注意
この文書はマルドゥク計画執行部の権限の元保存されています。SCP-3895の異常な影響が現在増大中であるため、内包する情報の一部は27-アポロを接種していない職員には認識災害をもたらすと判明しています。この処置は97%のケースにおいてこの文書のもたらすミーム的脅威を中和すると証明されています。この手順を受けていない場合、以下の文書へ進まないでください。

では、前置きを始めようか。諸君がこれを読んでいるならば、諸君は我々が主導権を失うに至った事態の拡大を承知していると思う。
平たく言うと、我々の歴史の中で、比較的楽な時代を我々は担当してきた。
そう断言することは、この組織の職員が幾千年に渡って為してきた奉仕の集積を鑑みて、諸君の殆どにとって、侮辱ではないとしても偽善的に見えるかもしれないとは理解している。私は諸君に、プライドを脇において、このことを客観的に考えてもらいたいと思う。
我々の組織によって収容され、処理され、そして生み出されてきた脅威は、この時点までは、制御可能であった。困難はあり、犠牲もあった。しかしそれらは制御されてきた。我々は我々の仕事を果たしてきた。この事の証拠は諸君の周りいたるところにある。人類は未だに存在する。文明は立ち、そして強く立っている。我々は、我々の世界の礎であり続けてきた。
我々がこれまで対峙してきたものの総合的な性質を考えてみると、諸君はあるパターンに気づくであろう。クローゼットに怪物はいる、だが我々はドアをボルトで留めた。我々は数え切れない樽を見張っていたが、一つの引き金も引かれなかった。ダモクレスの剣も同様に吊り橋のケーブルで吊られているのかもしれない。我々がすぐに解決できないものでさえも、率直に言って怪しいと思える程にのろく、我々が適切な緊急対処法を作り出す余裕があった。我々はある意味で、幸運であった。そして我々の幸運ゆえに、一般の人々は夜には世界を気にすることなく寝ることができる。
我々は我々の方で、それに合わせて怠惰になってしまった。我々は、既知の敵のような特徴的な礼儀正しさを持たない何かに対して準備ができていないことに気づいた。主導権を握り、我々の限界に配慮しない何か。ガラガラ音も擦過音も立てずに攻撃する蛇のような何か。
これらの出来事は速やかに進行し、我々の全ての力を持ってしても突き止められるかはわからない。何千もの他の敵と戦いながらではなおさらだ。だが私は、我々が引き下がることを期待しない。私の持つ部下は侮られるのではなく恐れられ、首を牙が掻くままに眠ることを良しとしない者たちであるはずだ。
SCP-3895の出現は、我々から選択肢を持つという贅沢を奪った。それは我々の防御を粉砕し、我々の砦を陥とし、我々の聖なる死者を貪り奴隷とし、我々の力を嘲ってきた。我々は良き判断、抑制、思考、として訓練を見せてきた。だが戦争は地平線から顔をのぞかせ、我々にはかつてのように予測し、手段を整える十分な余裕がない。我々は忘却の瀬戸際にいて、そこへと押しやられている。今こそ、押し返すときなのだ。
我々は確保する。我々は収容する。我々は保護する。そして今、我々は戦うのだ。
O5-8、マルドゥク計画主席管理者
アイテム番号: SCP-3895
アノマリークラス: Tiamat1
脅威レベル: ● 黒
戦略的行動プロトコル: 近日中に予定されている財団の最高司令部の再評価により決定されます。
説明: SCP-3895はカテゴリー4敵対的形而上実体であり、基底現実に成功裏に物理的顕現するに至っており、地球の全生命を吸収、同化しようと活発に試みています。
物理空間内では、SCP-3895は形態的に様々な生物体のゲシュタルトとして存在します。その全てはSCP-3895の形而上的コンポーネントに奉仕し、操作されています。個々の生物体はすべての既知の分類学上の生物カテゴリーの広範な種からの素材をその生命活動へと、観察上ランダムに取り込みます。それらの構成は常に、様々な腐敗の段階にある遺伝的にヒトである組織から構成されています。個々のSCP-3895標本が、全て様々な程度の壊死と腐敗を示し、栄養の取り込みや休息を必要としていないように観察されていることから、伝統的な意味で「生きている」と考えられるのかについては現在議論中です。その他の多数の細胞学上、代謝上の異常性も存在しており、現在分析が進行中です。
SCP-3895は生存または死亡した生物素材をその質量内へと消化、同化でき、その過程で一般に、順属する自律的な肉体を、与えられた機能に合致するよう、あるいは認識した脅威に適応するために変化させるといった、極めて迅速な物理的変異を呈します。人間を消化、同化すると、SCP-3895は時折行動上および戦術上の変化を呈し、このことはSCP-3895はヒトの神経組織内に保存された情報を獲得、利用できることを示します。この結果、SCP-3895の戦力と戦術的に交戦することは、SCP-3895の財団の軍事戦術と訓練の知識が財団の職員が同化されるごとに増大するため、困難であると示されています。
個々のSCP-3895実体は階層ヒエラルキーを持っているように観察されますが、その具体的な性質は現在不明です。大型のSCP-3895実体(≈ 6メートル高)は小型のSCP-3895実体のグループを率いることがあり、負った外傷を修復するためにそれらを消化することがあります。大型のSCP-3895生命体はまたときには、無力化されると小型で自立した個々の実体へと分裂することがあります。
SCP-3895実例は時として非言語的な発声を行うことがありますが、これまで観察されたもののごく一部(0.4%)は意味のある会話を行う能力を見せています。これらの例外的な生命体は、同化されたと判明している個人に特異的な行動上の特色や知識を有していることが示されています。SCP-3983から得られた情報、およびSCP-3896やSCP-3897の実例をあわせて考えると、SCP-3895の形而上的影響は死回帰閾thanatotropic thresholdを超えて作用すると結論付けられます2。
SCP-3895はこの文書の作成時点で、収容のあらゆる試みに抵抗しており、現在の財団の対応の初期対応は彼らが存在する限りにおいて██ヶ月以内に無効となり、TK-クラス全人類変異シナリオをもたらすと予測されています。
交戦状態: 財団の非常事態プロトコルは2017年3月10日のイベントの開始時点で現在危機レベルにあります。適切に配置されSCP-3895に関連したアノマリーを収容するための財団の遠征戦力の失敗は、SCP-3895の極度の増殖と変異の速度と合わせ、ピュアベール作動基準の維持の持続的実行可能性の限界に至る全世界的な非常事態をもたらしています。
財団の軍事資産は、SCP-3895の全世界的な出現に対応するため、他の喫急のK-クラスシナリオを防止するため現在交戦中のものを例外として、その全戦力が動員されています。この文書の最新のアップデートまでに、国際軍事資産を徴用することによる財団戦力の補充が行われましたが、戦力の喪失速度に対して、最大限に良く言っても一時的なものでしかありません。
近年のイベントのタイムラインは以下になります。
日付 | イベント |
---|---|
2016年11月27日 | SCP-3895に関連していると判明している全ての既知のSCPオブジェクトの全世界的なエスカレート、多発化、過激化への対応として、マルドゥク計画がO5-8により提案される。 |
2017年1月22日 | 特務部隊シグマ-1が結成され、GoI-089“背負うものら”と共にSCP-3895の戦力の世界的な出現に対して起用される。 |
2017年1月29日 | STFシグマ-1の人員喪失は許容できる範囲外であると、マルドゥク計画中央司令部により判断される。財団の対応戦力を維持するため、手順3895-ペルセフォネの対象となる財団職員の1日あたりの数がO5-8により3倍へと引き上げられる。 |
2017年3月8日 | グアムに駐在するSTFシグマ-1の戦力が、沿岸部での膨大なSCP-3895実体群の出現に対応して派遣される。増援は展開され、続いて敗北する。SCP-3895の戦力により島が失われた。SCP-3895による重大な領域喪失の最初の例。全世界非常情報隠蔽プロトコル3895-セイレーンソング3が発動される。 |
2017年3月9日 | かつてのグアムである排他ゾーン3895-01に居住するSCP-3895実体群の行動の変化が観察される。個々の実体4が島の中央に集積、融合、幅約1.87キロメートルの生物的素材の不定形の塊を形成する。長距離奇蹟論スキャナーが、SCP-3894-アルファを超える概念エネルギーを検出する。集塊は、マルドゥク計画奇蹟論部門によりSCP-3895の初期顕現と、それに続く基底現実への進出に先立つ超生物学的プラットホームであると予想され、SCP-3894-アルファにより確認される。集塊は臨時にSCP-3895-プライムと命名される。 |
2017年3月10日 | STFシグマ-01全員5が、SCP-3895-プライムの破壊もしくは妨害のために排他ゾーン3895-01に展開される。SCP-3895-プライムは中央の集塊より下位の実体群を生成し、STFシグマ-01と交戦する。 |
2017年3月13日 | STFシグマ-01が失われる。SCP-3895-プライムは幅2.39キロメートルに増大する。奇蹟論スキャンでは、概念的および形而上的エネルギー読み値は、SCP-3895-プライムが懐胎し続けるに従い指数関数的に増大し、排他ゾーン3895-01の局所現実の破綻もしくは再構成が近いことが示される。 |
3895-セイレーンソングなどの情報撹乱プロトコルは破綻し始めています。STFシグマ-01の喪失に伴い、SCP-3895の世界的な出現はチェックされておらず、財団の軍事資産全体の動員を必要としています。2017年3月14日までに、認可のためにソローズエンド作戦が監督評議会と倫理委員会に提出されました。認可された場合、この対応行動は財団の基本的な主要目的の再定義を行い、SCP-3895-Ωの基底現実への出現の結果としての人類の絶滅を防止する試みの結果として引き上げられたベールシナリオをもたらすと思われます。
現在、他のSCPオブジェクトの使用や、STFシグマ-01の喪失を補填する財団職員の強化された異常な変換といった、利用可能なあらゆる手段を用いて、SCP-3895に対する財団の攻勢を増強し、補助するための調査と戦略的な努力が行われています。全ての財団の動員戦略と行動は、現在、通常の爆撃が無効であった場合、試作奇蹟論核戦略弾頭を初期試験からSCP-3895-プライムに直接使用すること等、SCP-3895-プライムの破壊を最優先としています。SCP-3895-Ωの懐胎とその結果としての基底現実への出現は、人類への即座かつ逆行不能な脅威です。財団はこの実体を誕生させてはなりません。
我々は、子宮に戻るわけにはいかないのだ。
死体となったあなたも、愛してみせましょう
家に帰る時間ですわ
母は最善を知っているのですから