SCP-3934-JP
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アイテム番号: SCP-3934-JP

オブジェクトクラス: Pending

特別収容プロトコル:

注意

以下に記す特別収容プロトコルおよび説明は収容初期に策定されたものです。初期収容後に行われた調査および複数回のインタビューにより、SCP-3934-JPの異常性はSCP-3934-JPの認識災害性によって誤認されている可能性が指摘されています。SCP-3934-JPの認識災害性についての調査が完了し次第、適切な内容に改訂が行われる予定となっています。

SCP-3934-JPはサイト-81██の人型実体収容セル内に設置された標準遺体冷蔵チャンバーに収容されます。チャンバー内の温度は2℃以下、セル内の温度は20℃以下に保ってください。セル内には2機のスクラントン現実錨が設置され、対抗奇跡術者を含む機動部隊ま-0("異教徒")の即応状態での待機が命じられています。

SCP-3934-JPに生体活動再開の徴候が見られた場合、チャンバーは即座に解放されます。担当チームは速やかにSCP-3934-JPと接触し、SCP-3934-JPの行使可能な異常性について調査を行ってください。異常性の調査終了後、SCP-3934-JPとの交渉結果を踏まえて新たなオブジェクトクラスおよび特別収容プロトコルが再策定されます。


説明: SCP-3934-JPは20██/11/12に自殺した真桑友梨佳氏の死体です。SCP-3934-JPは20██/11/07に発見されました。死体は高度に腐敗が進行しており、体全体のガス貯留による膨張、皮膚の水疱化、頭髪・爪の弛緩、腐敗液の発生などの現象が見られています。発見時の環境から、これは通常の死体であれば死後7日程度経過した状態であると推測されています。真桑友梨佳氏の死因は高度の腐敗のため現時点で明確には判明していませんが、死体の頚部に残る策状痕ならびに家族の証言から自室のドアノブと綿ロープを使用した縊死であると考えられています。

SCP-3934-JPの主要な異常性は真桑友梨佳氏の死後72時間が経過した時点で発生します。規定の時間が経過した後、SCP-3934-JPは自主的に生体活動を再開します。このとき、SCP-3934-JPが生前の真桑友梨佳氏の外観と同様の外観まで復元されるのか、あるいは現状の外観のまま生体活動を再開するのかは不明です。真桑友梨佳氏の正確な死亡時刻は現在まで判明していませんが、家族の証言から20██/11/12の01:30から09:00までの間に死亡したと推測されており、このことから生体活動の再開は20██/11/15の01:30から09:00の間に発生すると想定されています。

SCP-3934-JPのHm値は現時点で非異常の範囲に収まっており、Elan-Vital Energyおよび基準アキヴァを超える異常なアキヴァ放射は計測されていませんが、生体活動を再開したSCP-3934-JPは不明な現実改変能力および奇跡術を行使することが予測されています。その行使する能力の詳細な内容について具体的には判明しておらず、現在調査が継続されています。


補遺1: 近隣住民による警察への通報を契機として20██/11/07に財団がSCP-3934-JPを発見した際、SCP-3934-JPは同居していた真桑恵子氏1、真桑昭氏2、真桑友哉氏3によって真桑友梨佳氏の寝室内に寝かされていました。SCP-3934-JPは警察官および救急隊に偽装した財団エージェントによって回収され、3人の身柄は警察による逮捕に偽装して確保されています。

以下は確保された真桑恵子氏、真桑友哉氏に対して実施されたインタビュー記録です。なお、真桑昭氏に対して行われたインタビューでは真桑恵子氏による回答とほぼ同様の回答が得られたため、本報告書上における記録は省略されています。

インタビュー記録 3934-JP-1 - 日付 20██/11/11

対象: 真桑恵子氏

インタビュアー: 流川研究員

補遺: 真桑恵子氏および真桑昭氏は財団による確保時およびその後にも一貫して「SCP-3934-JPは3日後に救世主として復活する」という主張を継続しています。


<記録開始>

流川研究員: それでは取り調べを開始します。まず、友梨佳さんが亡くなられた11月9日のことをお聞かせください。

恵子氏: はい。ええと、友梨佳は少し前から部活の朝練のために朝は5時くらいには起きて学校に行っていたんですが、あの日は7時になっても起きてこなくて。

流川研究員: 11月9日は日曜日ですが。

恵子氏: あれ? おかしいですね。いや、でも11月9日だったはずです。

流川研究員: わかりました。続けてください。

恵子氏: はい。それで、7時になっても起きてこなくて。まあ、たまにはそんなこともあるだろうと最初は思っていたんですけど、8時になって、学校に遅刻する時間になっても起きてこなかったので、おかしいなと思って、部屋に行ったんです。

流川研究員: そこで友梨佳さんが亡くなられていたのですね。

恵子氏: そうです。部屋のドアを開けようとしたら重くて、そこで。

流川研究員: その後に死体を放置していたのはなぜですか?

恵子氏: 放置と言いますか……友梨佳は明日、死んでから3日後に復活するので。その時に霊安所だったり、ましてや火葬なんてしていたらかわいそうじゃないですか。部屋を冷やすかどうかは悩んだんですけど、この時期の3日後までならそれほど腐ったりもしないでしょうし、復活したときに寒かったら嫌かなと。

流川研究員: なるほど。では次に、生前の友梨佳さんのことについて教えて下さい。

恵子氏: [真桑恵子氏は大きく身を乗り出す] 友梨佳は私達の救世主なんですよ!

流川研究員: お話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか。

恵子氏: はい。実は私達にはもう一人、友梨佳の兄にあたる友哉という息子がいまして。お恥ずかしい話なんですが、友哉には酷く手を焼いていたんです。

流川研究員: 同居されていた友哉さんのことですよね。

恵子氏: はい。いやね、友哉も小学生の頃は良い子だったんですよ。きちんと私の言うことを聞いて、勉強して、スイミングスクールにも真面目に通っていて。ただ、中学受験に失敗したあたりからですかねえ。急に反抗期になってしまって、勉強もしない、部活にも行かない、遂には学校にも行かずに日中はどこかでフラフラするようになってしまって。

流川研究員: なるほど。

恵子氏: そりゃあ大変でしたよ。なにせ小学校までは良い子だったから、私も主人もなかなか受け入れられなくって。主人の仕事があまり上手く行っていなかったのもあって、毎晩喧嘩して。そのままだったら離婚……いや、それで済んだら良いくらいの状況だったんですよ。

流川研究員: 続けてください。

恵子氏: ええ、ええ。でもそんな時に、友梨佳が救世主になってくれたんです。当時はまだ小学生で、私達も最初は友哉に付きっ切りだったからあまり構ってあげられなかったんですけど、友哉がそんなことになってから急に良い子になってねえ。まるで友哉の代わりのように色々やってくれるようになったんです。

流川研究員: 友哉さんの代わり?

恵子氏: そうです。中学受験も第一志望の女子一貫校に入って、友哉が途中でやめてしまった水泳部に入って、大会なんかでも良い成績だったみたいで。家でも家事なんかは全部やってくれるし、学校でも、色々なところで友達に頼られて『救世主だ』ってよく言われるようになったと先生からも聞いてました。もう本当に鼻が高くって。すっかり家の雰囲気も明るくなったんです。だから、私達にとって友梨佳は救世主なんです。

流川研究員: そうでしたか。ただ今回友梨佳さんは自死されてしまった訳ですが、何か最近気になることなどはありませんでしたか。

恵子氏: 別に、気になることはなかったですけどねえ。いつも通りの友梨佳で。だから、なんで自殺なんかしたのか……。まあでも、友梨佳は明日復活するから良いですけどね。

流川研究員: そうですか。特に気になることはないと。

恵子氏: そうですねえ。少なくとも私はあまり何も感じなかったです。ああそうだ、最近ではないんですけど、友梨佳に一つだけ何回言っても直らないことがありましたねえ。

流川研究員: 直らないこと?

恵子氏: いや、友梨佳ったらなぜかいっつも友哉と一緒に居たがるんですよ。私としては友哉から悪い影響でも受けたら困るので一緒にはいて欲しくなかったんですけど、何回言っても離れないので頭が痛かったですよ。

流川研究員: それだけですか?

恵子氏: ええ、はい。気になることはそのくらいですかね。

流川研究員: 分かりました。聴取はこれで終了とします。

<記録終了>

インタビュー記録 3934-JP-3 - 日付 20██/11/11

対象: 真桑友哉氏

インタビュアー: 流川研究員

補遺: 真桑恵子氏とは対照的に、真桑友哉氏は確保時から一貫してSCP-3934-JPの復活を否定していました。


<記録開始>

流川研究員: はじめまして、真桑友哉さん。

友哉氏: [沈黙]

流川研究員: 貴方は友梨佳さんの復活を信じていないとお聞きしましたが。

友哉氏: [友哉氏は苦い表情を浮かべる] おかしいのはおふくろと親父だけじゃなかったってことですか。友梨佳は10月31日に自殺したんです。復活なんかするわけないでしょう。訳のわからないことを言わないでください。

流川研究員: 待ってください。友梨佳氏が亡くなられたのは11月9日のことのはずです。でなければ、もう復活していないとおかしい。

友哉氏: [友哉氏は大きく舌打ちをすると溜息をつき、長く沈黙する。沈黙の後、唸り声を上げながら両手で髪をかきむしる] クソ、復活、復活って。どうなってるんだ。

流川研究員: 友哉さん、落ち着いてください。

友哉氏: 落ち着くのはそっちでしょう。大体、あんた達が家に来たのは11月7日ですよね。9日に死んだはずの友梨佳の死体が7日に見つかってるって、おかしいとは思わないんですか。

流川研究員: それは……。[沈黙] おかしいですね。いや矛盾そのものではなく、なぜ私達は今までこの矛盾を認識できなかったのか。それに今この瞬間にも、私にはまるで矛盾など些細な事象であるような感覚があります。これは、何らかの情報災害でしょうか? であればなぜ友哉氏にだけ認識改変が発生していないのかを調査する必要がありそうですが。

友哉氏: 何をぶつぶつ呟いてるんです。ようやく自分がどれだけおかしいことを言ってるのに気付いたんですか?

流川研究員: ああ、すみません。こちらの話です。そうですね、この件については改めて調査させていただくとして、一旦は貴方からお話をお伺いすることにしましょう。

友哉氏: それより、友梨佳はどうしたんですか。

流川研究員: それに関してはご安心を。これ以上腐敗が進まないよう、厳格な管理下で冷蔵保管させていただいておりますので。

友哉氏: [友哉氏は一度沈黙した後、何かを思い出したような素振りを見せると顔を青くする] そうですか、そうでしょうね。おふくろだってあんな状態の友梨佳をそのままにしてたんだから、あなた達もそうするんでしょうね。一応聞いておきますけど、どうして火葬してくれないんですか。

流川研究員: 友梨佳さんが救世主だからです。復活の様式が不明な以上、これ以上死体を損壊させることはできません。

友哉氏: [沈黙] そう言うと思いましたよ。そんなこと言ってる限り、俺が何を話したって無駄じゃないですか。

流川研究員: どういうことでしょうか?

友哉氏: [沈黙]

流川研究員: 友哉さん、確かに仰る通り、私達は友梨佳さんについて何か誤解をしているのかもしれません。ですが、その誤解を解くためには貴方の協力が必要なのです。友梨佳さんについて知っていること、友梨佳さんに何が起きたのか、なぜ貴方だけが特別なのか、その謎を解くために協力してもらえませんか。

友哉氏: [嘆息] 俺の部屋の、英和辞典の中。

流川研究員: はい?

友哉氏: 俺の部屋の英和辞典の中に、友梨佳の遺書を隠しました。おふくろに見つかったら何されるか分かんなかったので。俺以外の人間がどうしておかしくなったのかはさっぱり分かりませんけど、友梨佳のことについてはあんた達がそれを読んできたら話します。

流川研究員: [沈黙] 分かりました、調査しましょう。インタビューは一時中断とします。

<記録終了>


終了報告書: 真桑友哉氏に対するインタビューの結果を踏まえ、SCP-3934-JPの異常性に関する再調査の必要性が提起されました。真桑恵子氏、真桑昭氏、真桑友哉氏はインタビュー後に記憶処理を施した上で解放される予定となっていましたが、この再調査の完了まで対応は保留となっています。


補遺2: SCP-3934-JPの異常性に関する再調査のため、生前の真桑友梨佳氏を知る複数の人物に対してインタビューが行われました。以下はその際の記録群です。なお、各インタビューは全て真桑友梨佳氏の自殺に対する警察による聴取に偽装されて行われています。

インタビュー記録 3934-JP-3 - 日付 20██/11/12

対象: 皆町真理氏4

インタビュアー: 流川研究員


<記録開始>


流川研究員: それでは聴取を開始します。まずは友梨佳さんとのご関係についてお話いただけますか。

皆町氏: はい。友梨佳とは高校のクラスの同級生でした。

流川研究員: クラスのご友人ということですね。

皆町氏 いや、友達だなんてそんな。朝とか会ったら挨拶くらいはしてましたけど。

流川研究員: 分かりました。では、生前の友梨佳さんの人物について教えてください。

皆町氏: 友梨佳は私の救世主なんですよ。

流川研究員: というと?

皆町氏: 去年の夏って物凄く暑かったじゃないですか。テレビとかでも熱中症対策の話をずっとしてて、6月の下旬くらいからもう真夏みたいな暑さだったから学校でも毎日のように言われてて。

流川研究員: そうですね。

皆町氏: それであの日も、あまりに暑いからって言って体育をグラウンドじゃなくて体育館でやることになったんですよ。体育館もまあ、凄くしっかり冷房が効いているってわけじゃないですけど、グラウンドよりはましだったので。

流川研究員: 続けてください。

皆町氏: はい。それで、体育館でバスケをすることになったんです。まあ授業は何事もなく終わって、その日は私が当番の日だったので、最後にボールを片付ける係だったんですね。使ったボールを籠に入れて体育倉庫に持っていくだけだったんですけど、いざ持っていったら体育倉庫の中が物凄い熱気で。密閉空間で冷房が効いてなかったんですね。

流川研究員: なるほど。

皆町氏: それで、ボールを籠から倉庫の中の大きい籠に移してる途中に物凄く気分が悪くなってしまって、動けなくなってしまったんです。体育館には誰も残ってなかったし、大きな声を出すような元気もなくって、体育の授業の後でスマホも持っていなかったし、だんだん気が遠くなってきて、ああ、私このまま倒れて死ぬのかなって。そんな時に、あの子が来てくれたんです。

流川研究員: 友梨佳さんですか。

皆町氏: はい。どうしてかは分からないんですけど、友梨佳が体育館に私の様子を見に来てくれたみたいで。倒れてる私に気付いて、急いで人を呼んで保健室に運んでくれて、結局その後病院に行ったんですけど、そこにも付いてきてくれて。友梨佳がいなかったら、本当にあそこで死んでてもおかしくなかったなって思うんです。だから、友梨佳は私の救世主なんですよ。

流川研究員: ありがとうございます。では逆に、友梨佳さんの行動で何か気になっていたことなどはありますか?

皆町氏: うーん、気になっていたというか……。不思議だなと思うことはこの間ありましたね。

流川研究員: どのようなことですか?

皆町氏: この間歩いていて本当に偶然、友梨佳の家の前を通ったときのことなんですけど。ちょうど友梨佳が家に帰るところだったんですよ。それで、珍しいこともあるもんだなと思って声をかけようとしたら、友梨佳が真っ青な顔をしたまま家の前で立ち尽くしていて。

流川研究員: それで、皆町さんはどうされたのですか。

皆町氏: どうしようかなと思ってしばらく待ってたんですけど、あんまりにも立ち尽くしたままだったので、どうかしたのって声をかけたんです。そうしたら真っ青な顔のまま『私って救世主なのかな』って聞いてきて。だから『私はそう思ってるよ』って言ったら『そうだよね』って言って笑ったあと、そのまま家に帰って行ったんですけど。

流川研究員: それはいつのことでしょうか。

皆町氏: 本当にこの間の……そうだ、10月30日のことですね。

流川研究員: ちなみに、そのような友梨佳さんの言動に心当たりはありますか。

皆町氏: 心当たりはないですけど……。でも、ちょっと友梨佳のことで変な噂は聞いたことありますよ。

流川研究員: 変な噂とは?

皆町氏: 友梨佳ってお兄さんがいるんですけど、その、友梨佳がお兄さんと……デキてるんじゃないかって。

流川研究員: なぜそのような噂が?

皆町氏: 私は見たことないんですけど、友梨佳がお兄さんと二人で歩いてるのを見たって子が多いんですよね。ただ歩いてるだけだったらともかく、手をつないでたとか、腕を組んでたとかも。まあ、ただの噂ですけど。

流川研究員: なるほど。

皆町氏: なんなら、友梨佳が自殺したのにもお兄さんが関係してるんじゃないかって言ってる子もいます。友梨佳のお兄さんって凄く怖いらしいんですよ。まだ高校生の筈なのに学校なんか当然のように行ってなくて、タバコやお酒もやってるとか。悪い人と付き合いがあって、友梨佳を騙して売り飛ばそうとしてたんじゃないかとか。お兄さんって誰かと喧嘩でもしてたのか、いつも怪我していたみたいなんですよ。

流川研究員: わかりました。他には何かありますか。

皆町氏: ああ、あと一つだけ。体育館で助けてもらった後、保健室まで友梨佳が肩を貸してくれたんです。正直その時の私は意識も朦朧としていて話をできる状態じゃなかったし、記憶も曖昧なんですけど、その間中ずっと友梨佳が何か言っていた気がするんですよね。

流川研究員: 何と言っていたのでしょうか?

皆町氏: ごめんなさい、ごめんなさい、って。

流川研究員: [沈黙] なるほど。ありがとうございます。聴取はこれで終了とします。

<記録終了>

インタビュー記録 3934-JP-7 - 日付 20██/11/12

対象: 杉山信二氏5

インタビュアー: 流川研究員


<記録開始>

流川研究員: それでは聴取を開始します。まずは友梨佳さんとのご関係についてお話いただけますか。

杉山氏: はい。██中学・高等学校で世界史の教師をしています。真桑のクラスを担任として持っていました。

流川研究員: ありがとうございます。では、生前の友梨佳さんの印象などをお話しいただけますか。

杉山氏: いやあ、真桑はうちのクラスの救世主なんですよ。

流川研究員: それはまた、どうしてでしょうか。

[以下、杉山氏による真桑友梨佳氏の行動への賞賛が続くが重要性が低いため省略。要約すると「昨年度の文化祭において杉山氏のクラスはクラス内不和により企画失敗の危機に瀕していた」「真桑氏はこの不和に関わらず地道に作業を続けており、この真桑氏の真摯な姿勢がクラス内不和の収束をもたらした」「故に、真桑氏はクラスの救世主である」という内容であった]

流川研究員: なるほど。よくわかりました。

杉山氏: ただまあ、少し不思議な所もあったんですよね。

流川研究員: 不思議なところ、ですか?

杉山氏: ええ。いやね、そんなことがあったんで、文化祭の終わった後に真桑に声をかけたんですよ。よく頑張ってたな、お前はクラスの救世主だよ、って。そしたら真桑、なんて言ったと思います?

流川研究員: なんと言ったのでしょう。

杉山氏: 『自分はただ嫌われたくなかっただけです、救世主なんかじゃありません。それより、誰か私のこと何か言ってませんでしたか』って。だから、褒める奴こそ居ても悪く言ってる奴はいなかったよと伝えたんですが、『そうですか』とだけ言って帰ってしまってね。

流川研究員: そうでしたか。お話しいただきありがとうございます。他に学業であったり、交友関係の面で何か気になることはありましたか?

杉山氏: 成績は優秀でしたよ。決して要領の良いタイプではなかったですが、愚直に勉強してくるタイプでね。部活は水泳部に入っていて、そこでもなかなか良い結果を出していたと聞いています。ただ高校に上がってからは塾にも通いだしたようで、少し根を詰めすぎていたきらいがあったように思いますね。学校の勉強、部活、塾の全てをこなそうとして、最近はかなり疲れているようでした。

流川研究員: 疲れていた、ですか。交友関係に関してはいかがですか。

杉山氏: 交友関係は少なかったというか、友人と呼べるような生徒は少なくともクラスには居なかったかもしれません。決して人と話すのが苦手という訳ではなさそうだったんですが、どこか人と仲良くなるのを怖がっているようでしたね。ああそれと、多分人の頼みを断れない性格なんでしょうね。よくものを頼まれて『救世主だよ』と言われてました。私が言うのもなんですが。

流川研究員: なるほど。それと生徒さんの間でお兄さんとの関係が噂になっていたようですが、先生は何かご存知ですか。

杉山氏: ええまあ。噂自体は元から知っていましたし、なんなら町で二人で歩いている時に話しかけたこともありますよ。

流川研究員: その時の様子はいかがでしたか。

杉山氏: 確かに随分と仲が良いなとは思いましたね。普通あのくらいの年齢になると異性の兄妹とあまり一緒には居たがらない子が多いので。かと言って男女関係にあったんじゃないかとか、そこまでは飛躍しすぎだと思いますけど。まあでも、真桑の母親から聞くような人間には見えなかったですけどね。

流川研究員: 友梨佳さんの母親から何か聞かされていたのですか?

杉山氏: そうですね、面談の時なんかに毎回話を聞かされました。勉強もしない、働きもしない、親の言うことなんか何も聞かずフラフラしてるダメ人間だと。それを聞いていたこともあって声をかけたんですが、とてもそんな人間には見えなかったですよ。

流川研究員: どのような人物に見えましたか?

杉山氏: そうですねえ。真桑に声をかけたんですが、兄からすれば不審者に声をかけられたと思ったのか、真桑を守るように割り込んできましてね。真桑の方も随分と兄を信頼しているというか、頼っているというか。学校では頼られることの多い真桑がそんな調子だったので、かなり印象に残っていますね。

流川研究員: なるほど、ありがとうございます。聴取はこれで終了とします。

<記録終了>


補遺3: 真桑友哉氏の発言に基づき調査が行われたところ、証言通りの場所において真桑友梨佳氏によって記載されたと思われる遺書が発見されました。

遺書は23ページに渡っており、生前に真桑友梨佳氏と関係のあった人物、特に友梨佳氏を『救世主』と呼称していた人物に対してそれぞれ独立したメッセージが記述してありました。以下はその一部を抜粋したものです。

<前略>

皆町さんへ

救世主だなんて騙していてごめんなさい。私は救世主なんかじゃありません。
あの日、私は皆町さん以外で最後に体育館を出ました。
皆町さんが当番の仕事をしているのは分かっていたんだから、最初から手伝えばよかったのに。
クラスに帰る途中で、そのまま帰ったら嫌われるんじゃないかと思って、怖くなって戻ったんです。
ただあなたに嫌われたくなくて、それで戻ったらたまたま見つけただけなんです。
最初から私が手伝っていれば、きっとそもそも倒れることすらなかったんです。
だから、私は救世主なんかじゃありません。
騙していてごめんなさい。


<中略>

杉山先生へ

救世主なんて騙していてごめんなさい。私は救世主なんかじゃありません。
文化祭の時、私はただ、何も思いつかなかっただけなんです。
クラスのみんなを助けられる斬新なアイデアなんか何も思いつかなくて、ただ目の前のできることだけを盲目的にやっていただけなんです。
そしたら、真面目に議論していた凄い子が泣きはじめたから。私はただ、うるさいなと思って、早く泣き止んで欲しいと思って、ハンカチを渡しただけなんです。
本当にただそれだけの自分勝手な人間なんです。
いつ私の本心がバレるのかと怯えていた、性格の悪い人間なんです。
だから、私は救世主なんかじゃありません。
騙していてごめんなさい。


<中略>

お母さんへ

救世主なんて騙してごめんなさい。私は救世主なんかじゃありません。
お母さんとお父さんがお兄ちゃんに怒って、殴って、無視しているのを見て、怖くなっただけなんです。
勉強なんか全然好きじゃないんです。水泳なんか全然好きじゃないんです。
ただ、テストで良い点を取ればお父さんが殴らないから。
ただ、水泳でお兄ちゃんの成績を超えればお母さんが怒らないから。
嫌われるのが、怒られるのが、バカにされるのが、心底怖かっただけなんです。
だから、私は救世主なんかじゃありません。
騙していてごめんなさい。


お兄ちゃんへ

私は救世主なんかじゃありません。
お兄ちゃんだけは、いつもそう言ってくれていたのに。
お兄ちゃんだけは私に期待しないでくれたのに。
お兄ちゃんだけは、失望させてしまうことに怯える必要がなかったのに。

今度会った時こそ、お兄ちゃんの前でだけは何者でもない私で居られますように。


補遺4: 真桑友梨佳氏のものと思われる遺書の発見後、再度真桑友哉氏に対してインタビューが行われました。以下はその際の記録です。

インタビュー記録 3934-JP-17 - 日付 20██/11/14

対象: 真桑友哉氏

インタビュアー: 流川研究員


<録音開始>

流川研究員: 友梨佳さんの遺書を読ませていただきました。お話を伺うことはできますか。

友哉氏: [沈黙]

流川研究員: [沈黙]

友哉氏: 俺の話からでもいいですか。

流川研究員: 勿論。お願いします。

友哉氏: 俺は今じゃこんなんですけど……これでも、小学校の時は『良い子』だったんです。おふくろも親父も小さい時は苦労したらしくて、その反動で凄く教育熱心で。小学校受験から塾に通って、小学校に入ってからも塾はもちろん、絵画だのピアノだの水泳だのの教室にも沢山通わされてました。

流川研究員: なるほど。

友哉氏: でもまあ、別に世間で思われてるほど嫌なわけじゃなかったんですよ。そりゃあ同世代の連中が友達同士で遊んでるのが羨ましくなる時はありましたけど、塾だってそれはそれで楽しかったんです。何より自分で言うのもなんですけど、当時の俺は大体なんでも上手くできました。模試を受ければ全国でも一桁順位だったし、ピアノのコンクールだって金賞が取れた。絵画も、水泳だってそうです。今思えば始めるのが人より早かったってだけなんですけど、子供なんてのはそれだけで楽しいもんじゃないですか。

流川研究員: そうですね。

友哉氏: そんなわけで、俺は俺なりに結構楽しんでたし、おふくろ達もそれを喜んでますます期待するようになったんです。けど、いつかは現実を見なきゃいけない。世の中の人間の大半は別に天才でもなんでもないってことにです。

[流川研究員は無言のまま続きを促す]

友哉氏: 俺が気付かされたのは中学校受験の時でした。小5の頃まではバカにしてた同級生に気が付いたら追い付かれて、追い越されて。自分ではとっくに分かってるのに、周りはまだ気付いてないから必死に努力したけど、ダメでした。おふくろ達も、滑り止めの滑り止めくらいに思っていた所に俺が落ちた時にはびっくりしたでしょうね。俺からしたらなんも驚くようなことじゃなかったんですけど。

流川研究員: 恵子さんから多少は聞いています。

友哉氏: おふくろは何て言ってましたか。

流川研究員: 急に反抗期になってしまった、と。

友哉氏: はは、まだそんなこと言ってるんですか。反抗期どころか、俺はまだ努力しようとしてたんですよ。まだ取り返せる、まだ期待に応えられるって。でも、もうダメでした。おふくろ達はすっかり俺に失望してて。『信じてたのに』『どうしてこんなことになったんだ』『お前は失敗作だ』『どれほど金を使ったと思ってる』って。

流川研究員: そのようなことが。

友哉氏: それだけならまだ良かったんですけど、親父の仕事が大変になって毎晩酒を飲むようになってからは大変でした。元々酒癖のそんな良い人じゃなかったけど、殴る蹴るは当たり前。俺どころかおふくろや友梨佳にまで手を出そうとするからそれを庇うと、不思議なことにおふくろが俺を平手で打つんです。何考えてるのかちっとも分からなかったです。

流川研究員: 友梨佳さんが変わったのはその頃からと聞きました。

友哉氏: 友梨佳はそんな俺を見て思うところがあったんでしょうね。夜、友梨佳が俺の部屋に来たんです。その日も親父は暴れてて、俺はしこたま殴られたからさっさと寝ようと思ってたのに。それで『なんでお父さんはお兄ちゃんのことを殴るの』って。

流川研究員: 何と答えたのですか。

友哉氏: 俺は……俺は、言ってしまったんです。『期待に応えられなかったからじゃないか?』って。そしたら『期待に応えられなかったら怒られるの? 無視されるの? 殴られるの?』とか聞いてきたから、つい『二人とも、俺のことが嫌いになったんだよ』って言ってしまったんですよ。それからです、友梨佳が変わったのは。

流川研究員: 期待に応えるように、ですか。

友哉氏: もともとの友梨佳はもっと明るくて、友達も多くて、よく遊ぶ子だったんですよ。おふくろも親父も俺にばかり構っていたから、友梨佳にはあまり何も言わなくて。ただ、俺が受験に失敗してからは少しずつ友梨佳にも口を出すようになって。友梨佳も最初こそあまり言うことを聞かなかったけど、あの夜からは変わってしまいました。

流川研究員: どのように?

友哉氏: おふくろの言う通りに必死に勉強するようになって。親父の言う通りにスイミングスクールに通うようになって。とにかく、期待に応えられるように、嫌われないようにって。口数もどんどん減って、性格も暗くなっていったんです。

流川研究員: 同級生や担任教諭の話では、最近の友梨佳さんはあまり交友関係が広くないようでしたが。

友哉氏: そうでしょうね。友梨佳はとにかく人の期待を裏切ること、嫌われることを恐がるようになって。最初はおふくろや親父だけだったんですけど、続けるうちにその範囲は際限なく広がっていったんですよ。

流川研究員: ご家族以外にも、ですか。

友哉氏: 嫌われたくないから、何かを頼まれたら絶対に断らない。自分のせいで誰かが不利益を被って自分が責められるのを避けるために、常に周りのことを気にする。だけど人に期待されてそれを裏切るのも嫌だから、人とは一定以上親密になろうとはしない。いつの間にかそんな人間になっていたんです。

流川研究員: ですが、友梨佳さんは周囲から「救世主」と呼ばれていました。それは友梨佳さんの目指す所ではなかったのではないですか?

友哉氏: はい。友梨佳にとって、期待されることは避けないといけないはずだった。だけど、そんなのは無理な話なんです。嫌われたくないから人には良い面しか見せない。だけど期待はしてほしくない。そんなのは通らないんですよ。だけどもうここ1年くらい友梨佳はずっとそれに悩んで、悩んで、苦しんでたんです。

流川研究員: なるほど。

友哉氏: 俺のせいなんです。俺が不用意なことを言って、友梨佳に呪いをかけてしまった。おかしいのはおふくろや親父で、勝手にかけられた期待に応える必要なんてないし、大半の人は一度期待が外れたからと言ってお前を嫌いになったり、殴ったり、無視したりなんてしないって教えてやらないといけなかったのに。

流川研究員: [沈黙] まだ一点、気になる点があります。

友哉氏: なんですか。

流川研究員: 友梨佳さんはここ1年ほど周囲からの期待に悩んでいたと仰いましたね。ですがそうであれば、1年ほど前から状況は大きく変わっていなかったはず。その中で今回自死という結論に辿りついたからには、そこに何か、最後の一押しがあったはずです。保たれていた均衡を傾かせるような何かが。

友哉氏: [友哉氏は流川研究員の言葉を遮って口を開く] ああそうですよ! 俺です。俺が最後の一押しをしたんです。友梨佳を殺したのは俺なんですよ。

流川研究員: どういうことでしょう。

友哉氏: 友梨佳はあの日からずっと周囲を怖がってました。期待されることも、嫌われることも。だからこそ俺のことは……俺だけが、友梨佳にとって安心できる存在だったんです。嫌われることを怖がる必要がなく、だからこそ期待をかけられることもない。救世主なんかじゃなく、ただの何者でもない存在として扱ってくれる唯一の人間として。

流川研究員: それがあの記載の意味ということですか。

友哉氏: それなのに、俺はそんな友梨佳の信頼を裏切ってしまった。あの日、10月30日は俺の誕生日だったんです。家じゃ俺の誕生日なんて口にもできないから、毎年友梨佳と二人で食事に行っていて。今年も同じように食事に行きました。そこで、最近は親父も落ち着いたなって話をしていて。実際、最近は落ち着いてたんです。まだたまに殴られますけど、昔に比べたら全然。

流川研究員: それはやはり?

友哉氏: ええ。友梨佳のおかげですよ。友梨佳がおふくろ達の「救世主」になってくれているから、おふくろも機嫌が良くて、それにつられて親父も機嫌が良かった。だから、その、言ってしまったんです。

流川研究員: 救世主だ、と。

友哉氏: 俺だけは言ってはいけなかった。俺にだけは言われたくない言葉だと分かっていた筈なのに。そこからはもうあまり記憶がないんですよ。気が付いたら友梨佳は帰っていて、俺は一人で店に残っていました。俺も家に帰りましたけど、友梨佳に合わせる顔がないと思ってそのまま寝て、そしたら。

流川研究員: 友梨佳さんは自死されていたのですね。

友哉氏: [沈黙] はい。始めに気が付いたのはおふくろでした。朝になっても起きてこない友梨佳を迎えに行って気が付いたらしくて、凄い声が聞こえてきたから俺も行ったら友梨佳はドアノブに首を吊って死んでいました。

流川研究員: ふむ。

友哉氏: でも、本当に恐ろしかったのはそれからでした。見つけた時には驚いて大きな声を上げていたはずのおふくろが、信じられないくらい冷静に友梨佳をベッドに寝かし始めて。『友梨佳は救世主だから、3日後には復活するんだから』とか、訳の分からないことを言い始めて。

流川研究員: 警察には通報しなかったのですか?

友哉氏: おふくろが頑なに通報しようとしないから無視してしようとしました。でも凄い力で抵抗してきて。家を抜け出して警察に直接行こうとしたら、包丁で襲われました。

流川研究員: そうだったのですね。

友哉氏: ただでさえ友梨佳が死んだのにそんな訳の分からない状況になって、俺もすっかり気が動転して動けなくなってしまったんです。そのうちに親父が帰ってきて、ようやくおふくろを止められると思ったら親父も同じようなことを言い始めて。二人の頭がおかしくなったのか、俺の頭がおかしくなったのかすらわかりませんでした。

流川研究員: その後はどうされたのですか。

友哉氏: 二人とも『3日後に復活する』と言ってやまないので、最初は3日経ったら正気になるだろうと思っていたんです。でも違いました。二人とも、いやあんた達もですけど、3日経ったら今度は『友梨佳が死んだのは2日前だ、明日には復活する』と毎日言い続けるようになりました。

流川研究員: 三日後に復活する……。

[流川研究員は顎に手を当てて考え込んでいる]

友哉氏: そんなことを言っている間に友梨佳の死体はどんどん腐っていって、このままだと俺までおかしくなる、そう思っていたら警察が来たんです。流石に隣の家にまで異臭が漂っていたから隣の家の人が通報したみたいで。そこからはあんた達が知っている通りです。

流川研究員: なるほど。よく分かりました。

友哉氏: あの。

流川研究員: なんでしょうか。

友哉氏: もう一度聞きますけど、友梨佳はこの後どうなるんですか。

流川研究員: 友梨佳さんは……いえ、友梨佳さんの遺体はこれからも保管され続けることになるでしょうね。友梨佳さんの復活、それ自体はもしかすると発生しない事象なのかもしれません。ですが私は依然その可能性を本能的に否定できずにいますし、それは私だけでなく、今のところ貴方以外の友梨佳さんの死を知る人物全てに共通することです。広範な認識異常に、否定しきれない復活の可能性。収容を続けるには十分な理由だと言えます。

友哉氏: 保管って……。あんただって、今の友梨佳の姿は知ってるでしょう。あんなの人間の姿じゃない。それをそのままの状態で保管するなんて、なんとも思わないんですか。

流川研究員: お気持ちは理解できます。

友哉氏: [沈黙] そうですか。

流川研究員: それでは、インタビューはこれで──

友哉氏: あの、友梨佳を……友梨佳を解放してやってくれませんか。友梨佳は救世主なんかじゃない。異常なんかじゃない。ただの……俺にとってはただの、何者でもない、たった一人の妹だったんです。

流川研究員: [沈黙] インタビューを終了します。

<録音終了>

SCP-3934-JPの発見日と死亡日の前後関係の矛盾や真桑友哉氏へのインタビュー内容からSCP-3934-JPが何らかの認識災害性を有するオブジェクトであり、現在SCP-3934-JPの異常性として財団が認識しているこれらの内容はその認識災害性により誤って認識されているものである可能性が指摘されています。

収容当初のSCP-3934-JPは「3日後に復活し、未知の能力を有する知生体として活動し始める」という異常性を有するオブジェクトと認識されており、本報告書もこれに基づいて執筆されていました。復活後のSCP-3934-JPの財団に対する対応が友好的であるか敵対的であるか不明であったため、SCP-3934-JPの特別収容プロトコルは現在記載されている通りとなりました。

一方で遡及的な調査により、この現象が発生することを裏付ける客観的な調査結果は一切確認されていないことが判明しました。にも拘わらずこの現象の発生に対していずれの批判的評価も寄せられていなかったことから、状況やインタビュー結果と合わせて、SCP-3934-JPは真桑友哉氏を除くSCP-3934-JPを認識した人物に対して認識改変を行う認識災害性を有している可能性が指摘されました。

SCP-3934-JPの正確な性質についての調査は現在も継続されています。


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