アイテム番号: SCP-397-JP
オブジェクトクラス: Anomalous Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-397-JPはサイト-8123の収容室に収容されます。収容室には通常の設備に加え、椅子2脚を備え付けてください。SCP-397-JPは事前にテスト-397-JPを行い、一定以上の集中力を維持することが可能なDクラス6名(以下、D-397-JPと表記)をローテーションします。D-397-JPに対してはSCP-397-JPが閉じた場合即座に開かせるよう条件付けを行った上で、2人1組で使用し、8時間の間SCP-397-JPが開いていることを確認させ続けてください。SCP-397-JPの異常が進行した場合のため、SCP-397-JP監視室には研究員に加え、常に対大型動物用の装備を保持した警備員を最低2名常駐させて下さい。
説明: SCP-397-JPはAnomalousアイテムとして一度分類されていましたが、現在SCPオブジェクトとして扱われています。以下のAnomalousアイテム記事は発見当初のものであり、現在では適用されていないことに注意して下さい。
説明: カーテンが取り付けられたコンクリートの壁。カーテンを閉じている間だけ、向こうに青空と草原の風景が見える。開くとコンクリートの壁以外、何も見えない。
回収日: 2012/3/21
回収場所: 大阪府████地区の廃ホテル
現状: 保管
カーテン越しじゃぼんやりして風景を楽しめんな。まぁ、光が差し込んでくるから体内時計の調整には使えるかもしれんが — 骨折博士
SCP-397-JPは大阪府████地区の廃ホテルで発見されたコンクリートの壁及び、そこに設置された緑褐色の薄手のカーテンです。SCP-397-JPの特異性は、向こう側に窓が無いにもかかわらず、青空の下の野原と遠景にある森林をカーテン越しに確認できることです。これらの特徴はカーテンを開くことで失われ、ただのコンクリートの壁及び閉じられたカーテン以外の何物も確認出来ておらず、また、カーテン越しに景色に対して接触した場合、窓の存在を触感によって確認することができず、コンクリートの壁のみがカーテン越しの手触りとして感じられます。
SCP-397-JP越しに見える青空の風景はいかなる季節や時間においてもほとんど変化がないように見られます。補遺を参照して下さい。春夏秋冬、昼夜にかかわらず、同じように差し込む光と青空、野原と森をカーテン越しに視認できます。
もう一つの特徴として、SCP-397-JPはカーテンを開けた状態であっても、人間が集中して観測していない間に独りでに閉じ、風景を映し出すことが確認されています。SCP-397-JPをカメラによる観測を行った場合、数秒間ノイズがカメラに走った後、カーテンが閉じ青空の風景が映し出されていることが確認できました。カーテンに対して紐や釘、ロボットアームなどを用い、開いたままにしておく実験において、SCP-397-JPはいつの間にかそれらを全てはずした状態で閉じているのが確認されました。カーテンを取り外し、金庫内に仕舞っておく実験において、警備員が金庫から意識を少し離している間にSCP-397-JPにカーテンが取り付けられ、閉じられた状態になっていました。
SCP-397-JPのサンプルを検査した結果、カーテン、カーテンレール、コンクリート壁の全てにおいて何らかの特異性は発見されておらず、またカーテンは当該の廃ホテルが営業されていた際に全ての部屋内に取り付けられたものと同じでした。廃ホテルの営業停止の理由は単なる経営不振であり、経営に関するなんらかの異常性は現在未発見です。
追加文書1: 2012/5/14、このアイテムの奥にある森に、赤と黒の色をした何かが存在しているのを天王寺博士が発見しました。この変化によってSCP-397-JPはSafeクラスのオブジェクトとして認定されました。以下、この存在をSCP-397-JP-1と表記します。
追加文書2: 2012/6/17、SCP-397-JP-1が明らかにこちらに接近していること、そのおおよその高さは周囲の樹木から推測した場合6メートルを超えていることが新たにわかりました。
追加文書3: 2012/7/22、SCP-397-JP-1が黒及び紅褐色の肌、地面に垂れ下がるほど長い腕と爪を持っている人型の生物であるということが新たにわかりました。これによりSCP-397-JPはEuclidクラスのオブジェクトとして認定を受けました。
追加文書4: 2012/7/26、SCP-397-JP-1の接近はSCP-397-JPのカーテンが開かれている間止まることが判明しました。これにより特別収容プロトコルが大幅に改訂されました。
追加文書5: 20██/██/██現在、SCP-397-JP-1のこちらへの接近速度が明確に上昇していることが発見されました。また、SCP-397-JP-1の紅褐色の肌だと思われていたものは、おそらく血液の付着によって変色した人間の衣服を大量につぎはぎしたものであることがわかりました。