SCP-4092
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アイテム番号: SCP-4092

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4092は標準ヒト型実体収容セルに収容されます。インシデント4092-1での出来事を踏まえ、SCP-4092は24時間体制で積極的に監視されます。

説明: SCP-4092は体毛、内臓、生殖器が全く存在しない点を除けば中年の白人男性に類似した、身長1.8 m前後のヒト型実体です。SCP-4092の全身はゴムと同様の性質を有する物質で構成されています。内部形態は完全に固形であり、体内構造を欠いています。

SCP-4092の動きは不規則であり、既存の物理学と矛盾します。SCP-4092はこれまでに複数回、身体の一部を固形物体に埋め込みました。SCP-4092は自身や物体を傷付けずにその物体から身体を外す能力を見せています。

SCP-4092は知性を有していると見られており、発話が可能です。SCP-4092は大声かつ躁的な調子で話し、その発音は顕著に舌足らずです。SCP-4092は自らの名前を一度も名乗っておらず、話しかけている対象に関係なく、自身が相手の "新しい義父" であると主張します。SCP-4092は幼児をターゲットとしているようです SCP-4092は関わる相手が誰であろうと扱いに一切差が見られず、子供と大人の区別が全くついていないように見受けられます。

SCP-4092は20██年6月17日、オハイオ州█████の州警察が、ロンダ・W████████から4歳の息子のジョナサンが失踪したとの911通報を受けて発見に至りました。派遣された警官に対してW████████夫人が証言した内容によれば、夫人は息子が通う保育園の先生との対談から帰宅したばかりであり、その先生はジョナサンが他の生徒に対して、自身の義父が "今日運転させてくれる" と話していたのを耳にしたようです。W████████夫人は離婚や夫との死別を一度も経験していないためにすぐさま疑念を抱き、ジョナサンが家に見当たらないことから誘拐されたと推測しました。W████████夫人は "義父" とされる人物に面識がなく、それ以上の詳細を供述できませんでした。

911通報から数分後に州警察官の一人が、玩具の三輪車に乗り、時速150 km超でI██州間高速道路を必死に蛇行運転する、頭のはげた男性と思しき人物を見かけました。三輪車を停めたその州警察官は、SCP-4092の膝の上に座った状態で、ハンドルバーを握りながら「家に帰りたい」と泣くジョナサン・W████████を発見しました。SCP-4092は興奮した様子で狂乱的に激しく腕を振り回し、自身が "拘束" されたのか否か回答を要求しました。SCP-4092が車で█████警察署まで送られると、地方の財団工作員が警察署と提携し、SCP-4092の身柄を確保しました。その後、全ての関係者と目撃者にはクラス-B記憶処理剤が投与されました。

インタビュー ██/7/17:

以下のインタビューは、当時FBI捜査官に扮していたジェイムソン財団エージェントの要請で、SCP-4092を拘束したのちに██████郡刑務所の尋問室で実施された。

回答者: SCP-4092

質問者: ジェイムソン財団エージェント、J████████オハイオ州警察官

前書: このインタビューは、SCP-4092の異常性の度合いと、要注意団体との潜在的な繋がりを確認するために実施された。

<ログ開始>

J████████巡査: — でよし、早速始めるぞ。あんたは何者だ?

SCP-4092: 俺はお前の新しい義父だ!

J████████巡査: ……そうか。じゃあ名前は?

[SCP-4092は数秒間沈黙した後、顔をテーブルの天板に素早く14回打ちつける。SCP-4092はこの行為による傷を負っていないように見受けられる。]

J████████巡査: ……なあ —

[SCP-4092が顔をテーブルの天板にさらにもう1回打ちつける。]

エージェント・ジェイムソン: 次の質問に行きましょう。

J████████巡査: ……それで、この報告書によると、お前がここに連れてこられたのは、玩具の三輪車に乗って州間高速道路を高速で走っていたからだそうだな。それも、行方不明の子供を抱えながら。

SCP-4092: 刑事さん、俺はその意味合いに似ているな! 小さなティミー・ジム=ジムズは自動車を運転したがってたんだ、そんで実験結果を調べりゃ、あの子の体内に不凍液はまぁーったく無いって分かるだろうよ!

エージェント・ジェイムソン: そうじゃな —

J████████巡査: お前はただ、自分から話をややこしくしてるだけなんだぞ。捜査官殿?

[J████████巡査がドアを開いて尋問室から退出する。エージェント・ジェイムソンがそれに続く。]

J████████巡査: [ため息] えー…… 失礼ながら捜査官殿、あんな奴から有益な何かが得られるとは全く思えませんね。もう明らかにシャブやってますよ。

エージェント・ジェイムソン: ……あれがこちらの案件であるのか分かりません。

J████████巡査: ではどうお思いです? PCPの線ですか?

エージェント・ジェイムソン: 私がもう少しだけ質問を試みようと考えています。

J████████警官: ご自由にどうぞ。

[エージェント・ジェイムソンとJ████████巡査が尋問室に再入室する。2人が入室する間、SCP-4092は顔をテーブルに叩きつけている。]

J████████巡査: うわっ、マジかよ……

エージェント・ジェイムソン: 君。ちょっといいか?

[エージェント・ジェイムソンがSCP-4092の対面の席に座る。一瞬の間を置いて、SCP-4092が顔をテーブルに叩きつけるのをやめ、ジェイムソンを直視する。]

エージェント・ジェイムソン: いくつか質問事項があるのだが、いいな?

[SCP-4092は沈黙している。]

エージェント・ジェイムソン: いいか? 俺たちはクールだったろ?Are we cool yet?1

[SCP-4092は沈黙している。]

エージェント・ジェイムソン: ……そうか。じゃあ…… 君の名前は、ミスター2……?

SCP-4092: 俺はお前の新しい義父だ!

エージェント・ジェイムソン: ミスター・ぎふ?

SCP-4092: バスになるってどういう感じか今まで気になったことはあるか?

エージェント・ジェイムソン: ……はぁ??

[5秒間の沈黙。その直後、SCP-4092が再び顔をテーブルに叩きつけ始める。J████████巡査がテーブルから身を乗り出し、SCP-4092の襟を掴んで顔を引っ叩く。これにより、SCP-4092の頭部が小刻みに速く揺れる。]

J████████巡査: ……なんなんだこいつ??

エージェント・ジェイムソン: もう十分だな。巡査殿。

[エージェント・ジェイムソンがドアを開け、J████████巡査とともに部屋を退出する。]

J████████巡査: どう思います?

エージェント・ジェイムソン: そちらではお手上げかと思います。ここからは我々が受け持ちましょう。

J████████警官: ええ…… きっとそうしたほうがいいでしょうな。

インシデント4092-1: 20██年5月23日、SCP-4092の収容セルの監視カメラが、これまで発見されていなかったSCP-4092の異常能力を映像に記録しました。3時22分、SCP-4092が通常のように興奮した様子でセル内をよろめき歩き、壁に激突する行動を取っていると、セルの壁の1つを完全に通り抜け、室内から消失しました。48分後、清掃員がSCP-4092の消失に気付いて直ちにサイト管理部に通報を入れ、収容サイトがロックダウンされました。

SCP-4092は同日6時31分、██マイル離れたアルトナー研究員の私室の寝室にあるクローゼットから再発見されました。SCP-4092がこの場所に到達した手段については現状不明です。SCP-4092は消失した時刻から6時31分に再発見されるまで、いかなる監視カメラ映像の記録にも映っていませんでした。

映像ログR203-Theta:

[6時30分、アルトナー研究員の寝室は無人であるように見受けられる。背後で微かなヒス音が聞き取れる。]

[6時31分、背後で鳴っていたヒス音が突如として停止する。数秒後、タオルを腰に巻いたアルトナー研究員が寝室に入る。彼がクローゼットのドアを開けると、興奮した様子で歯を見せて笑うSCP-4092が中に立っている。]

アルトナー研究員: 何だお前!

SCP-4092: ある人間は俺のことを、俺にも他人にも危険デンジャーな奴だと言う。俺は俺のことを、俺にも他人にもファンジャーな奴だと言う! よう! 俺はお前の新しい義父だ!

[SCP-4092が突如として右腕をアルトナー研究員に突き出す。アルトナー研究員は慌ててベッドに後退し、ナイトテーブルの引き出しから拳銃を取り出して、SCP-4092に向けて3回発砲する。3秒後、SCP-4092が顔面から床に叩きつけられる。アルトナー研究員は拳銃を引き出しに戻し、ナイトテーブルの上に置かれた携帯電話を取ろうと手を伸ばすが、SCP-4092が急に起立したために掴み損なう。]

SCP-4092: きっとお前の肉製親父は、朝食にピザも食わせてやらねえんだろうな! [SCP-4092の腕が4.5 m前後まで伸長し、アルトナー研究員の寝室の窓へと手を伸ばして、不明な出処から、生きた鳥と小さな金属物がトッピングされた直径40 cmのホールピザ1枚を掴み取る。]

アルトナー研究員: 出てけ!

SCP-4092: やーだねっ!

インシデント4092-1での出来事を受け、アルトナー研究員がSCP-4092の収容プロトコルの改訂を申請しました。申請は受理され、改訂版の収容プロトコルが現在承認待ちです。

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