SCP-3853
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特別収容プロトコル: SCP-3853Aは現在収容されていません(補遺3853-1参照)。財団は現在GoI-328 (帝国学研究所"The Institute of Imperial Studies",IIS)と交戦状態にあります。GoI-328によって喪失された財団資産の回収は最優先事項となっています。SCP-3853Aに依存しない、現在GoI-328の管理下にある全アノマリーの収容プロトコルの開発が求められています。

SCP-3853Bは現在ローマカトリック教会の教皇位として収容されています。その収容をSCP-3853Bの作用によっているアノマリーは、財団との協議によって、カトリック教会の主たる正常性維持機関である超常現象隠蔽評議会(Pontifical Commission for the Suppression of the Supernatural)により収容されています。財団は教皇位の存続を支援し、アヴィニョン・イベント3を導く恐れのある大分裂を一切防ぐためカトリック教会と協力する必要があります。SCP-3853B-1はローマカトリック教皇(現在は教皇フランシスコ、出生名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)です。SCP-3853B-1により記述された書状はすべて、その発信源を一意に識別するか、他の人物により再入力または口述される必要があります。

説明: SCP-3853は本来ローマ帝国皇帝が保有していた2つの称号です。

SCP-3853Aは元来ローマ帝国の国家元首である、皇帝の職です。SCP-3853Aは常に、アウグストゥス・カエサル没時のローマ帝国領内に国土をもつ民族国家の統治者によって保持されます。この統治者がSCP-3853A-1と呼称されます。収容プロトコルのとおり、現在のSCP-3853A-1は帝国学研究所の管理者です。

SCP-3853Aの移譲は通常、SCP-3853A-1が統治する民族国家の継承法に従います。しかしながら、民族国家内・民族国家間の双方で非標準的なSCP-3853Aの移譲が発生しえる状況が数多く存在します。非標準的な移譲の主因となるのは、継承問題です。SCP-3853A-1により統治されている民族国家の指導的地位に対する請求者が複数存在した場合、弱まったSCP-3853Aの異常性が各請求者に現れます。非標準的な移譲はSCP-3853A-1が外力により退けられた場合4や称号へのより強い請求権を持つ他民族国家の統治者がSCP-3853B-1によってローマの皇帝であると宣言された場合5にも発生しえます。

SCP-3853Bは元来ローマ国教であった多神教の大神官である、ポンティフェクス・マクシムス(Pontifex Maximus)の職です。4世紀以降、この職はキリスト教教派の最高位聖職者、通常正教会のコンスタンティノープル総主教またはローマカトリック教会教皇が保持するようになりました6。SCP-3853Bは旧ローマ帝国領内に多数の信者を持つ大宗教の、広範に認知されている宗教的指導者によって保持される可能性が高いものの、ローマ帝国でのキリスト教国教化以来、キリスト教以外の宗教的指導者に称号保持者は存在しません。SCP-3853B-1は現在のSCP-3853B保持者です。収容プロトコルのとおり、現在のSCP-3853B-1はカトリック教会の教皇です。SCP-3853Bが移譲される基準についてはいまだ研究が十分でなく、教皇位の秩序だった継承を維持することが優先事項となっています。

SCP-3853A・Bの主たる作用は本質的に認知的なものです。該当する称号の保持者は、直感的に当該称号の保持者として認識されますが、たとえ観測者がその称号や個人に関して無知であってもこの作用は発生します。すなわち、SCP-3853A-1を知覚したものは、直ちに当該の人物がローマの皇帝であると認識します。この作用は写真及び録画映像を通じては発生しませんが、20秒以上の遅延がない生中継映像や中継・録音双方の音声、本人の手によって記述もしくはタイプされた文章(これにはEメール、テキスティング、その他のデジタル通信が含まれます)を通じては発生します。

SCP-3853A-1及びB-1が口頭であれ書面上であれその配下に直接指示を与えたとき、その指示が遵守される可能性が高まります。実験下では、SCP-3853A-1及びB-1の直接的な指示に従って行動した個体は対照群よりも著しく迅速かつ正確に課題を達成し、発生した過失の数にも有意差が見られました。これらの作用はSCP-3853A-1の直接的もしくは間接的な指揮下にある全軍事力にまで拡大されます。IISに配属されたことで、機動部隊の連携と戦術スキルは著しい改善を見せ、物理的により素早く、より強健に、より機敏になりました。

SCP-3853AはSCP-3853A-1に対して認知的な影響を与えていると現在は考えられています。その正確な効果について厳密な研究はいまだなされていませんが、現在のSCP-3853A-1実例であるアレクサンドル・フィリポフ管理官の観察結果は、以前から存在した彼の誇大妄想的な傾向と古代世界への執着がSCP-3853Aへの曝露によって大いに誇張されたことを示唆しています(補遺3853-1を参照してください)。過去のIIS管理者についてはこれほど顕著な影響は見出だされていませんでしたが、過去の管理者の通信と意思決定の内容を綿密に調査した結果、これが新たな現象ではないことが明らかとなりました。

SCP-3853A・Bの副次的な作用は、以前のSCP-3853称号保持者が出会い、使用または収容した他の異常物品・異常存在との相互作用において現れます。ローマ皇帝アウグストゥスによって設立された神秘管理委員(Superintendency of Secrets)や秘智に関する法務官局(Praetorian Office of Hidden Wisdom)以来、SCP-3853A・Bは異常事象を収容またはその機能を制限しこれらの事象をSCP-3853称号保持者(たち)の下に一元化することを目的とした、奇蹟的・神働術的・法的に拘束力のある契約・儀式の基礎として用いられてきました。現在財団によって収容されている多くのSCPオブジェクトが、収容を目的としたこれら既存の拘束を利用するため、IIS管轄下に置かれてきました。この収容計画は非常に大きな成功を収めており、現在も継続されています。GoI-328が財団を離脱してのち見直されています。

財団は1945年にSCP-3853Aの収容を確立しました。第二次世界大戦で前の保持者7が連合国に敗れたのち、SCP-3853Aは短い期間アメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマン8へ移譲され、然る後財団との事前合意のとおり、トルーマン大統領は皇帝の職を辞して新たに設立された帝国学研究所の管理者シャルル・ぺパン博士へ譲位しました。

SCP-3853は、一般にローマ帝国初代皇帝と認識されているアウグストゥス・カエサルによって作成されたと考えられています。正確な作成の手順は不明ですが、アウグストゥスの自伝的文章である「業績録(Res Gestae)」のある章(以下に複写してあります)には、アウグストゥスの身体をその精霊(ゲニウス・アウグスティ(Genius Augsti)、ローマ帝国における信仰の対象の1つ)へ捧げることを含む何らかの奇跡論的儀式がアノマリーの作成に不可欠であったことが示唆されています。

復元されたドキュメント: 神君アウグストゥスの業績録(Res Gestae Divi Augusti) 第39-43節
以下は初代ローマ皇帝であるアウグストゥス・カエサルの墓碑銘の最終部分です。「業績録」の第36節から第43節にはローマ帝国により機密とされた異常事象や異常人物についての記述がありますが、公になっている「業績録」の写しには記載されていません。そのためこの部分は、当初アウグストゥス廟に掲げられ現在バチカン秘密文書館に保管されている原本にのみ保存されています。

補遺 3853-1: インシデント 3853-AUGUSTUS
2018年3月14日、O5評議会は賛成11、反対1、棄権1で継承プロトコルΨ-18-CALIGULA(暗殺によるIIS管理者の強制的廃位)の発動を決定し、その後SDECotW(全サイト局長執行委員会)は同日中にこの決定を承認しました。実行命令が機動部隊プサイ-18司令官へ与えられましたが、これに対する返答は彼らが財団以上にSCP-3853A-1(フィリポフ管理官)へ忠誠を誓っていることを示していました。1時間以内に、IISの全施設が財団のメイン通信ネットワークとの接続を遮断しSCP-3853A-1がIISの財団からの独立を宣言しました。現在SCP-3853Aは未収容であり、財団はIIS(GoI-328に指定されています)と戦闘状態にあります。IIS管理下にある全アノマリーは財団により回収されるまでのあいだ未収容であるとみなされ、SCP-3853Aに依存しないこれらアノマリーの収容プロトコルを開発することが最優先事項となっています。インシデント3853-AUGUSTUSに関する詳細については、ドキュメント3853-9を参照してください。

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