アイテム番号: SCP-4125
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4125の全ての実体に対しての標準的清掃手順は免除され、サイト14内の個別の換気装置を有した収容室内に収容されなくてはなりません。SCP-4125-1実体が現れた場合、常に収容室に衣服、洗浄されていない食器や金物、ならびに上記の物品やその周辺を洗浄するのに必要な道具が提供されます。これらの物品は、SCP-4125-1実体が活性化している限り、利用可能な状態にされなくてはなりません。
知性の兆候があるか否かの分析に先立ち、SCP-4125の全ての実体には、SCRA23対聴覚的認識災害フィルターでフィルタリングされた録音用マイクが装備されたくてはなりません。SCP-4125-1実体が知性を有している、もしくは周囲の状況を認識している様子が示される場合、その時点でのSCP-4125研究主任に連絡する必要があります。SCP-4125-1の知性を示す個体とのインタビュー中のすべてのコミュニケーションは、SCRA23自動対聴覚的認識災害フィルターに取り付けられた相互通信装置を介して行う必要があります。
インシデント4125-5以後、SCP-4125の回収サイトは更なる異常存在の発現がないか、常に監視下に置かれなくてはなりません。
説明: SCP-4125はSCP-4125-A~SCP-4125-Mと呼称されるタグ、および他の製造者情報を欠いている14着の灰緑色のつなぎ一式です。これらのオブジェクトは、水中に約10~20年放置されたのと同等の損傷を示していますが、これまでの実験によってその経過年数は確実でないことが明らかになっています。オブジェクトには、首、手、および足を出すための穴以外の開口部は一切無く、人型の存在が着用することは不可能です。
不定期的な間隔で1不定形の人型実体がSCP-4125実体内に出現します。これらの実体は総称してSCP-4125-1と呼称されます。SCP-4125-1実体は、恒常的に発せられる大量の煙によってのみ認識されます2。これらは一般的に、SCP-4125実体内で人間型に整形される傾向があります。SCP-4125-1実体は、通常の霊的方法では周辺の物品を操作することは不可能ですが、SCP-4125実体を介して物体を操作することが可能です。このため物体の保持や把持のためにつなぎの袖を利用することが多く見られます。さらに、SCP-4125-1実体は地上から常に約5cm浮遊しています。にもかかわらず、SCP-4125-1実体は通常、移動する場合に二足歩行に類似した動作を行います。
SCP-4125-1を無人のまま放置した場合、実体は適切な道具が用意されていれば、周辺の清掃や、洗濯されていない衣類や洗浄されていない食器や台所用品の洗浄、 建築物やインフラの改修などを行います。そのような道具がない場合、実体はSCP-4125実体の袖を使用して、周辺の表面を洗浄しようと試みます。SCP-4125-1のほとんどの実体は、英語、アルメニア語、ギリシャ語、トルコ語の簡単な命令に従うことがあります。
SCP-4125-1実体は、すすり泣きやオーディオ機器のホワイトノイズに類似したノイズ音を定期的に発し、不定期に非常にくぐもった英語を発することが確認されています。これらの発声の約31%はノイズの14%と同様に、聴取者に聴覚的ミーム災害を含む次のような長期的な症状を引き起こすことが知られています:
- 入眠障害
- 散発的に起こる短期、および長期の記憶喪失。新たな記憶の形成の阻害も含まれる
- しばしばおこる非常に鮮明な明晰夢。多くの被験者が「ありえない色」やフラクタル形状を報告している
- 自己申告による疲労の増加
- 自己申告による、周囲の世界への疎外感と無関心
- 外部刺激に対して無反応な期間の発生
- 感情的な反応および情緒の平坦化
- 頻繁に発生する制御不能な欝および郷愁。被験者はしばしば経験したこともない物事に対しての激しい郷愁の感情を報告し、それらはしばしば感染に付随して起こる鮮明な夢に由来する
- 不定期な間隔での制御不能な嗚咽
初期感染の後、症状は通常3日~5日後までに現れます。感染から症状の発現までの報告された中で最長の期間は、41日間です。感染は通常、約5~7ヶ月後には終了します。効果的な治療方法は現在見つかっていません。
来歴:
SCP-4125は1986.07.03.、貨物船が47°N 140°W付近の海域から海上から大量の煙が発生していることを報告したことによって発見されました。貨物船はカナダ沿岸警備隊に連絡を取り、沿岸警備隊は後にSCP-4125-1と分類される実体をいくつか発見した後、財団に連絡し、全長約100mのクルーズ船の残骸の、撤去および修復を試みました。
難破船の分析によって、船体の一部を含む船内の大きな球面部分が完全に欠損していることが明らかになりました。現在のところ、他の全ての損傷は難破そのものに起因するように見受けられるため、現時点ではこれが難破の原因であると考えられています。さらに、この船は内部のほとんどの家具と同様に、全ての識別情報が欠けており、沈没する前に内部に人間が滞在していなかった可能性が高いと見られています。船内のいくつかの部屋は、未知の用途のさまざまな電子機器の保管場所として機能していたようで、海水に長期間さらされていたことによりひどく損傷していました。大部分の内壁にはフラクタル模様が描かれていましたが、その中にはSCP-4125-1の発声と同じようなミーム的認識災害を引き起こす情報が含まれています。船舶内部および周囲には死体は存在しませんでしたが、船内からは既知の軍事組織や民間組織のものと一致しない海軍制服が複数点発見され、それら全てがSCP-4125と同等の損傷を受けていました。これらの制服には帽子のバッジ取り付け位置に錫製の五芒星が取り付けられていることを除き、全ての識別情報が欠損していました。
無人探査機が現在SCP-4125-Aに分類されているオブジェクトを回収した後、7月7日にSCP-4125の財団による最初の回収が行われ、当時は非異常性のつなぎであると考えられていました。SCPS█████に持ち込んだ直後、SCP-4125-A-1とされる実体が出現し、袖を使ってデッキを清掃した後、警備員によって鎮圧されました。財団がSCP-4125-1実体の異常特性を把握していなかったため、実体が不活性化するまで待った後、SCP-4125実体を回収するという決定が下されました。
インシデント4125-4:
1991.03.13.、SCP-4125-E-1は財団のつなぎを洗濯している最中に以下の発声を行いました:
[解釈不能]のロゴ。これが[解釈不能]だとでもいうのか?[解釈不能]が財団であるなんてありえない[解釈不能]は[解釈不能]と同じ人物だ。私の声が聞こえるか?誰か私の声が聞こえるか?もし私の声が聞こえる人がいたら、[SCRA23によって編集済] をしゃべって[SCRA23によって編集済]の名前は[解釈不能]頼む、[SCRA23によって編集済]にしゃべってくれ。
これは、SCP-4125-1実体から観察された自己認識の最初の兆候を示しています。SCP-4125-E-57の知性の可能性の発見に続き、標準的インタビューが行われました。
1991.04.30.、SCP-4125-E-57は通常通り消失しました。5日後、サイト14の職員のおよそ41%が、SCP-4125-1実体と接触したことがないにもかかわらず、SCP-4125-1実体の認識災害の影響を受けていることが判明しました。この原因は現在不明です。