
SCP-3920が誘発した落雷。観測飛行機San-14から撮影。
アイテム番号: SCP-3920
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3920を経験または目撃した対象者に記憶処理を施し、適切な代替記憶を提供します。SCP-3920の発生後は、異常性の無い標的に関するカバーストーリーが流布されます。SCP-3920によって生成された全ての砲弾は最寄りの武装保管施設へ移送、または破壊されます。
説明: SCP-3920は、様々な数のBL 9.2インチ榴弾砲(SCP-3920-A実例)がカナディアン・ロッキーに生成される現象です。SCP-3920の開始には以下の条件が満たされる必要があります。
- 1人の人物(以下“対象者”とする)が、最も近隣の町や市から3km以上離れている
- 対象者に危害を加える意図を持つ1人以上の人物または実体(以下“標的”とする)が、対象者の0.5km以内に存在する
- 現地時間で午後10:00から午前2:00の間である
以下の条件はSCP-3920が始まる可能性を上昇させます。
- 対象者がカナダ国民である
- 対象者がカナダ軍に所属している、または過去の所属歴がある
- 複数の標的が存在する
- 積乱雲が対象者の近くに存在する
SCP-3920は、標的の人数に対応する数の雷が対象者の周辺領域に落ちることで始まります。1門のSCP-3920-A実例が各落雷の現場に出現します。それぞれの榴弾砲は、第一次世界大戦期のカナダ軍の軍服を着用している、発光する半透明のヒト型存在(SCP-3920-B実体)数体によって操作されます。SCP-3920-Bは砲弾が各々の標的に命中するまで高い精度で砲撃を続け、必ず標的を死亡させます。砲弾が起爆するのは対象者が爆発半径外にいる時のみです。起爆しなかった砲弾の表面には、以下のメッセージを様々な言い回しに変化させた文言が彫り込まれています。
カナダ野戦砲兵第一旅団からのご挨拶!1
全ての標的が死亡すると、落雷が発生して各SCP-3920-A実例に命中し、異常存在群は消失します。
SCP-3920-B個体群は専らSCP-3920-Aの操作に注力していますが、対象者とのごく限られた相互作用が発生することもあります。これらの相互作用には、現在または過去のカナダ軍兵士である対象者に敬礼する、手を振る、親指を上げるジェスチャーなどがあります。ある一事例では、子供の対象者がSCP-3920-B個体から個人用食料パック2を手渡されています。
補遺: 2018年8月18日、エージェント フリンは異常オブジェクトを窃取した要注意人物-1258の鎮圧任務に派遣されました。翌日の午前1:40、エージェント フリンはオハラ湖の畔でPoI-1258と対峙しました。PoI-1258がフリンの携行武器を消費して彼を絞殺しようとした際、SCP-3920が始まりました。2門のSCP-3920-A実例が両者の近傍に出現しましたが、発射された砲弾は標的ではなくお互いの榴弾砲に命中しました。PoI-1258はこの時点で湖に飛び込み、オブジェクトを使って周辺環境に溶け込んだものと思われます。
双方の榴弾砲を操作していたSCP-3920-B個体群はエージェント フリンの近くに集まり、困惑の兆候を示しながらも激しい議論を行う様子を見せました。1体の個体が以下の文章を記した紙切れをフリンに手渡しました。
今回はちょっと矢敗[原文ママ]した
全ての個体はその後、1発の落雷と共に非実体化しました。