アイテム番号: SCP-404
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-404は書類保管庫の区画アルファ-1に保管してください。区画アルファ-1からSCP-404を持ち出した者は終了されます。
説明: SCP-404は2枚一組の大型のマニラ封筒で、その一方は表面に何枚かのページが付属しています。各ページには氏名/日付/時刻/番号を記入するための表が印刷されており、既知の、あるいは未知の氏名による記入が複数なされています。インクの年代は1833年(±10年)、ページの年代は1834年(±10年)と測定されました。表には、元書類保管庫管理者の████████(日付████/██/██)や███(日付████/██/██)、██████████(日付████/██/██)のものを含む多くの署名が書き込まれています。また、全ての署名に整理番号が付されています。全てのページが記入済みになると追加のページが出現するようになっており、現在、署名の数は1000を超えています。ページ数を数えることは、後述する封筒の内容物と同様に不可能であることが示されています。
SCP-404の内部には8×10インチの写真が何枚か入っています。写真の正確な枚数を数える試みは現在のところ失敗しています。写真の総数を数えようと試みた場合、少なくとも2回は数え間違いを犯し、最初から数え直さなくてはならなくなります。2人以上の人物で数えようと試みた場合、最終的には写真が何枚だったかについて討論を始め、最初から数え直すことになります。機械化された方法を用いて枚数を数えた場合、故障するか、失敗するか、フリーズするか、あるいは飛ばして数えてしまい、数え直しが必要となります。
第一の封筒(SCP-404-A)を手に取り、中に手を入れると、封筒から1枚の写真を取り出すことができます。この写真は取り出された時点では必ず白紙で、その状態は5秒間続きます。取り出した人物が5秒以上写真に触れ続けた場合、ポラロイドの現像と同じように画像が浮かび上がります。これは写真を持っている人物の過去にまつわる出来事が写った鮮明な画像で、現在のところ全ての場合で、写真を持っている人物は即座にそのことに気づきました。
ひとたび写真が「現像」されると、いかなる努力を以てしてもSCP-404-Aに入れ直すことはできません。この画像は第二の封筒(SCP-404-B)にぴったり入ります。現像されていない写真はSCP-404-Bに入りません。現像済みの写真がSCP-404-Bの中に入った後、封筒の表面に付属しているページに氏名、日付、時刻、昇順の番号がひとりでに上書きされます。誰かがSCP-404-Bを手に取ると、自身の名前のある行がどのページに含まれているかを即座に知覚しますが、番号を知ることはできないようです。人物が番号を確認するか、あらかじめ番号を知っていた場合、該当する写真を数秒間探した後にSCP-404-Bから取り出すことができます。
SCP-404-Bの最も不可思議な特徴は、対象が封筒の前から1時間以上離れていた場合、対象は写真に写った記憶を忘却し、更に封筒を使用したことも忘却するということです。この効果は対象がSCP-404-Aまたは-Bの前に戻るまで続き、その時点で対象は封筒を使用した記憶を回復しますが、写真に写った出来事については写真を再び見るまで思い出しません。SCP-404-Aまたは-Bの実験を監督したものの封筒に直接触れてはいない研究員は、実験や画像について、本来の記憶力の許す範囲で思い出すことができます。
記録 #404-1: ████/██/██: 対象はSCP-404-Aから5枚の写真を取り出すよう指示されたDクラス職員です。
1枚目の写真には、タイヤのブランコに乗って後ろから押されている少女が写っている。対象は、少女は6歳のときの対象の妹だと証言。
2枚目の写真にも同じ少女が写っているが、年を取っており、裸で、寝室のような場所でベッドに横たわって微笑んでおり、撮影者に向かって人差し指を立てて前後に振っている1。対象は、少女を妹だと改めて証言し、苦痛を訴えた。
3枚目の写真にも同じ少女が写っている。更に年を取っており、高校の卒業式の服装で、同年代の男性の肩を抱いている。対象は、少女を妹だと改めて証言した上で、少年は妹のボーイフレンドだと証言。対象は動揺した様子で、もう2枚の写真を取り出す他ないと納得するまで実験継続を渋った。
4枚目の写真には、道路から半分はみ出た自動車が写っている。窓は全て割れており、運転席のドアが開いている。運転席には前の写真に写っていた少年がいる。年齢は前の写真と変わらないように見える。少年は首に大きな切り傷があり、身体にも多くの傷がある。対象は、少年は前の写真の少年と同じ人物だと証言。
5枚目の写真は葬式のような風景で、前の写真に写っていた少女にピントが合っている。少女は黒い喪服を身に着け、憎しみを露わにしている。対象は、少女を妹だと改めて証言。
全ての写真はSCP-404-Aに再び入れることができず、SCP-404-Bに入れられました。対象の氏名、現在日時、番号が直ちにSCP-404-Bの一番上の用紙に出現しました。
実験終了後、対象に実験室を出ることを許可し、写真について質問を行いました。約1時間経過後、対象は写真についての質問に一切答えられなくなり、その日の実験に参加していたことを否定しました。対象は実験室内にいた時間について説明することができず、妹とともに誰かの葬式に参加したことはないとも主張しました。1時間が経過するまでは対象は写真に写った出来事についての全ての質問に進んで答えており、記憶喪失はSCP-404-Aおよび-Bの影響によるものと考えられます。
記録 #404-2: ████/██/██: 対象は最近に人間関係の大きな破綻を経験した███████博士です。彼女は実験への参加を自ら志願し、予想される結果についての説明を受けていました。
1枚目の写真には、オーバーオール姿で自動車に寄りかかる、油しみだらけの若い男の画像が現像される。対象は、男は以前のボーイフレンドであり、機械が好きだったと証言。
2枚目の写真にも同じ男が写っている。男は激怒していて今にも撮影者に殴り掛かりそうに見える。対象は、男は以前のボーイフレンドだと改めて証言した上で、写真の出来事が彼女らの別れる原因のひとつであったと証言。
3枚目の写真にも同じ男が写っている。場所は遊園地のようで、撮影者と隣り合ってジェットコースターに乗っている。対象は、これは彼女らの初めてのデートであると証言。
4枚目の写真は完全に白紙である。通常なら写真が現像される時間の2倍の時間が過ぎても変化はない。他の写真がSCP-404-Bにしか入れられず、SCP-404-Bのページに対象の氏名および3通りの時刻、番号が記載された一方で、4枚目の写真はSCP-404-Aに抵抗なく戻すことができる。
4枚目の写真を取り出した後、対象を解放し、3時間後にボーイフレンドとの交際関係の状態について質問を行いました。対象はそのような人物は知らないと主張し、実験に参加したことも否定しました。対象は空白の時間について説明できませんでしたが、そのことに違和感を覚えてはいないようでした。
記録 #404-3: ████/██/██: この実験の対象は████████博士です。████████博士は無作為に指名され、予想される最終結果を伝えられていません。
1枚目の写真は一人称視点で、水彩の肖像画を描いている。画家の手が写っており、████████博士は、これは4歳の時の彼女自身だと証言。
2枚目の写真には微笑んだ年輩の男が写っており、写真の視点から、撮影者が空中に抱え上げられて男を見下ろしていることがわかる。████████博士は、これは約1年半前に亡くなった彼女の祖父であると証言。
3枚目の写真は、████████博士を落ち着かせるための小休止の後に取り出された。3枚目の写真は葬式の場面で、視点は再び背の低い人物のものである。████████博士は、これは祖父の葬式であると証言。墓石の上に再び年輩の男がおり、ピントは墓石に合っている。男の周囲の環境が明瞭に映っているのに比べて、男はややぼやけている。加えて、男は半透明で、その透過度は推定15%である。これは男の存在が正真正銘の怪奇現象であるか、あるいは男が見る者の心の中にのみ存在することを示していると考えられる。
████████博士が3枚目の写真のコピーを要求したため、写真のデジタルコピーが問題なく作製されました。原本はSCP-404-Bに収められ、コピーは████████博士のオフィスにて額に入れて飾られています。
記録 #404-4: ████/██/██: この実験の対象は、過去2年間共に働いている█████博士と███████博士です。2人は1年以上同じ研究に従事した職員の組合せの中から無作為に指名されました。
█████博士がSCP-404-Aから1枚目の写真を取り出す。現像された写真には、ベッドに乗った30代半ばの裸の女が写っている。撮影者の視点からは、女は[データ削除済]中の体勢であるように見える。███████博士は、女が彼の妻であると確認。█████博士は、███████博士が写真の女と同じ人物の写真を財布から取り出すまで、これに反論を試みた。興奮する両者の間に警備員が割って入り、個人的問題の解決は後回しにして実験を続行するよう指示。
███████博士がSCP-404-Aから2枚目の写真を取り出す。留意点として、███████博士は前の写真が原因で█████博士に対する敵意を露わにしていた。███████博士が取り出した写真には若い少女が浮かび上がる。撮影者の視点からは、少女は[データ削除済]中の体勢であるように見える。少女は█████博士の[データ削除済]歳の娘だと確認された。室内は再び張りつめた空気となり、再び担当警備員が入室した。写真の性質を考慮し、もう2枚だけ(両者1枚ずつ)取り出すことが要求された。
█████博士がSCP-404-Aから3枚目の写真を取り出す。写真には2枚目と同じ少女が、再び裸で、別の体勢で写っている。█████博士は渋りながらも、少女は確かに自分の娘であると証言。両博士はこの出来事からは落ち着いたが、極めて居心地の悪そうな様子で、実験の終了を繰り返し要求。
███████博士がSCP-404-Aから、この実験で最後の写真を取り出す。現像された写真にはイブニングドレスを着た█████博士が写っている。
実験は管理職員によって直ちに終了され、両博士には実験結果が確認できるまで監視が付けられます。1日の猶予を置いた後、前日の実験の結果についてそれぞれに問い質しました。2人とも、実験に参加したことも、お互いの問題行動についても、写真から判明した問題についても憶えていないと主張しました。写真は全てSCP-404-Bに収められ、両博士は今後のSCP-404への接触を制限されました。両博士に対する観察を継続したところ、実験以降、生産性が6%向上しました。このことが、実験中に明らかになった記憶を失ったことと関係があるのかどうかははっきりしていません。
記録 #404-5: ████/██/██: この実験の対象は、SCP-███の実験中に終了されたDクラス職員です。SCP-404-Aから写真を取り出すために遺体は医療機器で接続され、2人の職員によって操作されます。
1枚目の写真には、静止したSCP-███が浮かび上がる。SCP-███の実験開始時の対象の視点だと考えられる。
2枚目の写真には、眼前にまで迫ったSCP-███が浮かび上がる。写真の性質から言って、これは対象が終了された瞬間だと考えられる。まるで片目だけで見ているかのように、写真の右側が黒一色になっている。
3枚目の写真には、[データ削除済]が浮かび上がる。写真を見たことにより対象の遺体を操作する職員が激昂したため実験は直ちに中止。状況を制圧するため警備員が入室。入室した警備員1人が職員と同じ状態となり、元々の実験参加者を拘束している別の警備員のほうへ向きなおる。増援の武装した職員が入室し、これ以上の職員が写真を見ないよう、現像された写真に覆いを被せる。
この実験中の出来事以来、死亡した対象をSCP-404に曝露することは厳重に禁止されています。実験に巻き込まれた職員は独居房に拘禁し、48時間後、心理学的評価を行った上で解放しました。記憶処理の利用を希望した職員に対しては、利用を承認しました。この実験において作製された写真はSCP-404-Bには収めず、█████████博士によって隔離され、最高クリアランスの職員以外の接触は禁じられます。