SCP-3916
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こちらは全4版中の第4版であり、2022年7月25日に執筆されました。前版からの重要な変更点は青色でハイライトされています。

アイテム番号: SCP-3916

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 今のところありません。財団管理下にあったすべてのSCP-3916個体は収容違反しています。

すべてのSCP-3916個体は即時的かつ徹底的に根絶されなければなりません。根絶の取組は特にSCP-3916-1個体に集中して行われます。SCP-3916-1と交戦しようとする職員は、文書3916-Kに列記されるガイドラインを遵守しなければなりません。財団は現在多様な政府機関ならびに要注意団体と協力し、完全絶滅の達成に向けて取り組んでいます。

執筆時点で、SCP-3916-1は発生中のARBH-クラスイベントの原因となっています。詳細については下部の歴史セクションを確認してください。すべての財団職員ARBH-クラスイベントのデブリーフィングファイルを閲覧しなければなりません。

説明: SCP-3916は身体上Chortoicetes terminifera (オーストラリアトビバッタ) に類似する昆虫種です。SCP-3916には2種類の亜種が存在し、SCP-3916-0とSCP-3916-1に指定されています。両亜種は現在財団の管理外にあります。SCP-3916には2点の特筆すべき異常性が存在します。

第一に、SCP-3916は驚異的な速度で摂食します。1個体で1秒あたりおよそ100gの物質を消費することが可能です。SCP-3916-0は新鮮な植物質のみ摂食することがわかっていますが、対するSCP-3916-1はあらゆる形態の物質を摂食することができます。SCP-3916-1は新鮮な有機物質を他の物質より好むようです。

第二に、SCP-3916は異様に急速に繁殖し、かつそれを無性的に行います。SCP-3916個体は食物の消費に伴って視覚的に大きくなっていき、一定のサイズに達した後、2体の個体に分裂します。新たな個体は両方とも完全な形の成体になります。”複製”には多くの消費量が必要であり、現時点では食物500gと推定されています (SCP-3916-1は無機物質も消費できますが、繁殖するには有機物質の消費が必要です)。しかしながらその摂食速度のために、SCP-3916の群れは迅速に成長していきます。

SCP-3916-1は毒物/腐食性物質といった化学系攻撃に対する顕著な耐性を発達させており、おそらくはそれら物質を消費する能力の副次的な効果であると考えられています。従来のあらゆる化学攻撃に対して完全な免疫性があり、財団の開発した異常物質に対しても高い耐性を示します。SCP-3916-1は自らに向けて使用されるあらゆる武器を摂食し得るため、物理攻撃にも信頼は置けません (ガラスベースの武器が効くかはわかっていません)。最も信頼の置けるSCP-3916-1の処分方法は、今のところ激しい熱と放射線です。

歴史: 財団がSCP-3916の存在を初めて認識したのは、オレゴン州モーピンの国道26号線での交通事故で、SCP-3916の小さな群れがGoI-466 (”ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ”) の管理下から逃れた際でした。GoI-466は収容支援のために財団へ連絡し、SCP-3916個体の大部分は捕獲されるか処分されました。GoI-466は財団にSCP-3916の性質について伝え、少数の未収容であった個体が重篤な脅威になるものと考えられました。SCP-3916の未収容個体はオレゴン州内のみならずカリフォルニア州にまで急速に拡散していき、対応を迫られたアメリカ合衆国政府はLARPAを設立することとなりました。

SCP-3916-1の動物質を消費する能力は、試験中に偶然誘発された突然変異だと考えられています。この発達はインシデント3916-Aにおいて、SCP-3916の収容室に入った研究員が攻撃を受け捕食された際に確認されました。野生のSCP-3916にはそのような変異は見られておらず、サイト-121に収容されていた個体と野生の個体は異なる亜種であると考えられています。

SCP-3916-1の無機物質を消費する能力は、自然に発生した突然変異だと考えられます。この発達はSCP-3916-1の収容室内部が繰り返し損傷を受けたことで、監視カメラの映像を確認した際に発見されました。映像はSCP-3916-1が部屋の壁を摂食しているらしきことを示しました。この能力、およびSCP-3916-1がガラスを消費できない点については、追加試験で確証されました。

SCP-3916-1のガラスを消費する能力は2022年7月25日に判明しました。この能力は以前に無機物質の消費を可能にした突然変異と似た、それとはまた別の自然な突然変異だと考えられます。この発達は暫定サイト-136に収容されていたSCP-3916-1個体が収容室の壁を抜けて収容違反を起こした際に発見されました。機動部隊δ-17が動員されたものの、その後の出来事は現時点では不明ながら、部隊は逃げ出した個体の根絶/再捕獲に失敗した模様です。暫定サイト-136の核弾頭は午前11:33に手動で起爆され、サイトの破壊に成功しました。

午後12:15、LARPAはカリフォルニア州エトナからの救難通報を受信しました。通報者は町が異様に攻撃的なバッタの集団から攻撃されており、何人かが捕食されたと主張しました。ただちに財団エージェントが派遣されたものの、到着時には既にすべての町民が消費されており、SCP-3916-1個体はエリアから去っていました。

午後1:55、O5評議会は全会一致の投票でARBH-クラスシナリオの発生を宣言し、緊急プロトコルを開始しました。

現在、執筆時点で午後5:43です。財団はオレゴン州からコロラド州までの地域からSCP-3916-1の報告を受けています。予測によれば、現在の個体数増加率では、SCP-3916-1は18時間以内に合衆国全土へ拡散し、48時間以内に全世界にまで広がります。

補遺 - LARPA: SCP-3916の性質上、財団は一般大衆への警告なしに野生個体を処分することは極めて困難であると判断しました。このため財団は米国政府に連絡し、LARPA (蝗類の能動的駆除・予防局Locust Active Removal and Prevention Agency) の設立について交渉しました。LARPAは財団によって全面的に資金・人員の供出が行われた公的な政府機関であり、野生のSCP-3916に対して公然と対応できる財団のフロント組織として活躍します。SCP-3916-1の旧収容サイトであるサイト-121がLARPAの本部に指定されています。SCP-3916-1の収容サイトである暫定サイト-136はボロミン支局に指定され、LARPAの公的サイトとして扱われています。

補遺 - 音声ログ


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