SCP-3904-JP
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アイテム番号: SCP-3904-JP

オブジェクトクラス: Ticonderoga

特別収容プロトコル: SCP-3904-JPは通常の夢見現象との区別が困難であり、異常が露呈する可能性が極めて低いため、収容措置は行われません。

説明: SCP-3904-JPは特定の条件を満たしたヒト(Homo sapiens)(以下、対象)に不定期に発生する夢見現象です。現在確認されている全ての事例で、対象は無差別殺人、破壊行為、強盗、暴行を行う欲求があり、3ヶ月以内にそれを実行する計画があったことが判明しています。他の条件が存在するのかについては現在調査中です。

対象は概ね同一の内容の夢を報告します。しかしながら、その記憶の多くは不明瞭であり、明瞭な報告がなされた事例は現在確認されていません。

補遺: 以下は、中東テロ組織の一員であったターミール・エル・ムラドの報告です。SCP-3904-JP経験時、ターミール氏らは人口密集地におけるテロの実行を1週間後に計画していました。

ああ、よく覚えている。今でも……あの夢のことは忘れられないよ。

俺は、いつも通り寝て気がついたら、知らない建物にいた。建物は確か、白い建物だった気がする。あと、妙に人気がなかった気がするな。

そして、気づいた。俺が着ているこの装備は作戦のときのものじゃないかって。そうかそうか俺は作戦中なんだって思ったよ、おかしいよな。でも、夢って理解できないことでもすぐに理解できたりするだろ?

それで、俺は目の前の扉を開けた。そこには沢山の人がいた。あいつ等の年齢とか服装は覚えていないが、俺が部屋に入った瞬間に俺を一斉に見てきたことは覚えているよ。

俺はとりあえず、作戦通りに銃をぶっ放した。あいつ等は叫び声をあげたりして逃げたりして、俺は作戦が上手くいってると思った。

だが、あいつ等の1人がこっちに近づいてきた。俺はそいつに銃をぶっ放した。

気付いたら腹に衝撃を受けていた。拳が目で捉えられなかった。

激しい痛みが襲ったよ。だが、あいつは攻撃を止めずに、全身を殴ってきた。とても人間業とは思えなかった。

ほぼ意識が飛んでいたが、俺はあの痛みだけは鮮明に覚えている。本当に、怖かった……死ぬのかと思った……

俺は祖国のためなら命さえも投げ出せると思っていた。でも、夢の中で痛みを味わって心が変わった。

俺は……死ぬのが怖くなった。

だから俺は組織を辞めた。ただの夢で怖じ気付くなんて笑えるよな。

でも、俺はあの夢を見て、良かったって思ってるんだ。

対象のおよそ60%は計画の中止および計画からの脱退を希望します。主な理由として「夢の中で何者かに殺害/暴行され、恐怖を感じた」という旨のものが挙げられています。また、特筆すべきことに、人型実体の外見的特徴は対象によって異なることが判明しています。

追記: 複数回の機器による調査の結果、SCP-3904-JP発生時に対象の形而上領域と他人の形而上領域が接続されていることが判明しました。現在、接続が発生する条件について調査中です。

以下は、対象の形而上領域が接続されていた田村 毅の報告です。田村氏の形而上領域は2020/6/9/9:20~9:30(JST)のおよそ10分間、ターミール氏の形而上領域に接続されていました。

確か……その時間は授業中だ。そうだ、現代文の授業中だったかな。

特に何かあったとかはなかったな。授業も退屈だし、つまらないと思っていたよ。

ちょっと暇すぎて、テロリストが侵入してきた場合の脳内シュミレーションをしてしまったくらいだよ[笑う]。

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