SCP-4009-JP
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オブジェクト移動用簡易収容ボックスから這い出るSCP-4009-JP実体。

アイテム番号: SCP-4009-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4009-JP個体群の収容は簡易的標準人型実体収容コンテナに1体ずつ収容、SCP-4009-JP-1は低危険物収容ロッカー内に収容の上、担当職員は定期的な経年劣化防止作業を行います。SCP-4009-JP自体の精神的負担の最小化、および収容違反防止を目的に定期的な「パレード」イベントの開催が収容コンテナ内でのみ限定的に認められますが、開催中の楽器類および記録機器の持ち込み、および模倣行動は禁止されます。SCP-4009-JPに対する職員の接触も最小限に留められるべきであり、必要に応じて認識災害撹拌防止技術の使用が認められます。通常はSCP-4009-JPへのSCP-4009-JP-1の返却は認められません。

未発見のSCP-4009-JPの発見・追跡は優先的に実施され、一般社会での「パレード」イベントの発生を未然に防止する必要があります。これらの伝聞・情報はSNS等を使用する形で収集され、適宜適切な隠蔽処理が行われます。新規に発見されたSCP-4009-JP個体には必ず「SCP-4009-JP特別教育プロトコル」を実施、財団の理念と方針に対するSCP-4009-JPとの共通性について開示し、相互の理念・目的を共有することで財団の業務に支障を生じさせないよう行動を調整させます。

SCP-4009-JPの出身であるGoI-4009-γ「ぬいぐるみ王国」に対する探索調査、およびSCP-4009-JPの活動抑制交渉は継続中です。

説明: SCP-4009-JPは、自律的行動及び発話が可能な知性を有した動物型のぬいぐるみです。非破壊検査の結果上では材質・外観上において目立った異常性は見られず、また製造メーカー等についても不明です。SCP-4009-JPはすべてマーチングバンドの制服を模した衣類を装着しており、SCP-4009-JP-1に指定される後述する異常性を有した金管・木管・打楽器を所有しています。SCP-4009-JP-1はプラスチック製の楽器群であり、本来は構造上音色を発することは不可能であると考えられます。

SCP-4009-JPが所有する楽器類であるSCP-4009-JP-1は、演奏時に最小100db程度の音響範囲内の景色・輪郭を淡色に変化させる認識災害を誘発させます(これらは「パレード」イベントと呼称されます)。この異常性はSCP-4009-JPがSCP-4009-JP-1を使用する場合においてのみ発生するものと考えられており、人間による使用では発現しません。SCP-4009-JPの演奏を聴くに至った聴者は一様にして極めて明朗かつ好転的な感情反応を誘発しており、聴者は一様に幸福感や安心感を伴います。また先述の認識災害の一環で、聴者はSCP-4009-JP-1から五線譜や音符らしき形象を確認することもあります。

補遺4009-JP.01: SCP-4009-JPの会話能力およびその出自に関する調査の一環で、2019年4月15日、SCP-4009-JPに対してインタビューが行われました。

インタビュー記録4009-JP


対象:
SCP-4009-JP-A(クマ)
SCP-4009-JP-D(ノウサギ)
SCP-4009-JP-F(シマリス)

インタビュアー:
行楽研究員

実施日:
2019/4/15

付記: 本インタビューにおけるSCP-4009-JP個体群は初発事例の際に確保された個体である。


<記録開始>


行楽研究員: さて、SCP-4009-JPの皆さん。貴方がたは何者で、どこから来て、どうしてパレードを開くのか、我々に教えてもらってもいいですか?

SCP-4009-JP-A: 僕らはぬいぐるみ王国から来た、王立音楽隊のメンバーです。よろしくおねがいします、白い服の人間さん!

行楽研究員: 王立音楽隊、ですか。ぬいぐるみ王国とは?

SCP-4009-JP-F: ちょっとちょっと、ベアードくん!そんな簡単に名乗ったらダメだよ、悪い人かもしれないのに!

SCP-4009-JP-A: え?リッコちゃんどうして?

SCP-4009-JP-D: だって、あたしたちをいきなり捕まえてきたのよ?楽器だって取り上げられちゃったし、こんなの聞いてないわ!

SCP-4009-JP-A: うーん、そうなのかな。うーん。うーん……(SCP-4009-JP-Aは首を傾げる動作をする)

行楽研究員: ええと。すみませんが、我々は貴方がたと敵対するつもりはありません。少なくとも、そちらに攻撃の意思などがなければ、ですが。

SCP-4009-JP-A: (SCP-4009-JP-D、-Fのほうへ向く)だって!じゃあ大丈夫だね!

SCP-4009-JP-F: うーん、そうなのかなぁ。

SCP-4009-JP-A: 大丈夫だよ、王様も仰ってたじゃないか。人間さんはみんな優しいから信じてあげなさいって!

SCP-4009-JP-D: そ、それはそうだけど。はぁ。仕方ないわね。

(SCP-4009-JP-Dは僅かに思案する素振りを見せ、直後に机の上を歩き、行楽研究員の前に立つ)

SCP-4009-JP-D: 人間さん。あたしたちはあんたたちを楽しませるために人間界にやってきたのよ。そこは最初に言っておくわ。

行楽研究員: はい。

SCP-4009-JP-D: そのうえで、あたしたちは人間さんを信じなさいって言われてるから、あんたたちも信じるわ。

行楽研究員: はい。

SCP-4009-JP-D: だから先に聞かせなさい。どうしてあたしたちの演奏の邪魔をしたの?せっかくみんないい調子だったのに!

行楽研究員: それは、あのまま練り歩かれては困るからですね。我々はあのような目立つことを、自分で動いて喋るぬいぐるみにされては困るのです。

SCP-4009-JP-F: え?どうして?

SCP-4009-JP-A: 困るの?

SCP-4009-JP-D: 楽しいことが?

SCP-4009-JP-A、-D、-F: (行楽研究員ににじり寄る)なんで!?

行楽研究員: (SCP-4009-JP-A、-D、-Fを押し返す)そ、それが我々の仕事であり、人間を守ることだからですよ。それに他でもなく、貴方がたも守ることにつながります。

SCP-4009-JP-A: どういうこと?僕らを守るのがお仕事なんですか?

SCP-4009-JP-D: いまいち理解できないわね。こんなにも衝撃に強いあたしたちだし、変に壊れるほどヤワじゃないわよ?ぬいぐるみだけにね!

(沈黙)

SCP-4009-JP-D: 何よ?

行楽研究員: (咳払い)ともかく。我々としては貴方がたが町を練り歩かれては困るというだけのことです。道で自動車に轢かれればバラバラになりますし、悪い人に捕まりめちゃくちゃなことをされる可能性もあるでしょう。そういった状況から我々は貴方がたを保護するのが仕事なんです。

(沈黙)

行楽研究員: SCP-4009-JP?

SCP-4009-JP-A: (目のパーツの反射光が強く輝く)それって、すごく。

SCP-4009-JP-F: (頬の生地が赤くなる)素敵……。

SCP-4009-JP-D: (行楽研究員の顔に飛びついて喜ぶ)そ、そんなつもりであたしたちを守るために捕まえたってこと?何よそれ、最高に優しいじゃん!

行楽研究員: (SCP-4009-JP-Dを手でどける)ですから、いろいろと我々に教えていただきたいのです。貴方がたのこと、そして貴方がたの出身とするぬいぐるみ王国とは何なのか。それを知れれば、この危険な状況は我々がなんとかできる。それをご理解いただきたいです。

SCP-4009-JP-D: ねえねえ、ベアードくん!この人間さんいい人だわ!教えてあげましょうよ!

SCP-4009-JP-F: (小声)ミミリーちゃんが一番警戒してたのに。

SCP-4009-JP-D: そ、そんなことないもん!ほら、ベアードくんもたもたしないの、白人間さんが困ってるわ、ほら!リーダーでしょ!(SCP-4009-JP-Aの背中を押す)

SCP-4009-JP-A: え、う、うん。そうだねミミリーちゃん。えっと。どこからお話しようかな。

行楽研究員: どこからでもどうぞ。

SCP-4009-JP-A: えっと。ぬいぐるみ王国……そうですね。ぬいぐるみ王国っていうのは、僕らぬいぐるみたちが住む国ですね。住んでるのはみんなぬいぐるみたちで、すっごく平和な国なんです。

SCP-4009-JP-D: 毎日が遊びでいっぱいで、楽しいとこよ。あっ、でもぬいぐるみだけじゃなくて、いろんなおもちゃとかもいるし、時々人間さんの子どもも来ることがあるのよ!

行楽研究員: 子どもがですか?ということは、そこに行くこともできるんですか?

SCP-4009-JP-F: できるけど、許可がいるの。

SCP-4009-JP-D: そ。許可。王様のね!

行楽研究員: 王様、ですか。それはどのような人物ですか?

SCP-4009-JP-D: 王様は王様よ。我らが国王、もふもふやさしいポリエステラ王!(腰に手のパーツを当て、胸を張る動作をする)

SCP-4009-JP-A: その、王様は人間さんを国に迎え入れる時、手形を発行するんです。その手形を持ったぬいぐるみが、迎え入れたい子の持ち物になると、その子はぬいぐるみ王国に入れるようになります。

行楽研究員: 手形。それはどのようなものですか?

SCP-4009-JP-A: それは……。

SCP-4009-JP-F: わたしたちは手形は持ってないよ。誘うためじゃなくて、楽しませるために人間界に出てきたから。

行楽研究員: そうですか。我々としても是非ぬいぐるみ王国に入国してみたいのですが。

SCP-4009-JP-D: それなら、あたしたちが交渉してみてもいいわ!

行楽研究員: 本当ですか?

SCP-4009-JP-F: えっ、ちょっとミミリーちゃん?

SCP-4009-JP-D: 何よ?リーダーのベアードくんだって賛成じゃない?

SCP-4009-JP-A: いや僕はなにも――

SCP-4009-JP-D: それとも、ベアードくんはあるじさまの教えに背くつもり?普通のぬいぐるみに戻っちゃうわよ?

SCP-4009-JP-A: そ、そんなつもりじゃ……。

SCP-4009-JP-D: 良いじゃない!だってこの白人間さんはもしかしたら、王国を一番守ってくれるかもしれないのよ?蛇のおてての人みたいにさ!

行楽研究員: 蛇のおてて。

SCP-4009-JP-D: あっ。これは言っちゃダメなんだった。

SCP-4009-JP-F: (呆れたような態度を示す)ミミリーちゃん……。

SCP-4009-JP-A: うーん。そうですね。ちょっと考えさせてもらってもいいですか?王様にお話をしたいです。一度国に戻って報告しないと。

SCP-4009-JP-D: あっ!帰るならあたしも帰るわ!

SCP-4009-JP-F: ちょっとミミリーちゃん、勝手すぎるよ!

SCP-4009-JP-D: 勝手じゃないもん!むー!

行楽研究員: ……ありがとうございます。諸々の手続きについて、少しこちらでも考えたいことがあります。行動はそれからでもお願いできますか?

SCP-4009-JP-A、-D、-F: はーい!


<記録終了>


後記: SCP-4009-JP-A、-D、-Fのそれぞれは、「ぬいぐるみ王国」への帰還として子供向け絵本に用いられるカジュアルな絵画を要求した。個体群の帰還に関しては脱走の危険性が考慮されたが、当該SCP-4009-JP個体群は既に行楽研究員に愛着を抱えている言動が多寡に見られることから、サイト管理官による限定的許可が与えられた。SCP-4009-JP個体群には児童対話形式での「約束事」として3日間の猶予が与えられ、GPS装置および通信装置の装着のもとで帰還が許可された。

個体群の帰還の際、絵画に飛び込む形でそれぞれは消失し、同時に装着させていた追跡装置の信号もロストしている。これらの事実から、SCP-4009-JPは「ぬいぐるみ王国」と現実社会との移動手段として、前述の表象イメージが描かれた絵画や彫刻、装飾などを介してアクセスが可能であると考えられる。また、SCP-4009-JP-Dの発言から、要注意団体「蛇の手」の関与が疑われており、探査は慎重に進められる予定である。

補遺4009-JP.02: SCP-4009-JP-A、-D、-Fのそれぞれは出発から36時間後に収容コンテナ内に帰還し、「ぬいぐるみ王国」より「通行手形」が発行された旨を伝達しました。通行手形の内容はひらがなで手書きされた羊皮紙であり、字形の崩れが著しい内容となっていました。以下はそれを通常表記に変換したうえで転写したものです。

通行手形

発行 綿毛暦21年4月16日

発行者 プラッシュチック・ボア・フォン・ポリエステラ777世


親愛なる 白い服の人間 さん

あなたは我がぬいぐるみ王国の国民を守り、安全を確保してくれた大変いい子であることをここに証明し、ぬいぐるみ王国への入国を許可します。
ベアード、ミミリー、リッコの3名は、あなたの大切な友人として、いつも一緒に遊んでくれるでしょう。そして、この通行手形を持ち、彼らに手を引かれれば、すぐにぬいぐるみ王国に入国できるはずです。
私はあなたの来訪を歓迎します。是非とも、ぬいぐるみ王国で会えるのを楽しみにしています。

もふもふやさしい王様 ポリエステラ国王より

上記「通行手形」の入手を経て、財団は数度に渡って「ぬいぐるみ王国」の探索を実施、「ポリエステラ王」との接触に成功しましたが、SCP-4009-JPの現実世界での活動を抑制するための交渉はすべて失敗に終わっています。SCP-4009-JPの持つ人類社会への影響力の大きさを踏まえ、「ぬいぐるみ王国」は同年9月27日よりGoI-4009-γとして要注意団体に指定されています。これと同様に「ポリエステラ王」もPoI-4009-γとして要注意人物に指定されています。

また、「ぬいぐるみ王国」への探索の結果として、同国は「蛇の手」構成員の一部関与、およびSCP-4009-JP-1の製造技術には要注意団体「真昼の樫の木さすらい楽団」が大きく関与していることが判明していますが、「ポリエステラ王」は詳細な情報提供を拒否しているため、同国が他の超常組織・要注意団体とどのような関連性を有しているのかの詳細は現在も不明瞭なままです。

補遺4009-JP.03: 「ぬいぐるみ王国」に対する活動抑制交渉の失敗以後もSCP-4009-JPは日本各地で数カ月~数年という低頻度で出現しています。そして、その出現地点や箇所の多くは極めて広範的な条件かつ予測不能であることから、現時点の財団の技術リソースに基づく追跡能力をもってしても困難を極めます(「ぬいぐるみ王国」への諜報活動においても、そもそもこのような事案は「ポリエステラ王」の気分に基づいて行われていることが判明しているため、予測できません)。

しかし、現時点までで判明しているSCP-4009-JPの出現傾向として、「子どもが近くにいる、あるいは子どもが関与しうる場所」「子供向けにデフォルメされた、極度に抽象的なファンタジー・ポップ表現」を基準に出現する確率が高いことが統計的に理解されており、財団の監視・追跡対象の絞り込み指標の1つとして考慮されています。

発生地点 確認された「パレード」イベント 財団の対応
████デパート███店 2019年4月12日、SCP-4009-JP初発事例。監視カメラの映像から判別する限り、当該デパート内の休憩エリアの絵画より3次元空間上に出現。そのまま3階の玩具コーナーまで『アルプス一万尺』を演奏しながら闊歩した。財団により発見・確保に至るまで聴者に好意的な感情反応を引き出し続けた。本「パレード」イベント中、1人の児童が財布を紛失したことを認知したSCP-4009-JP個体群が演奏のテンションを変化させたことで、認識災害を受けている聴者の1人が浅黒い形象を伴う形に変化した。 財団によるSCP-4009-JPの確保により「パレード」イベントは中断、SCP-4009-JPは確保され、関与した人物らにはすべてクラスA記憶処理、およびカバーストーリー「着ぐるみで催し物」が適用された。なお、前述の認識災害変化を受けた人物は30代の男性であり、子供用財布を所有していることが確認された。事後調査では「落ちていた財布を拾っただけ」「後で返すつもりだった」と語っており、状況からSCP-4009-JPの認識災害には何らかの指向性が存在する可能性が推測される。
██市立███幼稚園 2019年9月26日、園内に飾られていた壁面飾りの一部が動き出す形でSCP-4009-JP個体群が3次元空間上に出現、工作作業中であった園児らに対して『ミッキーマウスマーチ』『ジッパ・ディ・ドゥ・ダー』『わらの中の七面鳥』を演奏しながら施設内を闊歩した。幼稚園の教諭や園児、その他職員らを巻き添えにする形で好意的な感情反応を引き出し続け、当日の授業予定を妨害した。演奏終了後、園児の一部はSCP-4009-JPと抱擁したり、園庭で園児同士の遊戯に参加するなどの行動も見られた。 当該幼稚園施設はスケジュールの都合上、財団職員が一時的に配置されていなかったことから、SCP-4009-JPの発見は1日程度の遅れを伴った。その後、SCP-4009-JP個体群は父兄から通報を傍受した財団によって感知の後収容され、関係者にはクラスA記憶処理、およびカバーストーリー「みんなでいっしょにお泊まり授業」が適用された。
██市██商店街 2021年2月7日、██商店街中央に設置された噴水の壁画よりSCP-4009-JP個体群が3次元空間上に出現。そのまま商店街内を『行進曲「軍艦」』を演奏しながら闊歩した。聴者の多くはSCP-4009-JPの演奏に好意的反応を示し続け、映像がSNS上においても流布されることとなった。これにより、SCP-4009-JPの認識災害は映像・音声を介しても伝播する可能性があることが発見された。 財団により即座に確保され、関係者およびSNS閲覧者にはクラスA記憶処理、およびデータの削除とカバーストーリー「商店街創立2.5周年記念イベント」が適用された。
██市立███コンサートホール 2023年5月18日、SCP-4009-JP自体は本「パレード」イベント発生の2週間前、██市立██北中学校内の備品より3次元空間上に出現していたとされる。当時同コンサートホールでは吹奏楽コンクールの都道府県大会が開催されており、演奏予定であった同中学校吹奏楽部の演奏に紛れる形で、同部が演奏する自由曲であった『ビリーブ』が演奏された。演奏中、出場した部員らはSCP-4009-JPの演奏に調律を合わせる形で影響が最大化し、コンサートホール外に対しても認識災害が拡大した。 本SCP-4009-JP個体群は同学校の吹奏楽部部員らにより保護されており、財団による感知に遅延が生じたと考えられる。本「パレード」イベントにおけるSCP-4009-JPの認識災害は確保に急行した財団職員にも影響を与えており、演奏終了に至るまで確保に至らなかった。最終的に演奏後に関係者全員にクラスA記憶処理、およびカバーストーリー「自力で勝ち取った栄光」が適用された。本事案から、SCP-4009-JPの能力は非異常の楽器演奏でも相乗効果を伴う可能性が判明した。

上記のほか複数件の発見事例を経て、2025年現在、財団は合計21体のSCP-4009-JPを収容中です。発見されたSCP-4009-JPの種類は多種多様であり、クマ(Ursidae)、イヌ(Canis lupus familiaris)、ネコ(Felis silvestris catus)、ノウサギ(Lepus brachyurus)、シマリス(Tamias)、ライオン(Panthera leo)、カバ(Hippopotamus amphibius)、アジアゾウ(Elephas maximus)などの種類が現在まで確保されています。この他にも未確保のSCP-4009-JP個体は多数存在すると考えられており、現在も追跡調査が継続中です。

またこれまでの事例およびインタビュー等から確認できることとして、SCP-4009-JPは財団に対しては極めて友好的であるものの、一般社会に甚大な脅威となり得る要素が極めて強く、よってその発見と収容は可及的速やかに行われる必要があります。ただし財団が行った各種実験において、SCP-4009-JPの持つ能力はSCP-4009-JP自身の意思によって抑制・停止させることも可能であると考えられており、この事実はSCP-4009-JPの能力行使そのものに対する抜本的な制御方法の手段の手がかりとなる可能性を示唆していることから、今なお研究が進められています。

補遺4009-JP.04: 収容中のSCP-4009-JP個体群は、収容当初より財団内での「パレード」イベントの開催を繰り返し要求していました。要求は繰り返し却下されていましたが、2025年3月13日、SCP-4009-JP個体群が収容コンテナ内の壁面を叩く、自らの声で歌唱するなどをして「パレード」イベントを行う収容違反が発生しました。演奏された楽曲は当時の収容サイトであったサイト-8133の施設歌であり、サイト内の職員はSCP-4009-JPの演奏に好意的反応を示し、職員全体の士気が向上するなどの影響がもたらされました。

同インシデントの影響によりSCP-4009-JPは担当職員によって収容コンテナから一時的に解放されており、サイト内を闊歩しながら「パレード」イベントを継続し続けました。しかし最終的には異常事態を認識した外部監査により認識災害防止装備を装着した機動部隊が投入され、SCP-4009-JPは制圧・確保されました。これによる人的被害や二次的な収容違反は発生しませんでした。

本事例から、SCP-4009-JPはSCP-4009-JP-1を所持していなくても同様の能力を行使することが可能であり、かつ歌唱や楽器の代用など、影響下にある者が容易に模倣しやすい行動方法が用いられること、また21体すべてを同時に収容することは保安上のリスクを伴う可能性があることから、収容プロトコルはこれらを防止する形に改訂されています。なお、本事案以降、SCP-4009-JPに対しては「SCP-4009-JP特別教育プロトコル」を追加適用し、SCP-4009-JPの行動が財団の運営方針に対して問題である旨を伝達・教育することが決定されました。

SCP-4009-JP特別教育プロトコルを適用されたSCP-4009-JPは自らの行動について極めて強い精神的ショックを受けたかのような態度を示し、2日間程度の間収容コンテナの隅に座り込む形で沈黙し続けました。しかし最終的にSCP-4009-JPは「それなら邪魔をしない範囲で財団の仕事を手伝いたい」と主張し、「不用意な「パレード」イベントは行わない」「財団の指示には絶対に従う」ことを約束するとして、その条件に「定期的な「パレード」イベントの開催」を要求するに至りました。これらの条件は限定的に承認され、現在の特別収容プロトコルとして運用されています。

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