アイテム番号: SCP-4060-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-4060-JPはサイト-81██の標準収用房に収容されています。食事にはカレーを出してください。SCP-4060-JPは終了しました。詳細は追記を参照してください。
説明: SCP-4060-JPは「カレーに憧れている」と自称する、高度に発達したカレイ(Pleuronectidae)です。SCP-4060-JPは、一般的なカレイから逸脱した未知の体内組織を有しており、地上での活動が可能です。また、高度な知能及び発話能力を保持しています。外見に関して、非異常の個体との差異は確認されません。
SCP-4060-JPは、千葉県██市のカレー店に入店したところを偶然同店で飲食を行なっていたエージェント・夏嶺が収容しました。目撃者には記憶処理が実施されました。
以下、SCP-4060-JPに対するインタビュー記録です。
日時: 2026/4/1
インタビュアー: エージェント・夏嶺
対象: SCP-4060-JP
<記録開始>
エージェント・夏嶺: これからインタビューを始めます。ではまず、何故あなたは他の魚類とは異なった体内組織を持っているのでしょうか?
SCP-4060-JP: えーっとまず、僕はこの前まで海の中にいたんです。普段は暗い海の底でじっとしていて、食べ物が来たらバッと動いて食べるんです。そういう生き方をずーっとしていました。
SCP-4060-JP: でもある時、僕の仲間が言ったんです。陸の方には美味しい物や楽しい事が沢山ある、僕たちが知らないだけで世界はもっと広いって。
SCP-4060-JP: そういう事を聞いて、僕ワクワクしたんです。陸に上がって、美味しい物や楽しい事をして、新しい僕に成りたいって思ったんです。
SCP-4060-JP: そしたら、なんか、こうなりました。
エージェント・夏嶺: ……成程、ありがとうございます。それでは二つ目の質問です。あなたは何故カレー店に入ったのですか?単純な興味でしょうか?
SCP-4060-JP: 僕、カレーに憧れているんです。
エージェント・夏嶺: ……はい?
SCP-4060-JP: 陸に上がってすぐの頃、人間達からコソコソ隠れていた時、カレーの話を聞いたんです。アツアツで辛くて、野菜やお肉が入ってるらしいんです。スパイスがどうたらこうたら、具材のあれやこれや、カレーは愛なり人の心なり等、ただの食べ物一つですっごく熱く語っていたんです。
SCP-4060-JP: 感動しました。今まで海の底でコソコソしていただけの僕は、彼らの心をそれほどまでに惹きつけていた「カレー」というものにとても興味を持ったんです。自分が被捕食者なのにも関わらず堂々としていて、むしろ捕食者を幸せにしている姿に憧れました。
SCP-4060-JP: それに、名前も僕と似ているんです。これはもう運命なんです!
エージェント・夏嶺: 成程、だから憧れのカレーを食べてみるべくカレー店に入ったのですね。
SCP-4060-JP: はい、あの時はあなたに収容されてカレーを食べられなかったですが、さっきやっと職員さんが食べさせてくれました。
エージェント・夏嶺: どうでしたか?念願のカレーは。
SCP-4060-JP: とても美味しかったです!
エージェント・夏嶺: それは何よりです。
<記録終了>
SCP-4060-JPの体内組織の詳細は未だ不明であり、研究が進められています。
2026/10/29 追記: サイト-81██において、SCP-████-JPによる破壊活動(以下、インシデント████-JP)によってSCP-4060-JPを含む大規模な収容違反が発生しました。
インシデント████-JP直後、財団はその対応に大半の人員を割いていたため、早期のSCP-4060-JP収容は困難でした。
収容違反後、SCP-4060-JPはサイト-81██周辺の住宅街内にあるカレー店に入店しました。インシデント████-JP終了後にエージェントが店内を確認したところ、SCP-4060-JPが物理的な手段によって終了していることが確認されました。SCP-4060-JPの遺骸は回収されました。
以下、店内の監視カメラの映像記録です。
<記録開始>
[SCP-4060-JPが入店する]
店主: いらっしゃいませ〜。
[店主がSCP-4060-JPを見る]
店主: ……ヒラメ?
SCP-4060-JP: カレイです。
店主: おっと!これは失礼。最近は魚もカレー食べるんだね。
SCP-4060-JP: ……僕を見ても驚かないんですね。ヒラメが喋ってるんですよ?
店主: 何年もカレー作ってるからね。カレー作りは魔法みたいなものだから不思議なことには慣れてるよ。
SCP-4060-JP: ……やっぱりカレーってすごいんですね。
店主: そだよ。
[SCP-4060-JPが店内の席に座る]
店主: で、ご注文は?
SCP-4060-JP: 店主さん。僕、一つ頼みたいことがあるんです。
店主: どしたの?
SCP-4060-JP: 僕を料理してください!お願いします。ずっとずっと憧れだったんです。
店主: ……いいの?君、死んじゃうよ?
SCP-4060-JP: カレーに包まれて死ねるなら本望です。
店主: ……分かったよ。準備してくるからちょっと待っててね。
SCP-4060-JP: ありがとうございます!
[店主がキッチンに入る]
SCP-4060-JP: シーフードカレーになれるなんて僕は幸せ者だ……。僕はお皿の上で堂々と果てるんだ。陸に上がって、良かった。
[店主がキッチンから出てくる]
店主: おまたせ。さぁ、行こうか。
SCP-4060-JP: はい!
[店主がSCP-4060-JPを持ってキッチンに入る]
[調理音が記録される]
[約20分後、調理音が終了したことからSCP-4060-JPの料理が完成したと見られる]
[約3分後、エージェント・夏嶺がカレー店に到着する]
エージェント・夏嶺: すいません、ここら辺でカレイを見ませんでしたか?
店主: はいはいあれね。ちょうど良かったね。もう料理出来たよ。
[店主がキッチンに入る]
エージェント・夏嶺: えっ、料理ってどういう……。
[店主が調理されたSCP-4060-JPを持ってキッチンから出てくる]
エージェント・夏嶺: これって……。
店主: はいどうぞ、カレイのムニエルだよ。
エージェント・夏嶺: [絶句]
店主: 隠し味にカレー粉をまぶしてるからね、美味しいよ。
エージェント・夏嶺: あの……。
店主: どしたの?食べないの?
エージェント・夏嶺: 何故ムニエルなんでしょうか。シーフードカレーの方が彼は幸せだと思うのですが……。
店主: あー、僕の故郷だと魚はカレーに入れないんだよね。北インドの内陸の方だから。でも美味しいからさ、食べてよ。
<記録終了>
カレー店の店主の異常な言動から、SCP-4060-JPが何らかの認識災害を保有していたと予想されましたが、店主の精神診断を行ったところ異常な点は認められませんでした。
SCP-4060-JPの終了自体はSCP-4060-JP自身が希望したことであったため、当事案は事故として処理され、オブジェクトクラスはEuclidからNeutralizedへと変更されました。また、店主は記憶処理の後、解放されました。



