SCP-3909
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アイテム番号: SCP-3909

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-3909-Bの発生前にSCP-3909-Aを特定するのは極めて困難であるため、活動は主に、ソーシャルメディアおよびトラディショナルメディアの追跡による、SCP-3909-Bの1回目の出現の特定を重視しています。まだ競技に参加していないSCP-3909-AにはSCP-1853が投与されます。SCP-3909-Aに競技への参加を許可する前に、当該対象の技能と専門分野を評価し、技能向上のために必要と思われる援助を提供してください。

SCP-3909に曝露した人物に対しては現象の終結時に記憶処理を実施し、SCP-3909-Aに対しては医療処置を施してSCP-1853を体内から取り除いてください。

説明: SCP-3909は、親となる2人がウータン・クランの楽曲『Bring da Ruckus』を聴いている最中に母胎に宿った人物に影響を及ぼす現象です。厳密に言えば、生物学上の親の双方が音楽に意識を向けており、そのトラック全体に耳を傾けている必要があります。受精が起こるタイミングは楽曲のどの時点でも構いません。SCP-3909の対象となった人物はSCP-3909-Aに指定されています。

SCP-3909-Aの出生から正確に7500日が経過すると、そのSCP-3909-Aの目前に、SCP-3909-B実体が赤い閃光を伴って出現します。SCP-3909-B実体群は様々な種族の地球外実体であると思われ、地球上での生存を可能とするテクノロジーを身に着けています。いずれの実体も、発声器官もしくは録音装置のいずれかを通して、対象となるSCP-3909-Aの母語で以下のメッセージを発します。

挑戦を受ける準備はできているか?

対象が非肯定的な返答をした場合、SCP-3909-Bは赤い閃光を伴って消失し、24時間後に同一のプロセスを繰り返します。対象が肯定的な返答をした場合、もしくは過去5回の出現において非肯定的な返答をしていた場合、SCP-3909-Bは以下のメッセージを発します。

この私、Jou-Tzee1は、錆びし玉座の帝国 (Empire of the Rusted Throne) が名誉のため、これより神聖な決闘を開始する。チャンピオン・ラカス (Ruckus) よ、運命は今日、サンダード・コレクティブ (Sundered Collective) の名誉を守らんがために貴方をここへと導いた。この瞬間のために貴方は生涯をかけて訓練を積んできたのだ。決して挫けるな。

その後、SCP-3909-Aと-Bの双方が赤い閃光を伴って消失します。5分から2日後、SCP-3909-Aのみが同じ服装で帰還します。数例から得られた証言によると、SCP-3909-Aと-Bは不明な、恐らくは地球外である可能性が高い場所に存在する競技場へと瞬時に移動するようです。競技場を取り囲む、スタジアムのものと似た席には推定で200,000体の地球外実体が座っていますが、距離があるためにその特徴は識別できていません。

この競技場には、様々に異なる1対1の競技に必要な器具が置かれています。どの事例でも、競技のフォーマットはSCP-3909-Aが得意とするものです。不明な言語で短い宣誓式が行われた後2競技のルールが同様の言語とSCP-3909-Aの母語でアナウンスされます。どの事例でも、SCP-3909-Bは選択された競技において相当に高い技能を示しており、これまでにSCP-3909-Aが勝利した事例は2回のみです。競技が終了すると、SCP-3909-Aは消失前の場所に再出現します。

補遺3909-1: SCP-3909-Aの証言から収集されたSCP-3909出現事例集の抜粋。報告の一覧については付録Dを参照してください。

実例: SCP-3909-A-04、2024-06-01
競技: 放火
説明: 出場者は可燃性の液体が入った大きな水差しと、地球上で生産されるものと類似したライターを渡され、同一の無人の1階建て住宅を燃やすよう指示を受けた。先に住宅を倒壊させた出場者が勝者と見なされた。
結果: SCP-3909-Aは敗北した。これは、SCP-3909-Bがプロペラに似た付属肢を用いて、可燃性の液体を容易かつ爆発的に発火する蒸気に変えたためである。SCP-3909-Bは炎に包まれて死亡したが、観客は歓喜に満ちていたように見受けられた。

実例: SCP-3909-A-07、2025-03-06
競技: ラップバトル
説明: 観客の反応が勝者を判定する指標として用いられた。SCP-3909-Aは音楽のビートを "催眠術的" だと評したが、偶然にも幻覚剤を服用していたために認知が歪んでいたと認めている。
結果: SCP-3909-Aが僅差で勝利した。対象曰く、自身のラップスキルは薬物の服用で強化されるとのことだが、友人や家族の証言から、実際にはそうなってはいないことが示唆されている。

実例: SCP-3909-A-09、2025-06-19
競技: パニック発作
説明: パニック発作を先に起こしたと審判に判定された出場者が勝者と見なされた。
結果: 対象は競技の宣誓式時点で既にパニック発作を起こしていたため、審判はSCP-3909-Aを失格にし、SCP-3909-Bを勝者とした。

実例: SCP-3909-A-10、2026-01-02
競技: エルヴィスの物真似
説明: 出場者はエルヴィス・プレスリーの癖・ダンス・歌を真似る能力で審査された。適切な衣装とヘアスタイリングが両方の出場者に提供されたが、外見は評価に影響しなかった。
結果: SCP-3909-Aが勝利したが、当人は個人的にSCP-3909-Bのパフォーマンスの方が優れていたと考えており、対戦相手が複数の開口部から悪臭のするヘドロを滲出させていたために審判が自分を贔屓したと推測した。

実例: SCP-3909-A-12、2026-08-15
競技: ダイスロール
説明: 出場者は5つの20面ダイスを交互に振り、合計値が高い方がラウンドに勝利した。3ラウンドを先取した方が勝者となった。
結果: SCP-3909-Aはいずれも僅差で 3ラウンドを取られて敗北した。実験を重ねた結果、SCP-3909-A-12は異常な確率操作が可能であり、同様の競技で非異常な人間が相手であれば98%の確率で勝利できると判明した。

実例: SCP-3909-A-15、2027-11-30
競技: 格言の創作
説明: 出場者は15分ずつ猶予が与えられ、無作為に選出された題目 ("征服") について1、2文の文章を考案した。審査団はそれぞれの格言がいかに感動的で、有意義で、引用する価値があるかを基準に評価した。
結果: SCP-3909-Aは各カテゴリーで最低得点を叩き出し、敗北した。この原因について対象は、自身の文章が征服に批判的だったのに対し、SCP-3909-Bの格言は征服に支持的だったためだと考えた。

補遺: 異常現象71255-インディゴ-BはSCP-3909と関連しています。█████████████アレイが配備された2028年に当該現象が発見されて以降、200〜500光年離れた地球近傍の宇宙空間における星々が、原因不明のまま不定期に消失しています。直近の分析から、█████████████での観測に伴う2〜5年の遅延を考慮すると、この消失はSCP-3909-Aと-Bとの競技の終結に対応していることが示されています。したがって、この現象はSCP-3909-Cに再指定されています。

競技の勝者ならびに勝利の度合いはいずれもSCP-3909-Cの規模に影響します。SCP-3909-Aが競技に勝利した2回の事例において、星の消失は観測されませんでした。各事例ごとに1,480〜87,513の星が消失しており、SCP-3909-Aのパフォーマンスが優れているほど消失する数が少なくなっています。

SCP-3909-Cが地球の太陽系に直接的な脅威を呈しているか否かは現状不明確ですが、ヘイムダル計画の勧告に則り、SCP-3909は先行してKeterクラスに格上げされており、SCP-3909-Aのパフォーマンスを最大限に高めるよう収容プロトコルが再設定されています。この収容プロトコルが施行されて以降、SCP-3909-Cに関連する星の消失は過去の平均から69%減少しています。

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