SCP-3858
評価: -1+x

アイテム番号: SCP-3858

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 恒久的な収容のための解決策が確立されるまで、財団Webクローラは公的に閲覧可能なWebサイトからSCP-3858に繋がるリンクを検出・削除するように設定されます。民間人によって作成されたSCP-3858-A実例は押収・焼却処分し、コンピュータ上の全ての.lmbファイルを削除し、民間人に記憶処理を施します。

説明: SCP-3858は、財団の介入以前には"http://beararms.right.to"のURLで利用可能だった、“Hugbox”という名の異常なファイル共有ネットワークです。SCP-3858のWebサイトのトップページは“端末相互間の有機的な暗号化”end-to-end organic encryptionを宣伝しています — これは、SCP-3858の主要異常特性が、ユーザーによって投稿された全てのファイルを“.lmb”という拡張子の付随する異常なフォーマットに変換することに言及していると考えられます。

本稿執筆現在、財団が把握している.lmbファイルを閲覧可能なアプリケーションは1つしかありません。即ち、SCP-3858そのもののWebベースクライアントです。他のアプリケーションで.lmbファイルを開く試みは、SCP-3858の二次異常効果の発現を招きます — この場合、人間の腕に似た複数のオブジェクト(SCP-3858-Aと指定)がユーザーの近くに生成されます。出現するSCP-3858-A個体の数は.lmbファイルのサイズに比例します。

SCP-3858-A実例は、実際の人間の腕に類似する形式で関節接合されたプラスチックの“骨格”と、それを覆う厚さ5cmのヒト表皮組織で構成されています。実例は.lmbファイルを開いたユーザーに向かって、距離に比例して強く引き付けられます。この誘引力を停止する既知の手段は、問題のコンピュータから.lmbファイルを削除すること、ユーザーを殺害すること、SCP-3858-A実例を物理的に破壊することのみです。

回収: SCP-3858は機動部隊ミュー-5(“デバッガー”)によるWebベース異常存在の有無の定期調査に続いて財団に発見されました。SCP-3858がホストされている位置を特定する試みが決定的結果を出すに至らなかった2015年11月9日、ミュー-5のスペシャリストたちはホスト用のルートアカウントに一時的アクセスを行い、ロックアウト処理を受ける前に他ユーザーのアカウントから複数のファイルを回収しました。財団による当該Webサイト改竄のための更なる試みは失敗しています。

ミュー-5の部隊員がアクセスできた複数のファイルのうち、“gcmp4”というユーザーに属するアカウントには、他全てのアカウントと違って.lmbファイルが含まれていませんでした。回収されたファイルのフーリエ解析とDクラス被験者による実験により、これらのファイルは内容や異常特性においては.lmbファイルと似通っていることが示されています — 例として、不適切なアプリケーションでこれらのファイルを開くと、ユーザーの物理的近傍にオブジェクトが出現します。しかしながら、SCP-3858のWebクライアントはこれらのファイルをプレビューすることが不可能であり、他の“不適切な”アプリケーション同様に異常特性を活性化させます。

補遺SCP-3858.a: “gcmp4”のアカウントから回収されたファイルの一部

ファイル名 出現したオブジェクト 作成日
犬_モデル.bdy プラスチックで構築されている、毛皮に覆われたイエイヌ(Canis familiaris)の頭蓋骨の模型、17個。 .lmbファイルとは異なり、これらのオブジェクトには異常な誘引力が観察されなかった。 2008/03/27
イッヌ_[未完成].bdy “犬_モデル.bdy”ファイルで生成される模型と同じ外見の、胴体に繋がっていないイエイヌ(Canis familiaris)の頭部、1個。模型とは異なり、頭部は予想される解剖学的特徴(目や血管など)を全て備えている。 2008/06/30
腕_パッチ.bdy 身体に繋がっていない、起源不明確な人間の腕、数本。こちらも異常の無い生理学的特徴を有する。他の.lmbファイルと同じく、腕はファイルを開いたユーザーに異常な形式で誘引される。しかし.lmbファイルとは違って、これらの腕には機動性があり、散発的に物を掴むかのように指を動かしたり肘を曲げたりする。 2009/02/19
孤独.bdy 有髄線維と血管の大きな束。当該オブジェクトは部分的な機動性を持ち、時折、移動方向に向かって収縮・膨張することによって身動きする。 2009/04/23
共通_ドナー_完了済.bdy 全体がO-型ヒト血液で構成された7.9リットル分の固体。出現時は-79°Cで凝固している。 2009/07/14

留意すべき点として、2009年7月14日、アメリカ南西部において、同一人物による38件の献血が同時に行われた超常現象記録が残されています。この出来事の全ての公的記録は、問題の献血者の名を“ミズ・ブレイズ・バーナム”1としています — SCP-2586に見られる異常性の一部を調節したものが、ユーザーの身元を隠蔽するために使われた可能性が示されています。更なる調査は進行中です。

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