アイテム番号: SCP-3901-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3901-JPは標準的な死体保管プロトコルに則って管理されます。
現在、他の「真桑友梨佳」という姓名を持つ異常な死体との関連性について調査が行われています。
説明: SCP-3901-JPは20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体です。SCP-3901-JPは発見時点で著しく損傷しており、直接の死因となった外傷は判明していません。以下はSCP-3901-JPに認められる致死的な肉体的損傷のリストです。
- 少なくとも11箇所の、高所からの落下に類型の打撲痕 (全身)
- 縊溝 (頸部)
- 7箇所の切創 (左手首)
- 過剰量のベンゾジアゼピン系睡眠薬に起因すると考えられる神経系異常 (全身)
- 非心原性肺水腫 (肺)
- III度熱傷 (気道及び体表面の90%以上)
- 轢痕 (腹部)
- 銃創 (側頭部)
映像記録3901-JPの内容から、これらの外傷は真桑氏が自殺を試みた瞬間に同時多発的に発生したことが明らかになっています。
上記の外傷について、死亡2日前に真桑氏がネット上の掲示板に投稿したスレッドとの関連性が疑われています。スレッドの内容は自殺の手段を募集する旨のものであり、捕捉時点で自殺をやめるよう促すもの1が4件、死亡手段を提案するものが24件、その他真桑氏への質問が8件で計36件のコメントが投稿されていました。投稿された死亡手段から想定される肉体損傷とSCP-3901-JPに見られる外傷の一致から、スレッドが何らかの形でSCP-3901-JPに関連している可能性が高いと考えられています。
その2日後、真桑氏は配信サイトへのリンクを同スレッド内に投稿しています。配信は自身の自殺を生配信するという旨の内容であり、実際に真桑氏の死亡前後の様子が記録されています(映像記録3901-JPに指定)。配信のリンクは公開されていたものの、日時が平日の昼間であった点や配信サイト運営による配信停止・動画削除処分があった点などから閲覧者は非常に少数であり、追跡調査の結果からも動画の拡散は行われていないと判断されています。
以下は映像記録3901-JPの書き起こしです。
映像記録
注記: 重要度の低い事項は省略済である。
[記録開始]
[真桑氏が自室で撮影を開始する。天井からは首吊り用と思われるロープが垂れ下がっている]
0:02: 真桑氏が自身の執筆した遺書を読み上げる。仕事での失敗と生活の困窮が動機であること、自身の葬儀は家族葬を希望すること、家族への謝罪などが語られる。
0:17: カメラを覗き込み、自殺の宣言を行う。
0:19: 踏み台の上に乗った状態で縄を手に取り約10分間静止する。
0:28: 縄に首を通す。その瞬間、真桑友梨佳氏は何かに動揺した素振りを見せる。
0:29: 真桑氏が胸部を抑えながら暴れる。反動で踏み台が蹴り飛ばされ、頸部が縄で圧迫される。また、この時点で左腕部に複数の切創が確認できる。
0:30: 真桑氏の衣服が発火する。しかし、炎は部屋の家具や縄には延焼せず、真桑氏の肉体と衣服のみが炎上する。ここから約2分間、炎により映像が不明瞭となる。
0:31: 真桑氏の腹部が突如として陥没する2。この時点で真桑氏は自身の肉体的損傷に対し明確な反応を見せておらず、既に意識を失っていると考えられる。
0:32: 銃声が発生し、真桑氏の頭部が大きく揺動する。同時に炎が鎮火し、真桑氏の死体が明確に放送される。
0:48: ユーザーからの通報を受けた運営によって配信が強制的に停止される。
[記録終了]
一連の調査の終了後、映像を閲覧していたユーザーは全て記憶処理され解放されています。また、真桑氏のスレッドにコメントを投稿したユーザーについて追跡調査が行われましたが、コメント投稿以外のSCP-3901-JPとの接点は発見されませんでした。
補遺: オブジェクト指定の経緯
当初、財団は映像に記録されている外傷発生イベントを超常現象記録-JPに指定しており、当該オブジェクトは関連物品として調査が行われていました。しかしながら、調査の結果SCP-3901-JP自体にも不審な点が発見されたため、オブジェクト対象の再指定が行われました。
SCP-3901-JPは肉体の損耗の大きさから生物学的・臨床医学的観点において死亡していると判断されています。にもかかわらず、SCP-3901-JPからは不定期に筋肉の痙攣や微弱な生体信号などが観測されています。職員の呼びかけなどに対する肉体的反応は見られないため、これらの反応は完全に不随意のものであると考えられますが、死亡しているはずのSCP-3901-JPから肉体的反応が見られる理由に関しては不明です。









