SCP-4054
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図 1.1: セブンス・ドアのパッケージ図。

アイテム番号: SCP-4054

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4054を作動させるために調整された3台のNES1コンソールが実験目的で保管されます。SCP-4054は現地の安全ロッカーに保存されます。アクセスはレベル-3以上の職員に制限されています。

フリーマーケット、ガレージセールならびに財産オークションにおける異常な活動を監視する財団エージェントは、SCP-4054の存在をあらかじめ伝えられます。SCP-4054であると疑われるあらゆるNESカートリッジは、調査のために購入されます。

財団運営bot(I/O-SAURON)は、オンラインゲームコミュニティのSCP-4054に関する会話を監視します。機動部隊ミュー-4 (“デバッガ―”) と機動部隊ガンマ-5 (“燻製ニシンの虚偽”) の合隊指令が、これらの会話の調査と参加者がSCP-4054に気が付いているかどうかを判断するために下されます。

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図 1.2: タイトル画面。

全ての実例は回収され、SCP-4054の存在を出任せあるいは都市伝説にするよう評判操作が行われます。あらゆるSCP-4054のスクリーンショットまたはビデオ映像は除去、もしくは前述のカバーストーリーを更に永続させるために修正された画像に置き換えられます。

説明: SCP-4054は1988年にニンテンドーエンターテインメントシステムに向けて発売された未認可のプラットフォームアドベンチャーゲーム、“セブンス・ドア”です。それぞれのカートリッジの内容は、そのROM (read-only memoly) チップのストレージ上限を遥かに超過しています。SCP-4054のプログラムROMの抽出は、現在利用可能な如何なる電子デバイスにおいても保管できないほどに大きいデータファイルを生成します。

その限定販売数 (300個) と複製できない性質、リプレイ制限、そして未完成な状態のために、ヴィンテージNES収集家らによってセブンス・ドアの動作するソフトウェアは高い価値を付けられています。またこのゲームは、北アメリカ版の10NESロックシステム2を回避するその特徴的な方法においても注目されています。

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図 1.3: レベル 5 (カタコンベ)。

それぞれのカートリッジは、電圧インバータとして機能するトランジスタを2つ含みます。起動したとき、このパーツは初期コンソールのCIC3を一時的に動作不能にし、認証ロックを回避して未認可のカートリッジの動作を可能にする負電荷の電圧を発生させます。NESののちの反復はダイオードとアースを含む1kの抵抗器の系列を、ロックアウト装置を迂回することから前述の方法を防ぐために追加します。

しかしながらこの電圧インバータの設計における欠陥は、セブンス・ドアのSRAM4にそれぞれの連続的なリセットを伴う修復不可能な損傷を引き起こします。これは必然的にカートリッジを機能不全にする、数の増加する誤った電気信号を生成します。

セブンス・ドアは完成する前に出荷されました。結果として、ゲームプレイにおけるいくつかの中心的構成要素がその説明書とパッケージに描かれているものに相違しています:

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図 1.4: レベル 7 (埋没都市)。いくつかのスプライトとタイルの読み込みを正確に行えていないことに注目。

  • 主人公が残機を持っていません - 死亡した際、全ての進行が失われます。カートリッジはリセットされます。
  • 説明書に記載された全てのパワーアップアイテムが1つを除き存在しません (“栄光の手”5 - 10秒の間モンスターと足場の動きを妨害します)。
  • 全てのモンスターが存在しません。
  • 穴への落下では主人公は死亡しません。代わりに主人公は画面外を落下し続け、ゲームオーバーの音がループ再生します。
  • メモリのオーバーフローによるエラーが、周期的にスプライトの不正確な読み込みを引き起こします。
  • 囚人たちが、彼らのものの代わりに主人公のスプライトを使用します。
  • ドアを解錠したのち、囚人たちが別の鍵の在り処に関するヒントを与えません (テキストボックスは空です)。
  • 主人公がランダムと思われる間隔で死亡します (典型的には何もせずに留まっていた時間の後です)。これはゲームをポーズしていたかいないかに関係なく発生します。
  • 現在まで、研究者らはレベル7 (説明書では最終レベルであり、第七の鍵の在り処と説明されています) 以降に数百個のレベルを見つけています。これらのステージは地下聖堂、監獄、廃工場、人のいない地下都市からなる広大なネットワークで構成されています。レベル7以降の追加レベルの正確な数は未だ確定していませんが、カートリッジのROMチップのストレージ容量を遥かに超過しています。
  • レベル7に第七の鍵がありません。

補遺4054.1: ビデオ配信

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図 1.5: ユーザーinky49のビデオ配信から撮られた一場面。

2004年、チャールズ・ロジャーズ (アマチュアのNESカートリッジ収集家) がwww.opening-the-seventh-door.int(セブンス・ドアのための現存しないオンラインフォーラム)に、“inky49”というユーザーネームでスレッドを投稿しました。そこで彼は、NESの“ゲームジニー”6を用いて、主人公の持つ鍵の数を指す値を直接的に「7」に設定することを提案しました。

数日後ロジャーズ氏は、前述の方法を用いてセブンス・ドアの攻略を試みようとした際のオンラインビデオ配信のリンクを投稿しました。彼の放送の途中において、ビデオは突然停止しました。追跡調査により、ロジャーズ氏が行方不明になっていると結論付けられました - 彼のNESコンソール7内の、ロジャーズ氏の左手から剥がれたいくつかの爪の発見から、当局は事件に巻き込まれた可能性を疑っています。

現在まで、SCP-4054は25名の失踪に関与しています。このことについての調査は継続中です。

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