SCP-4093
評価: +12+x

アイテム番号: SCP-4093

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 研究員10名編成のチームが、財団ウェブクローラの支援の下、オンラインやテレビ放送がSCP-4093に言及しているかを定期的に監視します。不自然に高い視聴率や注目を集めたSCP-4093関連のニュース放送は記録され、異常な人物や要注意団体が関与した可能性が調査されます。頻繁にSCP-4093と関連付けられている場所は、民間人が異常な行動パターンを示していないかどうかを毎年評価されます。

偽情報活動によって、SCP-4093は様々なアメリカ農村地域の町に住む高校生の友人・恋人同士の間で交わされる“秘密の握手”から発想を得た最近の流行だという、一般社会向けの説明を維持するものとします。

SCP-4093の国際的な発生や亜種が確認された場合、追加の支援要請が認められる場合があります。

説明: SCP-4093は、自動車の運転席から別な運転手や歩行者に合図を送る目的で使用される、一続きの異常なハンドジェスチャーです。動きの正確なパターンは確認されていませんが、現在SCP-4093に関連付けられている一連のジェスチャー1は以下の通りです。

  • 運転手が手を振り (挨拶時の手の形) 、ターゲットの注意を引き付ける
  • 運転手がバックミラー/サンバイザー/それらから吊り下げられた装飾品を調整する、もしくは車内の天井かその付近に触れる
  • 運転手が両手を上げて掌をハンドルに置き、指を約3秒間小刻みに動かす
  • 運転手が再び手を振り (“お先にどうぞ”/“進んでください”を示す手の形) 、同時に頷く
  • 運転手が“良い一日を”というフレーズの形に口を動かすか、もしくは声に出しながら、両手で交互にハンドルの上部を素早く叩く (1回叩くたびにハンドルから手を放さなければならない)
  • 運転手が手を広げて運転席側の窓 (または窓が存在すべき空間) に軽く触れ、“ハイタッチ”を真似る

地元の私道で行われた財団の試験を基に、SCP-4093の主な異常性は、合図者とターゲットの双方が信号機のない交差点で停止している状況でのみ発現すると考えられています。この条件が満たされると、以下のような結果となります。

  • (試験の85%で確認) ターゲットのコルチゾール2値が低下し、血圧が安定し、ドーパミン3値が上昇する。これらの変化はいずれも際立って不自然である反面、ターゲットの全般的な健康状態を損なわず、むしろ改善するようである。
  • (試験の60%で確認) ターゲットはSCP-4093を観察する前よりも遠距離の標識や文言を識別しやすくなる。
  • (試験の43%で確認) 煩わしい/秩序を乱すものと見做される周辺雑音へのターゲットの反応が鈍くなる。
  • (試験の7%で確認) 合図者と年齢が近いターゲットは (年齢差5歳未満) 合図者への唐突かつ不可解な親近感と仲間意識を覚える。

得られる結果は相互に排他的なものではありません。全被験者のうち、約50%は断定されている影響のうち少なくとも2つを、40%は3つを同時に経験しました。

留意すべき点として、これまで得られた結果はSCP-4093実験のために考案された非集約的な尺度に基づいており、従って包括的なデータではない可能性が非常に高くなっています。より多くの測定値を含む補足試験案は現在開発中です。

補遺 SCP-4093-1: SCP-4093の存在が最初に財団の関心を引いたのは、ワシントン州シアトルのプライベートオフィス街に設置された監視カメラによって、身元不明の運転手がSCP-4093を使用し、見たところ小型高級車と歩行者の交通事故を阻止した様子が捉えられた際のことでした。問題の高級車の運転手は非常に苛立った態度であり、更に携帯電話の使用と小さな容器からの食事を同時に試みていました。

SCP-4093を目撃した後、高級車の運転手は突然表情を変化させ、電話と食べ物の容器を脇に置き、歩行者が横断歩道を渡り終えるのを待ってから車を交差点に乗り入れました。財団職員は後日この人物にインタビューしましたが、有意義なデータは得られませんでした。

SCP-4093を行使した運転手を発見する試みは成功していません。しかしながら、財団ウェブクローラはごく短期間、複数のワシントン州住民のソーシャルメディアアカウントが“変な手遊びをしている運転手”の目撃事例に時折言及していたことを突き止めました。これらの投稿は財団所属の分析官が記録した直後に削除されたようです。投稿の消失に関する調査が進行中です。

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