SCP-3953-JP
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SCP-3953-JP(収容時に撮影)

アイテム番号: SCP-3953-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3953-JPはサイト-8169内の中型動物収容房に収容されます。室内には監視カメラが設置され、穴掘りイベントの発生が確認された場合直ちに報告が為されます。SCP-3953-JPには標準犬型オブジェクト給餌プロトコルに従い、1日に2度の給餌が行われます。SCP-3953-JPのストレス軽減を目的として、週に一度、職員によるブラッシングと異常性により出現した玩具を用いた遊戯セッションが実施されます。

説明: SCP-3953-JPは後述する異常性を有したイエイヌ(Canis lupus familiaris)です。外見や生態に異常な点は見られないものの、SCP-3953-JPは収容初期から加齢の兆候が確認されていません。

SCP-3953-JPは不定期に自身が位置する環境下における床面に対し、穴を掘るような動作を行います。この時、SCP-3953-JPは床面の高さ、構造、自身の体勢等の物理的制約を無視し、秒速8cmの速度で地面に直径2m程の穴を形成します。SCP-3953-JPは穴掘りを完了させると、即座に穴の内部から元いた位置へと転移します。SCP-3953-JPが地面から離れた高所に存在する場合、SCP-3953-JPの存在する地点の地面が遠隔的に掘削され、穴の形成時に排出された土砂はSCP-3953-JPの背後へと蓄積します。

SCP-3953-JPの転移後、穴の内部には様々な物品の出現が確認されます。以下は収容下で出現が観測された物品の抜粋です。

  • 犬用の玩具 - 実在するメーカーのロゴが記されているものの、いずれのデザインも実際に販売されてる商品と正確に合致しません。SCP-3953-JPはこの玩具群に対して強い関心を示しています。
  • ヒトの骨 - SCP-3953-JPが最も頻繁に出現させる物品。検出されるDNAは総じて同一人物の物であり、骨の部位に重複は確認されません。DNA解析の結果、モンゴロイド系の30代の男性の物である事が判明しています。
  • 液晶画面が破損したPhone 6s - 出現時点で販売開始から2ヶ月の機種であったにも関わらず、バッテリーの著しい劣化を含む経年劣化が確認されました。内部情報の復元の試みは失敗に終わっています。

これら異常な動作の発生頻度はSCP-3953-JPのストレス度によって変化が見られます。現在の特別収容プロトコル制定後、SCP-3953-JPの異常性の発現は収容初期段階の20%まで抑制されています。

SCP-3953-JPは2015年12月11日、「空き地に突然見知らぬ家が出現した」との通報を受け機動部隊が派遣された際、激しく損害した民家と共に発見されました。

当初SCP-3953-JPは地域の野良犬として認識されていたものの、民家の周辺に異常な深さの穴が複数存在し、カバーストーリーの流布中にSCP-3953-JPが同様の穴を形成した瞬間が観測されたため、即座に確保されました。同時に発見された民家は内外共に土砂に覆われた状態で発見され、木製の部位には微生物による腐敗の兆候が見られました。特筆すべき異常性が確認されなかった事から、民家は発見から3日後に解体されました。

補遺3953-JP.1: インシデント記録

2025年8月22日、SCP-3953-JPはサイト-8169の地下に横幅2m、深さ17mの穴を発生させました。SCP-3953-JPはインシデント後に極度の疲労状態へと陥りましたが、医療部門の処置により回復傾向に向かっています。穴の最深部にはコンクリート製の壁面が露出しており、調査の結果、不明な財団サイト施設の一部区域が地下に出現している事が明らかとなりました。

出現した施設の外部には財団収容サイトにて2020年から実用化された施設内隔離機構が搭載されています。制御機構の内部データ解析では、区画内の隔離システムは作動から8██日が経過しているとの情報が示されています。隔離システム解除後、サイト-8169内で探査チームが結成され内部の調査が開始、「サイト-81-109収容練-B81」と記されたプラスチック製のプレート、並びに236体に及ぶSCP-3953-JPと同一のDNAを有する腐敗した死体、現在未登録のナンバーに関する情報が掲載された報告書群が回収されました。

インシデント発生から2時間後、サイト-8169周辺に降雨が確認されました。その降雨により、穴の形成時に断裂した水道管から雨水が穴の底部へと流入し、探査チームは安全確保のため一時的な撤退を余儀なくされました。探査チーム構成員の証言に基づくと、内部には回収された死体の二倍以上の量が残留している物と推測されます。

当インシデントの発生により、建造部門からサイト-8169の地盤崩壊に関する提言が提出されています。本項目執筆現在、これらの事象についての対策案が並行して進行中です。

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