SCP-4084
評価: +19+x

アイテム番号: SCP-4084

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在も用いられている固定電話は全て、SCP-4084の発生について監視されます。偽情報キャンペーンを世界中で展開しており、そのキャンペーン内で当アノマリーは利用者のマイクから電話のスピーカーに音声が戻ることで発生する通常の不具合であるとしています。

加えて、固定電話の利用者は、希望の番号に電話が繋がらないと明らかになった場合には、可能な限り速やかに電話を切断するよう勧告されます。固定電話の利用者には、録音メッセージの後に聞こえる接続音は製造上よくある誤作動であり、懸念する必要はないと知らされます。

利用者が偽情報キャンペーンの勧告に従わず、SCP-4084と接続した場合、即座に財団に情報が入り、その事案の関係者全員にクラスB記憶処理剤が投与されます。SCP-4084が発生した地域は今後の異常活動について監視されます。

説明: SCP-4084は主に固定電話で発生するアノマリーであり、利用者が掛けようとしている電話番号が使われていないか、回線が切断されているか、もしくは存在しない場合に約33.2%の確率で発生します。この条件が満たされると、利用者はその固定電話の製造元が設定した、接続できなかった旨を告げる通常の録音メッセージの直後に、回線が接続されたことを示す通常の音声を聞きます。

本来ならばその電話はどの回線にも接続できないはずでずが、それにも拘らずこの現象は起こり、さらには機器が故障している場合でさえも発生します。この "空" と思われる回線に接続した利用者は、それから30秒前後と推定される時間以内に声を発さなければSCP-4084に気付きません。

通話開始から約30秒間は、この空の回線は利用者の歪んだ声を繰り返します。しかし、この時間が過ぎると、回線の相手は固定電話を介して話している人物の声を繰り返さなくなり、ひとりでに発声を始めるようになります。

この声音は利用者の歪んだ声から成り、同期を取らず、懇願するような口調で自身の所在地を尋ねるほか、利用者に回線を切断しないよう望みます。

SCP-4084-1は利用者に回線を切断しないよう強く求めますが、電話はいつでも切断でき、悪影響も残りません。 補遺4084-3を参照してください。

補遺4084-1: 以下の付随文書は、████/12/09に次席研究員のアーサー・ストラドウィック博士が実施した、SCP-4084の影響を受けた通話の記録です。

当インタビューでSCP-4084-1が呈した情報は機密保持違反であると見なされています。

補遺4084-2: ████/12/10、SCP-4084が収容違反したとの知らせが財団に届きました。

ミシシッピ州のヤロブシャ郡雑居ビルに設置された全ての固定電話が同時に鳴り始めました。電話に出ると、SCP-4084は接続できなかった旨を告げる通常の録音メッセージを再生しました。従業員が混乱から回線を接続したままにし、30秒後にSCP-4084-1に気付いたため、偽情報キャンペーンは機能しませんでした。

財団はこの一件が公衆に拡散する前に傍受でき、その場にいた全ての従業員にクラスB記憶処理剤を投与しました。ヤロブシャ郡は今後の異常活動について監視されます。

補遺4084-3: ████/12/16にストラドウィック博士が、固定電話に不合理な恐怖を感じ、SCP-4084-1の幻聴で目が覚めるために1週間も睡眠できていないと報告し、精神鑑定を受ける予定を立てました。

████/12/17に財団がヤロブシャ総合病院 兼 介護施設から入手した診療記録によれば、大勢の民間人がストラドウィック博士に似た心理的影響を報告しています。クラスE記憶処理剤の投与によってこの影響は成功裏に軽減にされ、これ以降ヤロブシャ郡での異常活動は報告されていません。

████/12/23の定期的な精神検査中に、ストラドウィック博士の宿泊部屋が放棄されていることが発覚しました。調査の結果、テープレコーダーと固定電話の存在が明らかになりました。テープを再生すると、以下の音声が聞こえてきました。

<ログ開始>

SCP-4084-1: 聞こえますか?

ストラドウィック博士: ああ、聞こえる。

SCP-4084-1: 貴方は私ですか?

ストラドウィック博士: 分からない。

SCP-4084-1: 私は貴方ですか?

ストラドウィック博士: 分からない。

SCP-4084-1: どうかこの電話を切らないで。

ストラドウィック博士: 切らない。

<ログ終了>

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。