SCP-4015
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以下のファイルへのアクセスは財団のアーキビストに制限されます


アイテム番号: SCP-4015 Level 4/4015
オブジェクトクラス: Eparch1 Archival

特別収容プロトコル: SCP-4015に関する考古学の資料は一般には公開せず、SCP-4015のサイトでの全ての発掘は非異常的な考古学研究を偽装して行われます。情報の偽装は歴史上の主な出来事にSCP-4015に関する情報が含まれないようにして下さい。多くの財団の仮設サイトが一時的に、活動を行なっているSCP-4015の発掘サイトの近くへと設置されます。

異常存在との関係性のため、職員は異常な活動がないかSCP-4015遺跡群を厳重に監視する必要があります。

SCP-4015に関する情報へのアクセスは高クラス職員と財団のアーキビストに制限されます。SCP-4015の性質上、オブジェクトに関する情報へのアクセスは、その研究または収容に直接関与しない職員には不要と考えられています。

地方政府はSCP-4015の存在を知らされており、効率的に研究を行い、確実に収容を行うために財団と協力関係にあります。

説明: SCP-4015は後期青銅器時代から紀元前12世紀半ばまでの古代文明の遺跡群の総称です。その領土は現在のサウジアラビア北部、イラク南部、シリア南部、ヨルダン西部にほぼ対応しています。SCP-4015の共同体は非常に好戦的であり、隣接しているメソポタミアとレヴァントに政治的、軍事的、経済的に重度の被害をもたらしたとされています。

SCP-4015はその国境沿いで暮らす現代のアラビアの遊牧民の文化と一致していますが、それは大シリアの北に位置する都市文明に著しく影響を受けていたことによると判明しています。言語的には、SCP-4015は近隣国との円滑なコミュニケーションのため、筆記にはバビロニア語を使用していたことが分かっています2

特筆すべき点として、SCP-4015は国家規模で宗教の痕跡を欠いており、遺跡から回収された宗教的遺物はごく僅かです。SCP-4015の識字能力のある者は、レヴァントの他文明と共に、自身らを「守護者」とだけ呼称することが知られていますが、他の事例として外国の文化を「異端者」と呼ぶこともありました。

SCP-4015は他の青銅器文明に見られる政治機構における都市化は見られず、人口が少ないにも関わらず、高度に統一され、組織化された社会を持っていました。SCP-4015は同時代の近隣国家を遥かに上回る数学3、物理学、化学、医学の知識を持った学問に優れた社会でした。それだけでなく、SCP-4015はその歴史の中で、単一の統治評議会によって統治されていたことが示唆されています。

統治評議会の保管していた記録によると、SCP-4015はその影響範囲内における異常存在による影響を制限するという長期的な目標を持っていました。この目標の達成のため、SCP-4015は広大な要塞組織を形成し、SCP-4015の人々が回収した異常存在を封じ込めるように設計されていました。

隣接した文明によって作成されたSCP-4015の記録は、その文化を好戦的で異端のものであると位置付けています。彼らは神殿で略奪行為を行い、神官を殺害し、宗教的遺物を盗んだと記録されています。また、この時代の多くの作家は、SCP-4015の影響を蔑視し、信じられないほど強力な軍事戦術と襲撃戦術を駆使し、地域で最も強力な王国すらも彼らに協力せざるを得なかったと述べています。SCP-4015の軍事行動を通じて得られた全ての宗教的遺物は異常性を有しており、SCP-4015の組織によって宗教的に扱われたわけではない事に注意して下さい。

SCP-4015は他の全ての青銅器文明の範囲を超えるような技術を保持していました。その中でも居住地は数千人を超えることのない小さな要塞に限られていました。しかし、長期的な移住を目的として建てられていたため、非常に持続可能で効率的なものでした。また、軍事技術も同時代のものではなく、鉄器時代後期の王国と同等のものでした。これが、直面した全ての軍事上の敵に勝利した理由であると推測されています。

SCP-4015の独自の居住地のパターンは、各居住地がそれぞれの異常存在の収容施設の周りに組織されていた事を示しており、その異常存在のほとんどは近隣の王国や部族から持ち込まれたものです。これはまた、SCP-4015が高度な中央集権的性質を持っていた事の証拠となります。

以下の文書はサイト-1/4015より回収されたもので、SCP-4015の支配者によって記述された、非常に危険な異常存在の収容を詳細に記したものです。なお、この文書の翻訳には、不明確な部分があることに留意してください。

天の牡牛

ウルクにて発見

非常に不安定 [翻訳に不明瞭な部分有]


その獣は地下に3[体?]封印され、外部へと穴を開けられないようにし、要塞は収容所の入り口を保護する必要があります。獣の脚は鉄の鎖で縛り、尻尾には縄を結び、常に尻尾が引っ張られるようにしてください。獣には頑丈な鉄製のマスクを被せ、その破壊的な強風を軽減してください。収容所への門は常に数十人の兵士によって守られ、彼らが殺害された場合は、1名の兵士がウルクから回収した剣で獣の背中を斬ってください。

牡牛の収容違反を鎮圧出来なくなった場合に備えて、2つの貯水池が掘られ、牡牛の収容室を水で満たすことができます。これは生物を溺死させる理想的な方法ですが、過去の経験によると、牡牛は溺死から数日で蘇生します。

警備の兵士の殺害を防ぐため、収容室の壁は鉛で覆い、床は金で覆うようにしてください。多くの容器に酸性物質を満たし、青銅の円柱と鉄の棒を詰めてください。これにより、エネルギーが発生し、金の床を伝わって獣の霊力を妨害することが可能です。これらの容器は効率が悪いため、頻繁に交換するようにしてください。


伝説の天の牡牛は、ウルクの王が異教の信仰を止めることを拒否したため、ウルクより連行されました。獣を捕らえることによって、私たちは世界を飢餓から救ってきたのです。


獣は地面に大穴を開けるほど大きく息を吐き出すことができ、[不明、おそらく衝撃波]は致命的であり、どのような軍隊も、この獣の前に立つことは不可能です。

シュメール人の間ではその存在は死と結びついています。獣は1日に1度、近くにいる人間に死を命令し、即死させることが出来ると言われています。その存在が[力?]をもたらすために使用している現象は、鉛などの重金属で緩和が可能とされています。また、[衝撃?]を発生させる磁気現象は、この力をさらに妨害できることが判明しています。

その表皮を斬ることは強大なギルガメシュ王が所持していた剣のみであり、巨大な収容所が収容体制を保持できない場合は、その剣を対象の殺害のために使用します。

この文書に対応するとされている遺跡は、背部に未知の金属で出来た剣の刺さったウシ科の生物の骨格と共に回収されました。

また、このサイト4はSCP-4015が異常存在の収容に直接関与した証拠にもなっており、それ以来███以上の古代の収容サイトが回収されています。

Mohenjodaro.png

サイト-1/4015

SCP-4015の首都は、サイト-1/4015として指定されていた固有の領域の中心に位置する都市のような居住区だったとされています。大規模な住宅地の他、サイトの大部分はSCP-4015の他のすべての活動を統括する巨大な管理施設として使用されていました。これらの複合体はSCP-4015の大部分の文献の出典である巨大な図書館も保有していました。注目すべきは、SCP-4015の支配者たちの住居であったと考えられる13の特に大きな、要塞化された家屋です。これらの家は政府の首都の建物として使われたと考えられる大きな集会場の周りに集まっています。また、機能不明の大きな宮殿のような建造物も存在しています。

以下の文書はヘルツ博士の元で行われた発掘に関する最初の発見とそれについての考えを詳述したものであり、SCP-4015とサイト-1/4015はその収容能力を超えた力を持った異常存在に破壊された可能性が高いことを示唆する証拠をもたらしました。近隣の王国はこの異常存在を利用することで、SCP-4015による宗教的抑圧から解放されると信じていた可能性があります。

Ottosdal1.png

SCP-████で構成された起源不明の金属で構成された遺物

サイト-1/4015の発掘について

ヘルツ博士のもとで財団考古学第3部門により実行

場所: サイト-1/4015、サウジアラビア

日時: 19██/4/2

調査結果: 私たちが最初にその場所を発掘した時、非常に発達した集落を見つけました。その集落は多くの点において、同時代のものを遥かに上回っていたのです。

その水管理システムは信じられないほど高度であり、一連の地下パイプと貯水槽を介して大量の地下水を貯蔵し、サイトの住人に分配することが可能でした。下水道のシステムは、青銅器時代の中東では類を見ない大規模な一連の水力工事につながっています。システムを科学的に分析した結果によると、これはSCP-4015の住民による下水処理の試みの可能性が高く、水を節約し再利用をしようとしたのではないかと考えられています。

また、私たちが「垂直農法」と呼んだものの維持もしていました。太陽光を反射するための複雑な鏡の配列を利用して、農業を目的とした数階建ての小型の建築物を作成したと推測されます。水耕栽培の原始的な試みの証拠も発見しました。これは、サイト周辺の耕作地の不足を防ぐ試みである可能性があります。

別の例として、サイトに存在する高度な技術は、武器の工場生産に近いものです。鍛冶場が工場のように集まっていました。これらの構造物には「設計室」と呼ばれる大きな空間があります。ここは特殊な装置が設置されており、さまざまな種類の兵器の製造に使用されたと考えられています。特筆すべき点として、SCP-████と構造の類似が認められる金属製の「大砲の弾」がいくつか発見されました5

このサイトにおける異常は、SCP-4015の驚異的な技術力の誇示以外にその破滅についてです。ヒューム分析によって、青銅器時代の崩壊前後に異常な活動の急増があったということが結論づけられています。しかし、古代中東において、異常な出来事によって破壊された証拠を示す場所はありません。サイト-1/4015は異常な損傷の証拠を伝える最も重要なサイトです。

実際、サイトは損傷が全くありませんが、サイトの住人がほとんど殺害されたことは明らかです。サイト-1/4015の破壊を正確に視覚化し、理解するには、私たちはサイトの外部から理解しなければなりません。

サイトから数キロ離れた場所に、微量のSCP-████を含む爆発火口を発見し、これは彼らがサイト防衛のために原始的な爆発兵器を使用したことを示しています。その標的が何であったのかは不明ですが、その殺害に失敗している事は明らかです。実際に、サイト-1/4015から回収されたSCP-████の備蓄は僅かなもので、これは明らかに希少であり、滅多に使用されていなかったと思われます。このことより、SCP-4015の軍は防衛のために他の全ての選択肢を使い果たした可能性が高いことを示唆しています。

兵器の発見により、サイトの壁外の数百メートル離れた爆発火口と同じ方向で、大規模な戦闘が行われたと結論づける事ができます。興味深いことに、SCP-4015に反抗した軍の死体は信じられないほどに少ない事が判明しました。一方で、SCP-4015の軍は莫大な犠牲者を出しましたが、金属兵器の外傷による死傷者はごく僅かでした。一部の骸骨には焦げたような部分があり、気化しているように見えるものもあります。しかし、遺体の大半は負傷していた形跡が見られず、実際に遺体を殺害した可能性のあるものの証拠はありません。

敵対する軍は2つだけでなく、SCP-4015と交戦していた軍はレヴァント全域から武器や鎧を運んでいたことが判明しましました。彼らは連合軍だったようです。アッシリア人、アッカド人、さらにはアムル人までもが肩を並べて戦っていました。また、エジプトの戦車とスキタイの短剣も見つかっています。アッカドの鎧を着用した人物には赤みを帯びた種類の青銅で作られた武器を持った人物もおり、これは中国に由来するものでした。遺伝子検査は、これらの人物が元々クレタ島出身であることを証明しています。驚くべきことに、SCP-4015の脆弱性は中東の主要な戦争状態にある国家、さらには世界全体を団結させるのに十分なものでした。SCP-4015以外のほぼ全ての死体には、ネルガルへと捧げられた護符が発見されています。これに基づくと、SCP-4015と接触していた王国は最終的には、彼らの異端的とされた影響を放棄する方法を見つけたと推測されています。

彼らがSCP-4015を占領することを可能にしたものの性質を示唆する証拠に、サイト-1/4015の壁であった瓦礫の一部にシュメール語で「ネルガル6」と書かれているものがあります。この刻まれた言葉が「ネルガル」の存在を示す証拠になるとされる唯一の理由は、サイト-1/4015内の人々の死体には暴行された痕跡がないためです。実際、サイト内のほぼ全ての人間の死体は健康状態が良好でした。私たち研究者のうちの1人は、「まるで彼らはただ死んでいるだけのようだ」と話しました。

また、サイト-1/4015の壁は高爆発物によって損傷を受けており、その一部は熱による損傷とガラス化しているところがあるため、壁に損傷を与えるために高出力レーザーを使用していた可能性を示唆しています。

このことから、サイト-1/4015を破壊した戦いは、単なる政治的暴力ではなく、レヴァントの人々が見たような「神の怒り」である可能性が高いと結論づけました。長い年月をかけて、様々な文明からの異常な宗教的遺物の略奪の後に、SCP-4015の歴史上、無敵であった力を克服できる異常存在を手に入れた者が、彼らの中東での支配行為を終わらせました。

あいにく、どうしてSCP-4015がこれほどまでに憎まれていたのかは明らかです。彼らの収容手順は時に聖地の略奪、強奪、破壊を意味していました。この行動は間違いなく、彼らの隣国に無条件に憎しみをもたらしていたのです。

次の文章は、サイト-1/4015の図書館より回収した一連の文書からの抜粋です。異常を収容する主な動機は哲学的なものによると考えられます。

SCP-4015の指導者たちは、多くの異常、特に人型の異常存在は人類の安全のために、自身に対する奉仕を強制していると信じていたようです。この意味で、SCP-4015は異常存在の影響から自分たちを「解放する者」と見なしていました。

目的

我々の使命は決して変わらず、これからも変わることはない。


数え切れないほどの年月の間、人類は神という名の魔物を崇拝し、これを宥めようと無駄な努力をしてきた。確かに、こういった存在は一人の人を助けることなど意図しておらず彼らは人間を餌とし、我々の労働で肥えている。このような事を許すなどできない。


それこそが我々の存在意義であり、これらの異常の出現は我々の世界の法則を捻じ曲げており、前世紀はその数と力を増すばかりであった。我々は仲間達と同じ過ちを犯すつもりはないが、もつれあう神の欠点を利用しその何たるか理解するだろう。我々は自然のすべて、これらの欠点のすべてを完全に理解しそれらから世界を守るのである。農民も王も、誰もが明日また太陽が昇るという幻想のもとで休む事が出来るように。

上記の文書はSCP-4015のイデオロギー上の性質を推定する最も初期の証拠でした。

以上のように、サイト-1/4015と残存していたSCP-4015は青銅器時代の崩壊時に突如として破壊されました。この時代の間に、中東全体で異常な活動の急速な増加が発生したからであると財団の考古学者は結論づけました。SCP-4015の知られている最も新しい文章はこの時代のものです。最も重要なことは、末期に統治評議会が解散した後にSCP-4015の支配権を確立したと思われる高官によって書かれた文書です。

以下の文書の内容から、この著者は何らかの力を持った異常実体であると考えられています。多くのSCP-4015文書と同様に、いくつかの単語の翻訳が不明確です。

指導者

我々は失敗した。最も重大なことは、私が失敗したことだ。


私はこの下等な部族を強大な力に導く事ができると信じていた。世界に蔓延る神々と悪魔の暴虐を監視し、立ち向かう事が出来ると。しかし、我々が悪を1つ追い出すたびにそれらは新たな形で戻ってくるのだ。我々はウルクだけでも多くの預言者、神々、神聖な生き物を奪ったが、これらへの[忌まわしき?]信仰を辞めることはなかった。

我々が盗み出した全ての物は封印に値する物であった。誰もが最初から予想していたように、我々の収集品はやがて管理しきれないほど膨大になる。これらの悪が1つでも収容所の外へと出れば他もそれに追随し、我々はそれらを再び捕らえることはできなかった。


ついにこの予想は現実のものとなってしまった。長い間封じ込めていた無数の恐怖が再び現れた。この時、私は自らの運命を悟った。我々の素晴らしい業は打ち砕かれ、永遠に消滅した。

悲しきことに、この悪どもは既にこの世界に忠実な人々へと敵意を露わにしており、まもなく全ての文明が破壊されるだろう。


残念だが、私の敵はこれほどまでに支配をしなければ、我々へとこのような行動を取ることはなかっただろう。実際に私はこれらの人智を超えた力に対し破壊的な戦争を行った。愚かにも、彼らが我々の窮地を自らの圧政者を打ち負かす機会だと考えるなど思ってもいなかった。

恐らく、冷酷にではなく協力すればこれらの力を止めるのは可能だ。私はきっと、崇拝者達に神々の寄生的な性質を説明して納得させるべきだったのだ。

この事を知っているからこそ、私は諦めたりはしない。これは学ぶべき教訓に過ぎない。どんなに苦労しようと、勝利は私の手にあるものなのだ。


私は[指導者?]として常に気を配り、何度やり直してでも成功させてみせる。

私の任務は変わらない、これまでも、これからも

確保、収容、保護

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