SCP-4080-JP
評価: +57+x
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ダンカン・キャンベル氏。

アイテム番号: SCP-4080-JP

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-4080-JP中に大規模な爆破テロ事件が発生したとする偽情報キャンペーンが実行されています。偽情報の信憑性を高めるため、SCP-4080-JPによる失踪者の過半数はSCP-4080-JPと無関係な死因に関連付けられます。

SCP-4080-JPの発生地点であるセント・ミレン・パークは財団の管轄下に置かれます。SCP-4080-JP後、スタジアムから回収された物品は低危険度物品収容ロッカーに保管されます。

説明: SCP-4080-JPは1976年9月23日にセント・ミレン・パーク(St Mirren Park)で行われた、UEFAチャレンジカップ1回戦のSVオスナブリュック(SV Osnabrück)対ペイズリーFC(Paisley Football Club)の試合です。この試合において、ペイズリーFCの得点に結びつく複数の異常現象が発生し、結果として選手26人、スタジアム職員78人、クラブ職員13人、実況者2名、そして観客4300~4500人の失踪を招きました。

1976年時点でペイズリーFCは主に慢性的な財政難により、グラスゴー・ユナイテッドFC(Glasgow United Football Club)との合併と、それに伴う本拠地のグラスゴーへの移転が計画されており、本大会はペイズリーFCが合併前に出場可能な最後の国際大会でした。チーム内には合併を肯定的に受容していない選手も一定数所属し、特に当時センターフォワードであったダンカン・キャンベル氏はこの決断に強い拒否反応を示して、合併後にはチームを脱退することを宣言していました。チーム内関係者の証言より、キャンベル氏は監督に対し国際大会の結果に応じて合併を取りやめるよう打診していたことが判明していますが、詳細な内容は特定できていません。

試合当日、セント・ミレン・パークの設備チェック時に、ペイズリーFCのクラブ職員は設備各所に不自然な水分付着を多数確認しました。特に手動パネル式のスコアボードは表面に水滴が認められるほど激しく濡れた状態でした。これらの水分は微弱な異臭を発生させており、出入り口(ゲート6とゲート9)付近に設置されたゴミ箱からは同様の匂いを発する乾いた紫色のミシン糸が大量に発見されました。また、SVオスナブリュックの選手であるダーニエール・ノイマン氏は自チームに用意されたロッカーの中に柄の部分が湿っているナイフを発見し、ペイズリーFCからの脅迫であるとしてレフェリーへの申し立てを行いました。これらの事案は清掃員の置き忘れや以前の試合の残置物として処理され、試合は予定通り開始されました。

SCP-4080-JP中、セント・ミレン・パーク内の情報は自己隠蔽性を有していたと考えられ、スタジアム外からの音漏れやローカルラジオの放送からは異常性を含まない一般的な試合展開が観測されていました。試合終了後、欧州サッカー連盟によって極めて大きな数値を含む公的スコアが発表され、財団は初めて異常を検出しました。

以下は録画映像をもとに作成した試合の時系列表です。概要に記載された得点はスコアボードを参照した数値であることに留意してください。

試合時間 概要
00:00~19:04 試合開始。序盤からキャンベル氏の激しいプレッシングによりペイズリーFCが主導権を握り続けるものの、決定的なチャンスを掴めず、先制点を得ることができない。キャンベル氏は明らかに焦燥しており、試合展開が停滞するにつれて少しずつ動きも鈍くなっている。
19:04~19:23 主導権はSVオスナブリュックに移り、そのままルーカス・シュナイダー氏がセンタリングを押し込んで先制点を得る。得点が確定した瞬間、キャンベル氏はペイズリーFCのインサイドフォワードであるカラム・フレイザー氏に耳打ちで何かを伝えた後、無言で頷くような素振りを見せて、センターサークルに向かって走り出す。フレイザー氏は特に反応を示さない。0-1。
19:23~19:27 キャンベル氏はセンターマークに到達すると、四肢を開いて仰向けに横たわり、口を大きく開け続ける。実況者は当該行動に対する戸惑いを表明し、観客からは限定的なざわめきが発生している。次のキックオフに備え自陣へと戻るSVオスナブリュックの選手とは対照的に、ペイズリーFCの選手は全員、その場に立ち止まってキャンベル氏の方向に顔を向けている。
19:30~19:56 キャンベル氏がスタジアムに響き渡るほどの声量で "tank" と発言すると、キャンベル氏の腹部が急激に大きく膨張する。頸部は延伸され、その過程で頭部は頸部の中に埋め込まれる。スタジアム全体から聞こえる悲鳴に混じり、フレイザー氏はキャンベル氏に向かって "tank" と繰り返し叫んでいる。球状に膨らんだ腹部が直径10mほどに達した時点で、キャンベル氏の身体は黒く変色しながら溶解し、戦車の形状へと変容していく。延伸された頸部が大砲に酷似した形状に変容すると、当時のイギリスにおける主力戦車であったチーフテン(FV 4201 Chieftain)と視覚的な区別がつかなくなる(以後、キャンベル氏から変容した物体をSCP-4080-JP-1と呼称する)。
20:01~20:05 SCP-4080-JP-1の主砲から、SVオスナブリュックのゴールに向かって白い球が発射される。この球はゴールに到達するまで緩やかに膨張し、最終的に直径20cmほどの一般的なサッカーボールと同じ大きさになる。球がゴールラインを超えた瞬間、スコアボードがひとりでに捲れる。1-1。
20:05~24:48 何人かの警備員やクラブ職員がグラウンドに立ち入り、選手に対して情報共有を行おうとしている。スタジアム全体に強い動揺が広がる中、外部へ向かおうとした観客のグループは出入り口に"大量の煙による見えない壁"があり、脱出できないことを発見する。ペイズリーFCの選手は静止してSCP-4080-JP-1を見つめたまま、外部からの刺激に反応を示さない。SCP-4080-JP-1は6秒ほどの時間間隔をもって球を発射し続けている。8-1。
24:48~25:10 SVオスナブリュックの選手であるトビーアス・ベッカー氏は、グラウンドまで進入してきた観客との口論の末、SCP-4080-JP-1に接近する。ベッカー氏はSCP-4080-JP-1に触れると瞬時に液化し、そのままSCP-4080-JP-1の車体に吸引される。観客の悲鳴とどよめきはより一層激しくなり、いくつかの区画からは怒鳴り声が聞こえる。 SCP-4080-JP-1の球を発射する時間間隔が4秒ほどに変化している。57-5。
27:45~29:33 十数人ほどの観客がペイズリーFCの選手を強引にSCP-4080-JP-1に接触させ始める。ペイズリーFCの選手は一切抵抗する素振りを見せずにSCP-4080-JP-1へと吸引されていく。6人の観客と2人の警備員を巻き込みながら、ペイズリーFCの選手は全員SCP-4080-JP-1と接触する。球を発射する時間間隔は0.6秒ほど。211-91
30:56~31:46 ペイズリーFCの監督であるイアン・マクドゥーガル氏が、観客とSVオスナブリュックの選手によりグラウンドまで引きずり出される。マクドゥーガル氏は激しく抵抗し、SCP-4080-JP-1への関与を強く否定している。持ち上げられたマクドゥーガル氏はセンターマークに投げ込まれ、頭部からSCP-4080-JP-1に接触すると、絶叫と共に身体を延伸させて黒い鞭のような形状に変容する(以後、マクドゥーガル氏から変容した物体をSCP-4080-JP-2と呼称する)。SCP-4080-JP-2は延伸と短縮を繰り返しながら周囲の人物に絡みつき、SCP-4080-JP-1へと接触させていく。観客の大半は外部へ逃げようとするが、出入り口から発生した煙は観客席に漏れ出し始めており、移動できる空間は徐々に狭くなっている。470-12。
31:46~48:03 SCP-4080-JP-2によるSCP-4080-JP-1への接触活動が続く。SCP-4080-JP-2は接触活動の合間に、SCP-4080-JP-1から発射された球を自身の先端に絡みつけた状態でSVオスナブリュックのゴールに近づけ、ゴールラインを高速で往復させて繰り返し跨がせている。ゴールの枠外から枠内へと跨ぐ際に、スコアボードの数値は増えているように見える。SCP-4080-JP-2はグラウンドと観客席にいる1000人ほどの人物をSCP-4080-JP-1に吸引させる。21255-27。
48:03~58:42 殆どの人物がスタンド裏へと避難したタイミングで、SCP-4080-JP-2の接触活動が収まる。SCP-4080-JP-2は発射された球をゴールラインに繰り返し跨がせることを継続して実施している。跨がせる速度は当初と比べて飛躍的に上昇している。27409-27。
58:42~83:14 スタンド裏にまで煙が到達し、人々がグラウンドへと押し出されると、SCP-4080-JP-2は接触活動を再開する。SCP-4080-JP-1は液化した人間を全て吸引せず、一部を自身の周りに残している。194266-39。
83:14~89:53 SCP-4080-JP-1、-2、発射された球、液化した人間の残りといった、異常活動によって発生した物体は突如蒸発し、スタジアム全体に広がっている煙と共にスタジアムの上空で積乱雲を形成する。積乱雲から降り出した雨は地面に衝突する直前にSVオスナブリュックのゴールへと方向を変え、以降はゴールに向かって降り始める。27677240-39。
89:53~90:00 積乱雲が地上まで降下し、センターマーク上の一点に収束すると、懐中電灯が出現する。懐中電灯はSVオスナブリュックのゴールに向かって白い光を放つ。504882848688128292249-39。
90:00 スタジアム中に笛の音が鳴り響き、スコアボードは動きを止める。
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