
発見されたSCP-399-JP影響作品。左右の牛の闘争に介入する形で人型実体描写が出現している。
アイテム番号: SCP-399-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-399-JPが確認された場合、関係者全員にプロトコル"大掃除"が適用されます。確認された研究材料と認定された物以外の媒体の全ては焼却処分され、作品の作成記録から全てが処分の対象となります。SCP-399-JPの研究は[バチカンのカメオを持つ者]に限定され、一般研究者にその事実が触れる事のないように扱ってください。深度[J-88]番までの研究成果を挙げた一般研究者は記憶処理の後解雇されます。統合案[Ju-87]は現在O5評議会にて検討中です。
説明: SCP-399-JPは発生年代不明の世界的現実改変現象と、それに伴う記憶改変現象の総称です。財団が最初に発見したSCP-399-JPは紀元前[編集済み]のドイツ シェルクリンゲン近郊の洞窟内部に存在するG-1791壁画に描かれたものでした。
当該オブジェクトの特異性は局所的な現実改変と記憶改変、描写実体の形成です。通常、SCP-399-JPは完成した創作物の中に発生し、創作物の内容を自体との整合性が合うよう改変し、制作関係者の記憶を「そのように作成したもの」として固定します。顕著な発生例においては作品出演者の死亡、一国家の解体、大規模な国際テロなどが確認されています。SCP-399-JPが発生する制作物は壁画から映像作品までと幅広く、対策の目処が立ってはいませんが、当該オブジェクトが発生する制作物の内容の傾向として国家間の戦争、内戦、軍事行動、火器などを使った人間の殺害を含むものには多く発生し、全体の80%以上を占めることを元に、現在対策案が練られています。
SCP-399-JPの特徴として、発生したSCP-399-JPの作中には99%以上の割合で1940年代の███国陸軍のBDU1を着用した人型実体の様な描写が出現することが挙げられています2。
SCP-399-JPが発生した制作物の内容改変は一部の現実まで干渉することが確認されています。映像作品に発生したSCP-399-JP人型実体の描写が通常の出演者に対して実力行使した場合、その被害はSCP-399-JPが発生したと同時に出演者本人に現れ、傷を負う場合や死に至る事が確認されています。非致死性の被害に関しては多くの場合、撮影中の偶発的事故、事件に遭遇した結果被ったものだという歴史認識が制作関係者の記憶内に作成されます。致死性の被害に関しても同様に偶発的な撮影中の事故死である歴史認識が作成されます。
この現象に際し、現実では到底遭遇し得ない様な原因さえ確認されることから、SCP-399-JPはレベルE現実改変オブジェクトであると同時にレベルD記憶改変オブジェクトであると認定されています。しかしながら、これらの事実改変は製作記録や視聴者/消費者の記憶に影響を及ぼさないため、収容には大規模な記憶処理が必要とされています。
関連資料399-JP-18 [脱獄劇 その時に彼は]
創作物の内容: 戦時中に捕虜となった主人公と捕虜収容所監督による脱走を懸けた頭脳戦を描いた映像作品。
作成記録による本来の内容: 主人公は見事捕虜収容所を脱走するも収容所監督が事前に敷設した地雷原に気が付かず死亡する。
発生したオブジェクトにより改変された完成後の内容: 国陸軍による捕虜収容所襲撃救出作戦が決行され、収容所は壊滅、主人公と収容所監督は地雷原無力化のための爆撃に巻き込まれ死亡。
発生した現実改変:爆撃演出に使用された爆薬の過剰設置が原因で両出演者の事故死、撮影関係者の記憶も一部改変された。
対処:異常性が確認された後公開中止。カバーストーリー"制作会社の規約違反"と"倫理問題"、"NGフィルムの流出"が適用、視聴者の全員には記憶処理が施され、関連資料は抹消済み。
関連資料399-JP-89 [21世紀宇宙旅行]
創作物の内容: 国連宇宙ステーションで修理工を務める主人公が宇宙人との交信を試み、地球の危機を回避するコメディ映像作品。
作成記録による本来の内容: 主人公はAE35ユニットの修理中にその不調が故障でないことを悟り、宇宙人からの交信だと気がつく。
発生したオブジェクトにより改変された完成後の内容: AE35ユニットの修理中に主人公が誤って出鱈目な信号を地球へ送信。それを受けた███国陸軍の核攻撃が開始されるも寸での所で謎の組織の介入3により事態は沈静化。多大な被害は回避された。
発生した現実改変:[編集済み]。関係者への記憶影響は通常のものと同等、関連資料の改ざんも財団の想定範囲を超えるものではありませんでした。
対処:生成された国連宇宙ステーションは2001年に異常性が認められず、国連での運用を許可しました。回収されたAE35ユニットは現在まで解析中。今回適用されたプロトコル"便乗"の予算は竹内主任の独断でしたが、功を奏したことにより不問とされました。その他の諸対処は資料-18に準拠したものが行われました。
関連資料399-JP-92 [小☆怪☆兽 蓝翼]
創作物の内容: 架空の生物を飼い慣らし、同種の生物を飼い慣らす者同志で怪物を使った戦闘競技を行うゲームソフトの4作目。
作成記録による本来の内容: 主人公は13番目の敵キャラクターと戦闘。勝利した場合には称号を受け取り、敗北した場合はチェックポイントからの再開となる。
発生したオブジェクトにより改変された完成後の内容: 13番目の敵キャラクターとの戦闘中においてすべての場合で███国陸軍と見られる集団の介入によりプレイヤーと敵キャラクターが銃殺され、架空の生物も全て終了されチェックポイントからの再開となる。該当箇所のプログラムコードは未知の原因により参照不可能であり、打開策及に関しては目下研究中です。
発生した現実改変:特筆すべき影響なし。
対処:ゲームソフトの全個体回収と購入者、開発関係者、関連商品の関係者、関連商品の購入者等、合計████████人の記憶処理が行われました。1サンプルのコピーが財団情報課により解析中です。
補遺2014/12/31: アメリカ アリゾナ州で起きた銀行強盗事件において、実行犯である4人組の立て籠もる█████銀行に突入し、実行犯4人組の確保と警官への引き渡しを行った集団がありました。この集団はその後警官隊の抑止を聞かず、そのまま北北東へと逃亡し、銀行から30 km離れた地点で消失しました。
この集団は当時の映像記録、航空写真などから███国陸軍のBDU及び小火器を所持した40人ほどの一個小隊であることが分かっています4。また、この事件以降現在まで様々な戦闘、紛争、犯罪地域などで同様の集団が多数確認されています。
これらの情報から、多くの研究者は集団がSCP-399-JPである可能性を唱えていますが、それらの説は財団が有する既存のSCP-399-JPの認識と矛盾しており、現在の研究議論の争点となっています。
添付されたメモ
今まで何故SCP-399-JPが作品でなく現実に現れたか議論してきましたが、逆ではないのかと思う時があります。そのための資料請求が通らない事についてどなたかご存じないですか? -鑢 上級研究員
深度[J-88]番を検知、収容プロトコルは実行されました。[バチカンのカメオを持つ者]はこのような職員の再出を防いでください。-O5