岐阜県██市の墓地にてSCP-3819-JPと同様の特徴を持つ便箋が出現していたことが判明しました。当便箋は出現記録3819-JP-23にて送付対象となっていた南田 義隆氏の墓前にて発見されています。内容は以下の通りです。
南田 義隆様
貴方の死は何人にも影響を与えないものであったことが再確認されました。
おめでとうございます。
当内容と出現時期より、「出現記録3819-JP-23にて言及されていた内容は南田 佐子氏の孤独死ではなく若井 東也氏の延命措置取り消しの有無に関するものであった」との仮説が立てられ、現在調査が進められています。









