アイテム番号: SCP-393
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-393は、サイト██において、所有者であるDクラス職員に保持されます。所有者であるDクラス職員は「D-393」と呼称されます。D-393のバイタルサインは常時監視され、D-393が死亡した際に重要な財団職員に「リンク」が発生することを回避します。バックアップとなるDクラス職員が常時待機し、D-393が死亡した場合にSCP-393の回収を行います。
説明: SCP-393の外見は、縦14cm、横9cmの一般的な青い手帳です。カバーには西暦年が刺繍してあり、これは常に現在の年と一致します。裏表紙には、█████ ███████ publishingの製品であることが記されています。SCP-393は、未知の手段により、近くの人物に「リンク」する能力を有しています。リンクが確立すると、SCP-393は、誰も見ていない瞬間にリンクした対象の人物(以下「被験者」)の手の中に出現し、常時その状態を保ちます。被験者は、SCP-393に過去の日付で記入されている出来事を、直ちに自ら経験したものとして思い出します。SCP-393に記入されている出来事のうち、未来の日付で記入されているものは、被験者に変化を引き起こしません。記入された日付に至った時点で、被験者はその出来事を「思い出し」ます。被験者が死亡した場合、SCP-393は、10分以内に最も近くにいる人物を新しい所有者として選択します。この距離には制約がないように思われます。(追加の詳細については実験記録393を参照してください)。
インタビューログ393-1a
被験者: 実験393-1の被験者
インタビュアー: ██████博士
実験目的: 実験393-1実施が被験者の精神状態に与えた影響、および記憶改変の範囲の評価。
<記録開始、2███/██/██ 5:31>
''██████博士:'' あなたは、昨日、ガールフレンドであるCindyと██████████公園で一日を過ごしたといいますが、それは事実ですか?
''393-1被験者'': ああ、楽しい午後だったよ。
"██████博士:" あなたは、どのくらい前からCindyを知っているかわかりますか?
"393-1被験者:" どうだろう、2年くらいかな。
"██████博士:" あなたは、自分が一年以上この施設にいることに気づいていますか? そして、それ以前には、終身刑のために████████州刑務所にいたことについては?
対象は深く考え込む様子を見せ、目に見えて困惑します。
"393-1被験者:" しかし……ああ! そういえば、Cindyと知り合ったのは高校まで遡るんだ。刑務所時代は、面会時間の割り当ては、全部彼女と会うために使ったものだよ。
"██████博士:" なるほど……。それで、あなたが昨日、どのように彼女と会ったのか、正確に話してもらえますか? あなたはここ何ヶ月も、この施設の外に出ていないはずですが。
対象は追い詰められた様子を見せ、神経質にそわそわし始めます。
"393-1被験者:" 君たちが、彼女と会うために休暇をくれたんだよ。彼女との2周年記念だったからね。
"██████博士:" この施設では、Dクラス職員に休暇が与えられることはありません、393-1。残念ながら、あなたがこの施設を離れたことは絶対にありません。Cindyは存在しないのです。
被験者はますます混乱し、興奮する。
"393-1被験者:" しかし……私は彼女を知っているんだ! 私たちは、高校時代に恋人同士だった! 私たちは一緒に10年間過ごしてきた! あれは私たちの記念日だった!
被験者は立ち上がる。
"██████博士:" 393-1、座ってください! あなたの話は支離滅裂です。Cindyは現実ではありません。████████、テープを再生してください。
393-1被験者の、前日のタイムスタンプ付きビデオログの再生が始まる。
"393-1被験者:" これは偽物だ! お前は嘘をついてる! これは何か別の糞ったれな実験なんだ!
被験者はプロジェクターを持ち上げ、叩きつけようとする。
"██████博士:" 拘束しろ!
警備員は393-1被験者を鎮静させ、収容房に移動させる。
"██████博士:" うまくいってよかった。録音を切る。
<記録終了>
事後記録: その後、393-1被験者は、協力を拒否し、収容房に入った職員を見さかいなく攻撃した後に終了された。
SCP-393は、被験者の記憶に重大な影響を与えるが、外部から疑問が加えられると、被験者の記憶はばらばらになってしまうようだ。 - ██████博士