SCP-3892-JP
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アイテム番号: SCP-3892-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3892-JPが観測される地点付近には簡易サイトを設置し、監視を行ってください。SCP-3892-JP-1の出現が確認された際は該当施設の尋問室に誘導した後、インタビューを実施してください。

SCP-3892-JP-1との会話は全て記録され別世界線の観測資料として登録・保管されます。SCP-3892-JP-1によるエージェント・中川の指名があった場合は情報収集の円滑化を図るため極力対応してください。

現在、中川 源三博士が調査に関与した地下遺跡の調査が再開されています。これに伴い、地下遺跡内部に存在する機構部分の分析が継続されており、現状全体の75%の復元が完了しています。エージェント・中川を起用したダイビングテスト以降の実験は復元作業完了後に再開されます。

これに並行して中川 源三博士の身辺調査も行われています。


説明

SCP-3892-JPは中川 源三博士(享年██歳)の墓標にて発生する異常実体(以下、SCP-3892-JP-1)の出現イベントです。SCP-3892-JPは中川博士の火葬が終了し、納骨式が行われた際に初めて観測されました。

現在、インタビューの内容からSCP-3892-JP-1は生前の中川博士と交流があった事が判明しており、それらの事実確認が行われています。なお、証言で得られた中川博士の活動内容は財団の公式の情報には一切記録されていない内容であり、提示された情報の精査が継続中です。


SCP-3892-JP-1の概要

SCP-3892-JP-1の形状や出自等に一貫性は見られませんが、全実体が「生前の中川博士の知人である」という内容を証言しています。これに伴い収容中の中川博士の行った異常行動がそれらと関連していた可能性が浮上しています。
以下は確認されている実体群のまとめです。

SCP-3892-JP-1の形態のまとめ
触手型 おおよそ人間と同様の形状を取っているが、頭部や背部、腕部の一部が触手状の器官に置き換わっている。肌色が現在確認されている物で赤・青・緑・桃・紫で構成されている。財団職員との会話は主に日本語を用いるが、これは中川博士からの指導により獲得したと発言している。時折、未知の言語での発話が観測される。
樹木型 おおよそ人間と同様の形状を取っているが、全身が植物(主に熱帯雨林に生息する樹木)と同様の物に置き換わっている。財団職員との会話は主に言語体系は主に日本語を用いるが、これは中川博士からの指導により獲得したと発言している。時折、木を擦り合わせる音でのコミュニケーションが観測される。
昆虫型 大型の昆虫と同様の形状をした実体。一部はカンブリア紀に生息していた甲殻類と同様の形態をしている。発達した後部の附属肢を用いる事で二足歩行を行い、衣服の着用も確認されている。対話は主に筆談で行われ、言語は日本語が用いられる。他の実体同様にこれも中川博士からの指導により獲得したと証言している。コミュニケーションは体内から発せられる高音域の音の高低で行われる。
爬虫類型 おおよそ人間と同様の形状を取っているが、体表の鱗や眼球の形状および瞬膜、尻尾の有無など爬虫類生物と同様の特徴が多く見られる。財団職員との会話は主に日本語を用いるが、これは中川博士からの指導により獲得したと発言している。獲得している文化水準はどの実体よりも高度な科学的知識を有する段階であると思われ、独自の言語と文字を用いた意思疎通が確認されている。現在、同実体からの資料提供として複数の歴史書や建築物の資料、法律書などが寄贈されている。
人間型 人間と同様の形状をしている。着用している衣服の様相はAD1世紀の物と類似している。言語体系は主に日本語が用いられる。現在、この分類の実体は1体のみ観測されている。

地下遺跡の概要

地下遺跡の起源は、採取した瓦礫などの年代測定から██万年前に遡ることが予想されています。内部を構成している主要な機構部分はレアメタルと同様の性質を示す破壊不可な金属で構築されており、これらの組み合わせにより内部機構群は一種のスーパーコンピューターの役割を担っていると推測されています。

地下遺跡は19██年█月█日の██県██市にて発生した震度4弱の地震を切っ掛けに発見され、これにより地中内に埋没していた入り口部分が隆起しました。当初は地元の博物館が派遣した発掘隊による発掘作業が行われていましたが、前述した機構部分の発見に伴い、一種のオーパーツとして財団が調査活動に関与。結果、中川博士が調査に参加したことにより前述の異常性が発生する結果となりました。

地下遺跡内の内部機構は通電させることで起動し、内部に残された電子記録の閲覧が可能になります。しかし、内部機構には映像出力を可能にする機構が備わっておらず、これの閲覧を行う際はダイビング機構1を用いる事で被験者の脳との同期が必要となります。

現在、財団は中川博士の残した解読結果を基に機構の復元作業を継続しており、一部の情報が閲覧可能な状態です。

保存されている情報は、現在中川博士が関与した別世界軸の文明の歴史や文化、多種多様な言語体系が中心であると判明しており、それらの文明が既に崩壊している事も記録されています。財団はそれらの情報を文明の崩壊事案およびXK世界終焉シナリオのシミュレーション用データとしての運用を検討しています。

2022年現在、SCP-3892-JP-1の出現は地下遺跡内部の機構と関連があると推測されており、現状SCP-3892-JP-1へのインタビューと並行して内部記録の分析が進められています。


中川 源三博士の概要

氏名: 中川 源三

役職: 異常言語および文化の研究

概要: 中川 源三博士は財団日本支部内にて異常実体の発する言語の翻訳や異文化形態の解析を主に行っていた財団職員です。
博士は19██年に██県内で発見された地下遺跡の調査に同行し、異文化分析の陣頭指揮と内部の壁画に描かれた言語の解読作業を行っていました。しかし、言語の解析が完了した段階で中川博士に認識災害を伴う異常性に暴露したと思われる症状が発現し、財団所有の隔離病棟へと移送されました。
収容中の中川博士には「病室内の壁面に未知の言語を書き記す」「未知の言語で発声する等の異常行動」を繰り返す傾向が見られ、これにより遺跡内の言語に伝播性の異常性がある疑いが浮上しました。結果、遺跡調査は一時凍結され、異常性拡大を警戒し博士を異常実体として再収容しました。
収容が完了してから██年後、中川博士は急性心不全が原因で死亡。後の調査により、確認されている言語には何ら異常性はないことが判明しました。


補遺1

以下はエージェント・中川が行ったSCP-3892-JP-1へのインタビュー記録の抜粋です。

以下は解読された文章の抜粋です。


追記

以下は地下遺跡の内部機構へ行ったダイビング実験の参加者であるエージェント・中川の主観記録です。

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