SCP-4032
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SCP-4032-1の写真。

アイテム番号: SCP-4032

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4032はサイト-67の研究用庭園内に隔離されています。全てのSCP-4032-1実例は毎日収集し、現地で焼却処分します。SCP-4032-1を悪用した者は停職処分または解雇処分となります。

SCP-4032-1を摂取したことが判明した全ての動物は捕獲、安楽死、焼却処分されます。

現在までに発見されたSCP-4032実例は1本のみです。更なる実例が発見された場合、機動部隊アルファ-67 “雑草叩き” が派遣され、その実例を引き抜いてサイト-67へ移送します。

SCP-4032-1を摂取した全ての人間は、サイト67の外周部にある拘置房B1~B5に収容されます。各房には、泥炭とポリウレタンの混合物に硫黄菌属のThiobacillus thioparusを含有させた3つの余剰空気フィルターが設置されます。各フィルターには硫化水素とメタンのセンサーが取り付けられています。センサーが作動した場合は、修理が完了するまでの間、機動部隊アルファ-13 “臭気食い” が対象者を外部へと連れ出します。

説明: SCP-4032は幅広で丸みを帯びた落葉性低木であり、SCP-4032-1と指定される球形・褐色の小さな果実を実らせます。

SCP-4032-1を摂取した動物や人間は極度の胃腸障害を発症します。摂取から1時間後、影響者は高濃度の硫化水素と、それよりは少ないながらも有意な量のメタンガスを含有する過剰な放屁をするようになります。

異常な影響により、この放屁は影響者が死亡するまで継続的に発生します (下記の研究ログを参照) 。絶食や脱水は放屁に影響を及ぼさず、内視鏡検査で異常な腸内ガスの発生源は特定されていません。

換気が不十分な場所にいる影響者は、時間が経つにつれて結膜炎、呼吸器刺激、嗅覚喪失、肺水腫などの硫化水素中毒による重篤な症状を呈し、やがて死亡します。

発見: SCP-4032は2018年4月2日に発見されました。アンソニー・グリーンという人物 (以下D-14478とする) が北カリフォルニアの山麓地帯でSCP-4032と遭遇しました。SCP-4032-1を摂取した後、彼は地元の捜索救助隊に救難信号を発し、財団の工作員に傍受されました。

SCP-4032の周辺地域は比較的孤立しており、天然資源を確保できることから、財団によって買収され、個人所有の不動産を装った研究施設が建造されました。高さ3mのフェンスが敷地内に設けられており、現在のSCP-4032はサイト-67と指定されたこの施設の研究用庭園に、他の生物標本と共に収容されています。

研究ログ:

研究員: ログハリ博士
注記: サイト-67は当時まだ建造されていなかったため、D-14478はサイト-88に収容された。

日付: 2018/4/2
時刻: 18:00
D-14478が観察目的で連行され、施設外周の独房14-Bに割り当てられる。対象は高濃度の硫化水素とメタンを含む多量の腸内ガスを放出している。

日付: 2018/4/2
時刻: 23:00
D-14478は独房内における急速なガスの蓄積を訴える。独房内の換気フードが作動する。

日付: 2018/4/3
時刻: 02:00
50件以上の苦情を受けた後、整備スタッフは独房内換気フードを停止し、窓を開放する。D-14478は点滴で栄養供給を受け始める。

日付: 2018/4/5
時刻: 10:00
遠隔操作装置によるD-14478の内視鏡検査が行われる。結腸は空であり、腸内ガスの発生源は視認できない。

日付: 2018/4/6
時刻: 11:00
D-14478の容態がサイト内での生活の質に及ぼす影響についてスタッフ会議が開かれる。近隣の独房や研究室の利用者は、窓を開放できない、近場の屋外施設を利用できないなどの苦情を訴えている。移送する、終了する、治療を試みるなどの選択肢が議論される。

適切なフィルタリング設備が構築されるまで、D-14478を屋外施設に収容することが決議される。

日付: 2018/4/13
時刻: 15:00
財団エージェントがアラバマ州中央部、サイト-88近辺の大気汚染に関する環境監視団体の報告を傍受する。D-14478の容態が広範囲に影響を及ぼすことを受けて、安全検査の完了を待たずにD-14478を実験的フィルタリング独房に移送することが決議される。少数派の反対意見が留意、記録される。

日付: 2018/4/14
時刻: 01:00
D-14478が死亡しているのが発見される。検査で主要フィルターの不適切な構築と、取り付けられたセンサーの不具合が指摘される。SCP-4032-1の影響は死後に終了したことが判明する。検死報告書が倫理委員会に提出される。ログハリ博士が一時的な休職処分となる。

研究員: カーライル博士
注記: 動物実験が倫理委員会に承認された。

日付: 2018/5/1
動物種: ベンティンクニシン (Clupea bentincki)
手順: SCP-4032-1を砕き、カイアシ類とオキアミの混合物に加えて、ニシンの小群に給餌した。
結果: SCP-4032-1の摂取から15分後、ニシンの典型的な腸内ガス生成量が大幅に増大した結果、放屁を意思疎通に使用できなくなり、群れが混乱状態に陥った。

腸内ガスは採取・分析された。標準的なニシンの腸内ガスとは対照的に、採取されたガスは硫化水素とメタンを含有していたが、その濃度は人間が放出するものよりも低かった。

3時間後、ニシンは安楽死の後、処理された。検死解剖と化学分析で、SCP-4032-1の影響を示す死後証拠は得られなかった。

日付: 2018/5/2
動物種: ニワトリ (Gallus gallus domesticus)
手順: SCP-4032-1を直接与えたところ、ニワトリは摂取を拒絶した。その後、SCP-4032-1を砕き、市販のニワトリ用飼料に加えて、5羽のニワトリの集団に給餌した。
結果: SCP-4032-1の摂取から2時間後、全てのニワトリが低濃度の硫化水素とメタンガスを含有するガスを放出し始めた。

5時間後、全てのニワトリは安楽死の後、解剖された。死後分析で、ニワトリの短い腸管が膨張していると断定された。

日付: 5/4/2018
動物種: ノドチャミユビナマケモノ (Bradypus variegatus)
注記: この動物種は、通常ならば腸内ガスを吸収して肺から放出するため、放屁をしないという特筆すべき習性から選択された。
手順: SCP-4032-1を直接与えたところ、ナマケモノは摂取を拒絶した。その後、SCP-4032-1を砕き、木の葉の混合物と共にすり潰して、1匹のナマケモノに給餌した。
結果: [編集済]

大型哺乳類での実験は全て中止された。今後の動物実験には倫理委員会の承認が求められる。

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