補遺SCP-4147-JP-2:以下はSCP-4147-JP内部で発見された日記と見られる資料の内容です。
[冒頭は重要度が低いため省略]
05/31
夜が来なくなった。正確には太陽の活動が活発になっただとかで、太陽の光がとんでもなく強くなったからだ。前から段々と昼が暑くなってやる気が出なかったがまさかこんなことになるなんて。生きていけないほど暑くはない。それに悪いことばかりでもない。私の会社の奴らは電気代がなくなるからかすごく喜んでいる。電力会社には気の毒だ。環境派の奴らはまた騒いでいる。それに伴って治安も悪化している。でも私達に何ができるのか
06/01
全く眠れなかった。外が明るすぎるから。それに星が見れないのもある。毎日星を見るためにここに越して来たのに意味がなくない。会社とは往復5時間。科学館はない。あと40年もローンがあるのに。こんなところでもいいところがあった。星が綺麗に見えた事、これはもうなくなってしまった。誰か太陽を何とかしてくれ。消してくれ
[省略]
07/15
星がない生活には耐えきれない。星のために生きていると言っても過言ではなかった。明日、星を見るためにプラネタリウムの機械を買ってくる。もっと早く買えばよかった。でももう一度本物の星が見たい
07/16
物が多すぎてうまく映らない。テントがあればその中で見れたのに。それに外が明るいのもある。カーテンを買うべきかもしれない。今までは寝る前には星が見えて、朝になれば日の光で自然と目が覚めるメリットがあった。今は寝る前には太陽の光のせいで眠れない。昼間は暑すぎる。最近午前と午後の区別がつかなくなってきた。日光だけでも何とかしたい
07/17
倉庫に幾つか古い蚊帳があった。蚊帳なんていつぶりだろう。懐かしい。生地は少ししっかりしたやつ。それが3つ。なぜ3つも。うち一つは組み立てられていた。邪魔すぎるけど畳めそうになかった。持ち運べそうにもなかった。他のやつの内側に紙を貼り付けたらかなりうまくいった。やっとこれからはまた毎日星が見れる
07/18
蚊帳を開こうとしたら生地が破れてしまった。最悪だ。そんなに乱暴に扱ったつもりはない。元々かなり古いものだったし、いつかは破れると思っていたがまさか1日しか持たないとは。もう一つは元から破れていた。これからはまた星が見れないのか。そういえば倉庫にあった。倉庫で見るのは嫌だが仕方ない。倉庫にコンセントってあったっけ。明日は仕事で午前中の早い時間から起きなければならない。前までなら嬉々として寝ていた。窓から星が見えたから。最悪だ
07/19
最高だ。元から開かれていた蚊帳の中には満天の星空が広がっていた。その上、そこは別の空間だった。かなり広い。懐かしい夜の空気。ずっと中に居たい。あの中は妙に落ち着く。暗くて静かだからだろう。やっと運が回ってきたか。明日から自作の空間の研究と称して会社を休む。会社なんかより、これがどうなっているのかを知るのが先だ
07/20
今日はあの蚊帳の中を探索した。現実世界とほとんど同じ地形が広がっていた。建物も同じ場所に同じ様に建っていた。そのおかげで迷うことはなかった。作ってくれた人に感謝したい。明日は蚊帳の中でこの家を探す。なぜか人影は一度も見なかった。いくら夜間とは言え誰ひとりいないなんてことあるのか。あるか
07/21
見つけた。家の間取りや部屋割りは一緒だった。私の家じゃないから当然、家具の配置などはかなり違う。その家の倉庫を探したが流石に同じ蚊帳はなかった。そのかわり自分の部屋を調べると紙があった。この紙の内容に従えば同じ物が作れるのだろうか。壊れた時のために作っておこうかと思う。しかし████なんて一般人には使用どころか入手すらできない。私の会社でも置いていない。それにこんなに単純な手順でこんなに複雑な物を作れるとは思えない。とりあえず、████を探す。気にするのは後にする。失敗したらその時だ。明日は████を探す。蚊帳の中の家に置いているかもしれない
07/22
見つけた。電源の入っていない冷蔵庫に入れられていた。いつの物か分からないが、使用期限は切れていないはず。今日はかなりの時間入っていたにも関わらず夜のままだった。夜が明けない様に作ったのか?なぜ?まだまだ考えることはたくさんある。でも私にとっては好都合。次に手に入れるべきは██だ。これは私の家にある。会社で支給された物の余り
07/23
蚊帳がない。完全に忘れていた。素体がなければ加工すらできない。他のもので代用できないだろうか。例えば、テントとか?無理だ。液体をはじくせいで████を塗ることができない。無駄な技術。太陽も何とかしてほしい。どうしようか。すでにある蚊帳の生地を切りはりするか?耐久性が低くなりそうな気がする。どうしよう。とりあえずは今あるものを使う
07/24
あの蚊帳の生地が少しほつれているのを見つけた。破れてしまえば恐らく見ることはできなくなる。かなりまずい。こちらの空間の方が強いはずだからだ。こういった空間の類は現実世界より安定性が低い、だから境界線がなくなれば現実世界に押しつぶされて存在がなくなる。みたいな話を会社の研修で聞いたことがある気がする。逆に現実世界を押しつぶせないか?いやそんなことは今どうでもいい。なんとかして直しなくては。やっと見つけた本物の星をみる方法。失いたくはない。絶対に
07/25
████を使っている以上恐らく糸で普通に縫うのでは直せないだろう。早く何か他の策を講じなければいけない。今にも破れそうだ。明日、他の蚊帳の生地を移植できないか試してみる。どうかうまくいきますように
07/26
だめだうまくいかない。まず針が刺さらない。硬すぎる。何本も折れた。移植すらできない。無理に通そうとしたらほつれていたところに小さい穴が開いた。何かが漏れている気がする。気のせいだろう。きっとそうだそうに違いない
07/27
日が暮れた。私のおかげだ。漏れていたのは夜だ。もとから直す必要なんてなかった。放って置くだけでも星は見れた。早く気づけば良かった。そうすればもっと早く日を沈ませる事ができた。これからは毎日星空の下で生活できる。でも本当に良かったのか?いや、みんなが皆納得する最適解なんてものは存在しないんだから。これが私の最適解なんだ。鬱陶しい日光もない、暑さもない。あるのは星空だけ。やっと落ち着いて眠れる
資料の内容を考慮し現在、特別収容プロトコル、及びオブジェクトクラスの改定が検討されています。