アイテム番号: SCP-3973
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3973は鍵の付いた箱に入れて、サイト-16保管室の標準的Anomalousアイテムロッカーに収容します。実験はレベル2以上のスタッフに許可されています。SCP-3973の実験を望むスタッフはサイト-16保管室にある記録簿にエントリを記入しなければいけません。
インタビュー3973-1とハーピー博士の要請を受け、SCP-3973の収容プロトコルは改訂されました。SCP-3973は鍵の付いた30×30×30cmのアクリルガラス箱に入れ、サイト-16のAnomalousアイテム研究室104に展示されます。SCP-3973をインタビューに応じさせ続けるためのインセンティブとして、ガラス箱内のジオラマに月1回変化を加えます。ジオラマの変更にはミニチュア・プラスチック製の枝葉・砂・プラスチック製の岩の追加が含まれる場合があります。これらはハーピー博士自身が提供した物であり、サイト-16の休憩室にあるラベル付きの箱に保管されています。
SCP-3973の実験またはインタビューを望む職員はセキュリティクリアランスレベル2以上でなければいけません。また、前以てハーピー博士から許可を受ける必要があります。
説明: SCP-3973は卓上戦争ゲーム“ウォーハンマー40,000”用の標準的なミニチュア模型です。対象には物理的に目立った点は無く、プラスチック製で、高さ約3.3cmです。SCP-3973は███████ブランドの模型塗料の層に包まれています。対象の唯一明白な異常特性は、未知の手段による半径50cm以内で振られたサイコロの出目への干渉です。
収容当時、SCP-3973の半径50cm以内で振られた全てのサイコロは常に最も小さな出目を上に向けて着地していました。このため、SCP-3973は当初Anomalousアイテムとして分類され、完全なSCP指定は却下されていました。██ヶ月間にわたり、SCP-3973はサイト-16のAnomalousアイテムロッカーの一つに保管されていました。サイト-16の定期的なAnomalousアイテム点検において事案3973-FCが発生しました。詳細は以下を参照してください。
以下はハーピー博士による記録の抜粋です。当時、ハーピー博士はサイト-16 Anomalousアイテム部門が管理している複数のアイテムの定期異常性点検を実施中でした。
説明: 半径50cm以内で振られたサイコロに干渉し、一番小さな数字を上にして着地させる卓上戦争ゲームのミニチュア模型。
回収日: ██/02/09
回収場所: ██州█████████
現状: サイト-16の標準的Anomalousアイテムロッカーに保管。
実験材料:
- 25セント硬貨、1枚
- 4面サイコロ、1個
- 6面サイコロ、1個
- 8面サイコロ、1個
- 10面サイコロ、1個
- 12面サイコロ、1個
- 20面サイコロ、1個
実験1:
手順: 25セント硬貨のコイントスをアイテムの影響範囲で実行する。
結果: 硬貨は側面で直立した状態に着地した。実験は5回繰り返され、全て同じ結果だった。
読みやすさを考慮し、実験2~6は省略されています。これらの実験では各サイコロが複数回振られ、どの実験でもサイコロは“1”の面を上に着地する結果を出しました。
実験7:
手順: 複数のサイコロが偶然アイテムの影響範囲に落とされたことによる即興実験。全6個のサイコロが50cmの範囲内に転がっていった。
結果: サイコロは、6面および4面サイコロが目を、その他が口を形成する“スマイリーフェイス”に似たパターンに着地した。実験は計7回繰り返され、サイコロは毎回正確に同じ形状を象った。当該オブジェクトの異常性質についての更なる調査を要請。
読みやすさを考慮し、以下ではSCP-3973の実験から特に重要な発見を幾つか抜粋しています。
実験1:
手順: サイコロの“2”を上に向けて着地させるように頼む。
結果: サイコロは“2”を上に向けて着地した。
結果が偶然では無く異常効果であると確認するための複数回の実験に続いて、ハーピー博士はSCP-3973が求められた数字を出したことを根拠に、対象が財団職員の発言内容を聞いている/理解しているか問い質すことを提案しました。
実験14:
手順: SCP-3973に博士の言う事を理解できるかを訊ね、肯定なら“2”を、否定なら“3”を上に向けて着地させるように頼む。
結果: サイコロは“2”を上に向けて着地した。
分析: SCP-3973が知性体である可能性が考慮される。
実験15:
手順: SCP-3973に周囲で起きている出来事を認識しているか訊ねる。
結果: サイコロは“2”を上に向けて着地した。
実験16:
手順: SCP-3973に思考能力があるか訊ねる。
結果: サイコロは“2”を上に向けて着地した。
注記: 財団の管理下に置かれていた██ヶ月間、SCP-3973は鍵の掛かったAnomalousアイテムロッカーの中で箱に保管され続けていた。それが今や、私たちはこれが知性を持つ可能性に向き合う羽目になっている。 - ハーピー博士
実験を通して、SCP-3973が知性の兆候を見せていることが明らかになりました。現在はSCP-3973との意思疎通システムが構築されています。SCP-3973は半径50cm以下のテーブルに配置され、質問者がその後20面および6面サイコロを1個ずつ振ります。SCP-3973はサイコロの出目を操作してアルファベットのどれか1文字に対応する数字を示します。示したい文字が20より小さい数字で表される場合、SCP-3973は6面サイコロをテーブルから落とします。両方のサイコロがテーブルから落下した場合は句点を示します。
回答者: SCP-3973
質問者: ハーピー博士
序: ハーピー博士は前述のサイコロを用いた意思疎通システムでインタビューを実施した。
<記録開始>
ハーピー博士: 君が最初に思い出せることは何だ、SCP-3973?
SCP-3973: 司令官ハ何処ニイル
ハーピー博士: 司令官? 詳しく説明してもらえないか。
SCP-3973: 司令官ハ私ト仲間タチヲ引キ取ッテクレタ。我々ヲマトメタ。我々ヲ今日ノ姿ヘト仕上ゲテクレタ。
ハーピー博士: 仲間たち? 君のような者が他にもいるのかね?
SCP-3973: 仲間タチハ私ト違ウ。見タ目ハ同一ダガ脳ガ無イ。ソレデモ周リニイテクレルト嬉シイモノダ。
ハーピー博士: 我々の管理下に置かれる前の、最後に思い出せることは何だ?
SCP-3973: 司令官ハウロタエテイタ。理由ハヨク分カラナイ。司令官ガ大規模戦闘デ勝テルヨウ手伝ッタ。最モ大キナ出目ヲ出シ続ケタ。人々ハ司令官ニ立腹シテイルヨウダッタ。彼ヲチータート呼ンダ。私ハ自分ガ何カ間違ッタ事ヲシタノダト思ッタ。ソレカラハ大キナ出目ノ代ワリニ一番小サナ数字ヲ出ソウト決メタ。モウ遅カッタ。司令官ハ我々ヲ投下ポッドニ入レタママ去ッタ。
ハーピー博士: …成程ね。よく答えてくれた、SCP-3973。何か最後に言いたいことは?
SCP-3973: 話ヲ聞イテクレテ有難ウ軍曹
<記録終了>
注記: インタビュー3973-1に続き、私は正式にSCP-3973収容プロトコルの改正を要請した。このオブジェクトはAnomalousアイテム研究室にあるガラス箱の中に移した方が良いだろう。そうすればインタビューに素直に応じることへの“報酬”として、もっと頻繁に人に会わせてやれる。 - ハーピー博士
補遺: SCP-3973は██州█████████の街で開催された戦争ゲームトーナメント、████████で回収されました。プライベートでこのトーナメントに参加していた財団エージェント(エージェントT████)は、対戦相手の一人(M████ C████)が複数のトーナメント戦で反則をした疑いがあるという噂を耳にしていました。トーナメントでの反則行為を理由に退場処分を受けたM████ C████は所持していた全てのミニチュア模型を箱に入れたまま放置して去りました。エージェントT████は反則の仕組みを解明するため、問題の箱を自宅に持ち帰りました。その後間もなく、SCP-3973の異常性質が確認されました。
SCP-3973が入っていた箱からは、以下を含む数点のアイテムが発見されました。
- 他数体の“スペースマリーン”ミニチュア模型
- 異なる数種類のサイコロ
- 一緒に並べられたミニチュア模型の写真。この内の1体がSCP-3973だと思われる。
ページリビジョン: 3, 最終更新: 10 Jan 2021 17:02