SCP-3864
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アイテム番号: SCP-3864

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3864は標準的な収容チャンバーの壁に掛けられます。予定された実験の際を除き、SCP-3864には厚手の黒い布が常に被せられます。SCP-3864がこの布では覆いきれないほどに大きくなった場合、適切なサイズの代替物を持たせたDクラス職員を直ちに派遣します。

SCP-3864の収容チャンバーは明るく照らした上で赤外線カメラで監視し、SCP-3864を常に覆いきれているか確認してください。デシベル計がSCP-3864の表面から15 cm以上離れた場所に設置されます。何らかの変化があった場合は担当研究員、本稿執筆現在ではタイラー・イトキン博士に報告する必要があります。

SCP-3864の収容チャンバーへの入室にはレベル3クリアランスが必要です。SCP-3864の収容チャンバーにいる間は赤外線ゴーグルを装着する必要があります。

説明: SCP-3864は1人の人物が描かれた油絵です。描写対象、色、大きさは全て変化し得ます。SCP-3864の外見で変化しないのは、肖像画の対象が人間であることと、検査により判明した、塗料が油絵の具を基にしていることのみです。SCP-3864に2人以上の人物が確認された事例はありません。

SCP-3864は人間の平均体温に近い37° Cの熱信号を発しています。この熱信号は油絵の特定箇所 (描かれた人物など) に集中しているのではなく、油絵全体から発されています。SCP-3864は赤外線ゴーグルやフィルターを通して観測する限りは安全です。

SCP-3864を直接観測した人物 (以下SCP-3864-1と呼称) は、15分以内に全身の色素と身体のほとんどの熱を徐々に失い始めます。同時に、SCP-3864-1の肖像がSCP-3864に現れ始めます。SCP-3864-1がこの過程で苦しむことはありません。30分以内にSCP-3864-1は全身の色素を完全に失い、平均体温が10° Cとなると同時に、SCP-3864にSCP-3864-1の完全な肖像が現れます。その後、SCP-3864-1は重度の脱水症状と低体温症により死亡します。この過程を停止させたり、遅らせたりする方法は発見されていません。

SCP-3864-1の肉体は血の気が無くなり、死体のようになりますが、SCP-3864-1の意識はSCP-3864に移されると考えられています。これはSCP-3864内のSCP-3864-1の肖像が姿勢の変更や “動く” ことができる (ただし、観測中にSCP-3864-1の肖像が動いたという記録はありません) 点から確認されており、その姿は時折コミュニケーションやSCP-3864からの逃走を図っているようにも見受けられます。

加えて、SCP-3864内のSCP-3864-1の肖像は口頭でのコミュニケーションも可能であると見られています。これがSCP-3864-1によるコミュニケーションであるのか、単なるSCP-3864による模倣であるのかは不明です。
コミュニケーションを取る試みが現在も進められています。

補遺: SCP-3864は機動部隊エータ-10によって5/18にヴァージニア州 [編集済] から回収されました。財団がSCP-3864の存在を知ったのは、当地域の警察に配属された財団スタッフが、絵画の鑑賞に関連すると思われる複数の行方不明者の報告を受けたときでした。SCP-3864を確保した機動部隊エータ-10は、当時のSCP-3864-1が、SCP-3864の回収場所である家屋の持ち主の男性だと近隣住民から確認を取ることができました。SCP-3864を直接観測したため、この事実を確認した人物らはのちにSCP-3864内に出現しました。クラスC記憶処理を全ての近隣住民に施し、失踪を隠蔽しました。




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