あなたは向きを変え、保管セルから出る。後ろでドアが閉じる。
ポケットから小さなメモ帳と安いボールペンを取り出すと、頭の中に書いたことがすべて — 細かいことも含めて — 頭の中から腕や手を通って小さなページに乱雑な筆跡で流れ込む。歩くことと書くことは同時にすべきではない。
数年前に習った古い習慣だが、当時は職員がずっとスリムで、より短時間でやるべきことがたくさんあった。その部屋に立ったままメモをするべきだが、これで十分だ。あなたの記憶は十分すぎるほどである。もしそれが反ミームだと判明したなら、立ってメモを取るのも同じように無駄なことになるだろう。なんの問題がある?
引っ掻き傷でいっぱいのメモ帳を持ってオフィスに戻る。ドアにかかっている名前はあなたのものではなく — それは記憶処理化学者のジェイソン・グリーブス博士だ — 当時利用可能だったクラス3のオフィスはここだけだった。ドアの新しいラベルを注文する予定はない。あまり長い時間をここで費やす予定はないからだ。SCP-3939があなたを昇進させないなら、そのことについて考えるかもしれない。全く、まだ荷解きもしていないんだ。スーツケースはドアの横にある小さな椅子の上にある。机の後ろの、長年の間に獲得した賞でいっぱいになるはずの棚は味気ない。その上の埃はところどころ、かつてグリーブス博士の賞が置かれていた小さな正方形と円で途切れている。
あなたは机に向かって座る。恐らく安価な繊維板で作られている、表面はすべてオーク材に似せたプラスチックのベニヤ板で覆われている。くだらない。あなたがクラス3だった時と同じクソ。全く、ここはあなたが持っていたオフィスと同じかもしれないが、ほとんど違いはない。あなたの机、クラス4の机は、優に2倍はあるサイズの本物のオーク材で出来てる。少なくとも、あなたが知っている限りではオークだ。木材の専門家ではないのだから。
机自体には、言うべきことはあまりない。モニターとキーボードがあり、どちらも不格好でクソだ。電話もあり、散布型クラスB記憶処理薬が入っている金属缶もある。これは恐らく、グリーブス博士が取り組んでいた新しい処方法だろう。オフィスが空いており、グリーブス博士がもうここにはいないことを確認して、恐らくそれを試さないことが最善だと判断する。
SCiPnetを起動してログインし、SCP-3939文書を開いて入力を開始する。
あなたはそれをSafeと分類する。それはまだ部屋の中にあって、あなたを殺そうとはしなかったので、非常にシンプルだ。
特別収容プロトコルについては、言うことはあまりない。どこにあっても大丈夫。
説明に関しては、見たままに書く。メモに書いたものはほとんど判読ないが、書いたものを入力に変換するのは簡単。
さて、出来るだけ長い間避けたいと思っていた質問がある。何故未だに分類されていなかったのだろうか?