SCP-3941
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SCP-3941-1、初期収容直前に撮影。

アイテム番号: SCP-3941

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3941-1は現在、サイト-██安全保管施設内に位置しています。ORIAのサイト-██侵攻に備えて武装警備員がSCP-3941-1外部に駐留します。何らかの実体がSCP-3941-2から出現する可能性があるため、監視カメラを常時SCP-3941-1に向けておきます。SCP-3941-3はこれまで、SCP-3941-2内のカメラ映像を取得する全ての試みを防いでいます。別な手段の採用が推奨されています。

説明: SCP-3941は以下4点のアイテムの総称です。

• SCP-3941-1は木製の扉であり、10世紀半ばまで遡るレバノンオーク(Quercus libani)の木材で1980年代に構築されたと考えられます。対象には鉄の象嵌細工が施されており、木製の枠が扉を囲んでいます。SCP-3941-1は破壊不能であるように思われますが、真剣な終了の試みはまだ行われていません。SCP-3941-1は当初イラクのカルバラーにある小さな家屋の壁に組み込まれていましたが、家そのものには繋がっていませんでした。SCP-3941-1からアクセス可能なのはSCP-3941-2のみです。SCP-3941-1の異常性質は22:00~06:00までは不活性化します — SCP-3941-3によると、彼はこの時間帯に睡眠を取ります。

知られているだけでも9回、SCP-3941-1の異常性質は不規則的に非活性化しており、その期間は1時間から12週間の間で様々です。これらの非活性化は全て、SCP-3941-3が財団職員の行動を受けて引き起こしたものでした。

• SCP-3941-2は面積およそ50m3と思われる小次元空間です。SCP-3941-2は砂岩で造られた小さな部屋の形をしており、10世紀のバグダッドにおける奥ゆかしい家を思わせる様式で装飾されていますが、内部の物品群は1970~1980年代に製造された物と特定されています。部屋の側面にある窓は不明な光源から光を取り入れています — 窓から見える景色は、1990年代初頭の歴史家や考古学者の理解における10世紀バグダッド市内のように思われます。この部屋の遠端にはSCP-3941-4が出入りするもう1つの扉があり、部屋の中央には通常SCP-3941-3が座っているクッションがあります。財団のスキャンによって次元空間の大きさは50m3と断定されており、奥の扉が何処に繋がっているのかは現在分かっていません。

• SCP-3941-3は30代前半の人間男性の姿をしています。しかし、SCP-3941-3は財団がSCP-3941を発見して以来加齢していないように思われます。SCP-3941-3は、十二イマーム派およびアレヴィー派の信仰における第12代イマーム、ムハンマド・アル=マフディーを自称しています。SCP-3941-3をSCP-3941-2から退去させる試みは失敗します — また、SCP-3941-3はSCP-3941-2内にいる任意の人物を、消失およびSCP-3941-1のすぐ外での再出現という形で速やかに排出する能力を持ちます。SCP-3941-3は財団の質問に応じ、協力姿勢を見せていますが、SCP-3941-2からの退去を拒んでいます。

SCP-3941-3はファルシ語・イラク系アラビア語・古典アラビア語・英語・フランス語に精通しています。SCP-3941-3は自身の公式指定名称に応答するものの、第12代イマームであるという主張の正当性を疑うような質問には回答を拒絶します。彼は神学的な議論に強い関心を示しており、他宗教の様々な伝統にも比較的精通しているようです。SCP-3941-3は財団職員との会話を楽しむ様子を見せており、幾度かはF██████研究員と積極的に言葉を交わしました。

• SCP-3941-4は10代半ばの人間男性の姿をしています。SCP-3941-3と同様、SCP-3941-4は財団がSCP-3941を発見して以来加齢していないように思われます。SCP-3941-4は、SCP-3941-3からは“マフムード”という名前でのみ言及されます。SCP-3941-3はSCP-3941-4の過去を詳しく語るのを拒絶しています。SCP-3941-4は口が利けないようであり、財団職員の質問には反応しません。SCP-3941-4は、十二イマーム派の習慣に基づく断食中を除いて、1日2回SCP-3941-3に食事を提供します — これらの食事の内容は幾つかの現代イラン料理に近似しています。SCP-3941-4はまた、SCP-3941-3からの不定期な食物/飲み物の要求にも答えます。上述したように、SCP-3941-4は部屋の遠端にある扉からSCP-3941-2に出入りしています。SCP-3941-4を室外に退去させる、または彼が姿を現す扉を通り抜ける試みは、財団エージェントがSCP-3941-3によってSCP-3941-2から排出されるために全て失敗に終わりました。

SCP-3941は、SCP-3941-1が位置しているカルバラーの█████████郊外における千年至福説系カルト宗教の発展に続いて、199█年に財団に発見されました。カルトの指導者だったアッバス・H████は第12代イマーム幽隠の場を“発見”したと主張し、かの人物は間もなく“正義の王国を取り戻すために救世主マフディーとして再臨”して黙示録を告げるだろうと語っていました1。SCP-3941-3は、SCP-3941-2を“今後千年以内には”離れる予定が無く、H████氏は信仰において誤りを犯したと繰り返し主張しています。SCP-3941の発見はイスラム・アーティファクト開発事務局(ORIA)内部に突発的な政治危機を引き起こしたため、財団はORIAの到着前に現場を確保してSCP-3941を█████████████に移送できました。全ての関係者にクラスA記憶処理が施されました。

補遺3941-1: 20██/04/30、F███████研究員は、196█/08/17に誕生したハッサン・テヘラニという人物の大学在籍記録に着目しました。テヘラニ氏は1980年代半ばのテヘラン大学に籍を置いていた工学系イラン人の生徒であり、シーア派神学についての授業も受講していました。彼の以前の神学教師である█████████ ████によると、テヘラニ氏は隠れイマームの教義に対して強い不満を抱いていました — 彼はやがて、イマームはこの世界におらず、故に“正義と正統性”もまた世界には存在しないと信じるに至ったと思われます。198█/03/21、テヘラニ氏はテヘランの█████にあるアパートから失踪しました。現存するテヘラニ氏の写真数枚は、SCP-3941-3をより若くした姿に類似しています。

以下のインタビューはこの発見後間もなくして実施されました。

このインタビューに続いて、SCP-3941-3は、SCP-3941-1の異常性質を正確に157日と12時間にわたって非活性化させました。SCP-3941-1の再活性化時、SCP-3941の全ての構成要素は通常通りに機能しており、SCP-3941-3の振舞いも以前の行動と沿ったものでした。しかしながらこれ以降、職員がハッサン・テヘラニに言及した、またはSCP-3941-3の第12代イマームとしてのアイデンティティに対する質問をした場合、SCP-3941-3は全ての職員を退去させて数時間SCP-3941-1を閉鎖するようになりました。

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