SCP-3974
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SCP-3974-Aの感染末期におけるエージェント███████。

アイテム番号: SCP-3974

実体クラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3974実体群は人型実体収容セルに収容し、セル内の相対湿度が50%未満の状態を維持してください。-1,-2,-4実体が収容される各セルの室温を17℃に維持してください。SCP-3974実体群を収容するセルへの除染処理が1日に1度行われます。直接的・間接的にかかわらず、先述の実体群と遣り取りする職員はレベルA防護服の着用が義務付けられます。

SCP-3974-3が収容されるセルの室温は15℃に維持してください。当該実体にはペースト状の食料が供給され、定期的な休眠期間においてはその心拍数がモニターされます。万が一、当該実体が自傷行為を試みた場合には鎮静剤が投与され、精神状態が安定するまで定期的カウンセリングが執り行われる手筈となります。

いずれかのSCP-3974担当職員がSCP-3974-Aの感染症状を呈した場合、担当職員全員の隔離および検査が行われます。SCP-3974-Aに感染した職員は損失したものとして扱われ、遺体は焼却処分されて当該職員に使用された区域の除染処理が行われます。

協力関係の促進と健全な精神状態維持のため、SCP-3974実体群を扱う職員は収容以前に使用されていた姓名で当該実体群を呼称することが許可されます。該当しない職員は実体個別の指定名称で呼称しなければなりません。

インシデント3974-3Cを受け、SCP-3974実体群が奪取される可能性を抑えるために追加の警備体制が講じられています。

説明: SCP-3974は4人のヒトの子供です。(SCP-3974-1~-4に指定) 初期収容における不適切な輸送環境を理由に、-1実体およびに-3実体は外見が欠損した状態にあります。その異常な状態を除いて、他の実体には外見的に特筆すべき点はありません。

SCP-3974実体群の身体は未知のプロセスによってチョコレート菓子1に置換されています。各実体が内蔵する各器官はいずれもヒトと一致しており、想定される機能を有しています。骨格は圧縮された砂糖の結晶から構成されており、ヒトの硬骨と相似する密度を呈します。実体群の栄養所要は同年齢の子供と同量であり、未知の代謝プロセスにより吸収された栄養素はチョコレートに変換されます。

SCP-3974実体群は未知のウイルス性病原体2保菌者キャリアーです。(以後、SCP-3974-Aと呼称) SCP-3974実体群との物理的接触または体液の飛散により感染します。SCP-3974-Aへの感染者の体組織は、栄養学的および構造的にチョコレートと約80%の相同性を示す物質に置換されていきます。発熱・皮膚病変・昏倒を初期症状とし、下痢・運動機能の低下・嘔吐が後に発症します。感染の進行により、感染者の全身はチョコレートに置換され、臓器不全により死亡します3。SCP-3974実体群と同様に、感染者も感染源となりえます。SCP-3974-Aにより生成されたチョコレートの摂食は感染を必ず引き起こします。

当該の病原体は、赤血球または骨細胞を除くあらゆる型の細胞に感染します。SCP-3974-Aが体組織をチョコレートに置換する正確なプロセスは不明ですが、著しく複雑かつ複数の段階を踏まえて進行することが明らかとされています。溶菌の後にウィルス性粒子とチョコレート様物質が放出されます。また、感染者の腸内フローラを利用したチョコレート様物質の発酵が促進されます。これによりチョコレート味の原因となるフレーバー前駆体が生成されます。当該の感染症に関する治療法および抗ウイルス薬の研究が進行中です。

SCP-3974実体群は17℃以上の温度環境下で容易く融解します。融解を理由とした外貌醜状変形からの回復は確認されておらず、これは不可逆的と現時点で考えられています。軽度の創傷や擦過傷など、融解を起因としない損傷からの回復は確認されています。

SCP-3974全実体は、19██年██月██日、████州██████に位置する█████・ギャリソン所有の不動産より回収されました。対象は当該地区で製菓会社を経営していました。19██年██月██日、会社の創立周年のイベントとして、ギャリソンはロアルド・ダール著『チャーリーとチョコレート工場』を元とした催しを企画しました。自社製造の菓子へチケットを封入して、8歳から12歳までを対象としてランダムに子供を抽選しました。選ばれた子供たちにはギャリソンの工場を見学することが許され、見学の最中に子供たちは現在の状態に変化しました。

████・████を除き、抽選された子供全員が財団により確保され、SCP-3974実体に指定されました。ギャリソンと████・████の両名は現時点まで発見されておらず、要注意人物と認められています。工場に異常な設備は存在しませんでした。当該のイベントに参加した子供たちの親および保護者には適切な記憶処理が施され、ガス漏れを原因として工場見学中に意識喪失に陥ったものと信じ込ませました。また、工場は安全が担保されながらも、小規模な爆発に巻き込まれて子供たちとギャリソンが死亡したと報道されました。証拠は必要に応じて捏造され、実体群の代わりとして適当な死体が提供されました。

補遺3974-1a: 初期発見の直後、SCP-3974-3が他の実体よりも高速で融解することが見受けられました。当該実体は移送中に融解し始め、結果として重度の醜状を残すとともに明瞭な発話が不可能となりました。実体は断続的な不快感を訴えており、痛痒を伴ってはいません。19██年██月██日、SCP-3974-3は複数回に渡って自身の頭部を便座に叩きつけることで自己終了を試み、その結果として醜状が悪化しています。

重傷を負う前にSCP-3974-3の沈静化に成功しており、打撲傷の治療がなされた後に臨床的鬱病の診断が下されました。

補遺3974-2a: 収容以前の姓名でSCP-3974実体群を呼称することは██████上級研究員により廃止されました。これは、当該の実体群から得られる情報がこれ以上ないことに依拠します。

補遺3974-3a:
以下の文書のアクセスはクリアランスレベル4/3974以上の職員にのみ制限されます。

補遺3974-4a: SCP-3974に連関する追加の異常事象の詳細について、適切なクリアランスレベルを持つ職員はSCP-3409文書の参照が可能です。

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