SCP-3899-JP
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Toxoplasma%20gondii

SCP-3899-JP

アイテム番号: SCP-3899-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-3899-JPに感染したネコ科生物はサイト-403のBSL3防疫区画内で管理されます。SCP-3899-JPの保虫者が確認された場合、感染源と見られる地域を封鎖後消毒し、一帯のネコ科生物の殺処分を行います。

財団はWHOに介入し、恒温動物の生食文化を禁止する指導を行うよう働きかけています。

説明: SCP-3899-JPは異常性を持つ新種のトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)です。人間がSCP-3899-JPに感染した場合、施設などで飼育されていると認識した対象を解放するよう思考を変容させられます。

SCP-3899-JPと一般的なトキソプラズマ原虫の生態は酷似しており、判別方法は上記の異常症状及び遺伝情報しか確認されていません。過激な動物解放運動を行う団体に所属をはじめとする明確な異常行動が出ていない場合、感染者の確認が困難です。正確な同定には体内からSCP-3899-JPと疑わしき嚢子を採取し遺伝子検査を行う必要がありますが、トキソプラズマ原虫に感染した人間は世界人口の1/3に達しているため、全数検査は事実上不可能です。

SCP-3899-JPは最終宿主のネコ科生物を含め多数の動物に感染します。通常は人から人への感染は行われず、主に感染したネコ科生物の糞便に排出される成熟卵嚢子を経口摂取を行った場合や、感染した恒温動物を生食した際に感染します。その後、増殖期を経て筋肉や脳内で休眠状態の嚢子となり、通常は生涯にわたり保虫者となります。

SCP-3899-JPの異常性の影響は体内のSCP-3899-JPの活動量に応じて変化します。増殖期では思考が急速に変容し、休眠期では緩やかに変容します。記憶処理剤による思考の矯正が可能ですが、SCP-3899-JPを体内から完全に駆除しない限りSCP-3899-JPの影響は持続します。

既存のトキソプラズマ原虫の抗寄生虫薬はトキソプラズマ原虫を休眠状態に移行させる事を目的としています。財団はSCP-3899-JPを完全に駆除する手段として抗寄生虫薬の新薬を開発しましたが、新薬は副作用が極めて強い事に加え、人間のSCP-3899-JP感染者が感染源となるケースが稀なため、利用範囲は限られています。

補遺1: サイト-403の財団職員間でSCP-3899-JPのアウトブレイクが発生し、それに伴い実験動物及びDクラス職員の脱走未遂事件が発生しました。脱走の計画段階でサイト-403は機動部隊により制圧され、SCP-3899-JP感染者には新薬及び記憶処理剤の投与が行われました。

脱走の計画段階で鎮圧された主な理由として、感染者間で解放する対象の意見が割れた事が挙げられます。特にDクラス職員を飼育対象として認識している職員と、認識していない職員間の対立が激しく、その争いから計画が外部に漏洩しました。財団はこれらのDクラス職員に対する認識に大きな問題があるとして、対象の職員によるDクラス職員の管理体制に関する調査を行っています。

アウトブレイクの原因はサイト内の飲料水にSCP-3899-JPに感染したネコ科生物の糞便が混入されたためです。SCP-3899-JPに最初に感染した財団職員がDクラス職員の事を飼育対象と認識しており、脱出の賛同者を募るために混入したものと見られています。

補遺2: サイト-403の調査報告書が作成されました。当初の想定通り、Dクラス職員を飼育対象と認識していない職員は精神的な問題を抱えていた事が判明しました。

前述の職員はサイト-403内での業務により、Dクラス職員を日常的に終了させる強いストレス環境下で業務を行っていました。そのため、Dクラス職員を消耗品の道具として見なす職員と、罪滅ぼしとしてDクラス職員を対等な人間として扱い、過剰に保護する職員で二極化しており、Dクラス職員の管理に支障が出ていました。

財団は対象の職員にカウンセリングと並行して研修を実施し、Dクラス職員に対し正常な認識1を取り戻すよう指導を行う予定です。

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