アイテム番号: SCP-4032-JP
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル: SCP-4032-JPは予期せぬ回転を防止するため、専用のケースに格納された状態でサイト81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されます。実験にはレベル2セキュリティクリアランスを保有する担当職員1名の許可が必要です。
SCP-4032-JPは現在、地表から約3,600km以深の外核領域に位置していると推定されています。現在の技術水準では物理的収容は不可能であるため、収容は情報の隠蔽、および環境モニタリングに重点を置きます。全世界の地震観測ネットワークを活用し、オブジェクトの移動やそれに伴う異常な震動波を24時間体制で監視してください。
オブジェクトの回収、あるいは直接的な干渉を伴う実験の提案は、プロジェクト主任である麻木博士の承認を必要とします。
説明: SCP-4032-JPは一辺が1.3cmのポリレジン製の6面ダイスです。外見的特徴として、一般的なダイスに見られる目(Pip)ではなく、算用数字が刻印されている点が挙げられます。この特徴は後述する異常性による形状変化後も維持され、変化後の面数によっては肉眼での判読が困難な大きさまで縮小されます。
標準的な物理的加害実験(加熱、圧損、切削)に対して完全な耐性を示します。これは後に発生した事案4032-01において、超高温・超高圧環境下でもオブジェクトが構造を維持し続けていることの論理的根拠となっています。
SCP-4032-JPの主な異常性は、投擲の直前に4以上の整数を想起してから振る事で、想起した数字と同じ面数のダイスに変化する点です。実験においては、思考のノイズを排除し入力を確定させるため、指定された数値(あるいは算式)を記載した書面の黙読が標準手順として採用されています。この時、「5」や「7」といった、幾何学的に正多面体を構成し得ない整数を想起した場合でも、全ての面の出現確率が等しくなるような形状に変化します。このような非定型的な面数における確率の均等性は、レーザー測量による各面の立体角計算によって証明されています。
また、SCP-4032-JPが形状変化する様子をハイスピードカメラで観察する実験においては、変形プロセス中に不明瞭なノイズがSCP-4032-JP全体を覆う事で中間状態は観測できず、空間的な不連続性を伴う置換、あるいは再構成が行われていると推測されています。これらの一連の変形プロセスが完了するまでに要する時間は0.0001秒以下です。
その他には、SCP-4032-JPには極めて高度な計算能力が備わっている事が示唆されています。(詳細は実験記録4032-04及び05を参照)
実験記録4032-01 - 日付20██/██/█
対象: SCP-4032-JP
実験方法: 遠隔操作ロボットアームを用いて、整数「12」を想起しながら対象を机上に投擲する。
実験結果: 対象は正十二面体に変化した。
分析: 必ずしも手に持って振る必要は無いようだ。投擲されるタイミングと、数字を想起されるタイミングが一致する事が重要であると思われる。-蓮田研究員
実験記録4032-02 - 日付20██/██/█
対象: SCP-4032-JP
実験方法: 「3、0、-4、8.5」をそれぞれ想起しながら対象を机上に投擲する。
実験結果: いずれの数においても、対象は変化しなかった。
分析: やはり4以上の整数でなければ変化は発生しないようだ。-蓮田研究員
実験記録4032-03- 日付20██/██/█
対象: SCP-4032-JP
実験方法: 整数「24」を想起しながら、低反発マット上に3cmの高さから自由落下させる。
実験結果: 対象は変化しなかった。
分析: 形状変化を発生させるには十分に転がす必要があるようだ。-蓮田研究員
実験記録4032-04- 日付20██/██/█
対象: SCP-4032-JP
実験方法: 計算式「72-6×4」を想起しながら対象を机上に投擲する。
実験結果: 対象は48面体に変化した。
分析: この実験により、SCP-4032-JPに計算能力がある事が判明した。恐らくは、答えが4以上の整数となる計算式であれば、変化が発生すると思われる。次の実験では計算能力の限界を調査予定。-蓮田研究員
実験記録4032-05 - 日付20██/██/█
対象: SCP-4032-JP
実験方法: ラムゼー数R(5,5)1を想起しながら対象を机上に投擲する。
実験結果: 対象は[データ削除済み]面体に変化した。
分析: この結果は、数十年来の未解決問題であった R(5,5) が [データ削除済み] であることを確定させた。SCP-4032-JPが持つ計算能力は、現在の人類が持つそれを凌駕する事を示した。次の実験ではさらに難解な問題を用いる予定。-蓮田研究員
追記: 本実験により得られた数値の口外、および論文への引用、また、その他未解決問題を解決するためにSCP-4032-JPを利用する行為は、オブジェクトの存在を外部へ示唆する事に繋がる。よってこれらは収容違反を誘発する行為として固く禁止する。—— O5-█



