アイテム番号#: SCP-4151
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4151はエリア-71内で収容されます。SCP-4151は少なくとも2名の軽火器とクラスA記憶処理剤を保持した警備員により監視されます。SCP-4151内に出現した全ての人間はエリア内の職員に拘束され、医療処置を受けます。エリア内の職員により医学的に安定したとみなされた場合、クラスAの記憶処理を行い解放します。
SCP-4151-3個体は全て鎮静剤を投与され、隔離されます。広範に及ぶ分析(プロトコル-4151を参照)の後、異常性を持たないと判断されたSCP-4151-3個体は例外なく消化管内を空にされ、滅菌処理が行われます。その後、SCP-4151-3個体はクラスA記憶処理が行われ、解放されます。異常性を持つと判断されたSCP-4151-3個体は例外なく終了され、焼却されます。
説明: SCP-4151は506 507 508本のヨーロピアンクラブアップル(学名: Malus Sylvestris)から成る果樹園です。留意点として、その本数は当アノマリーの性質により変化することがあり、エリア-71の職員により2ヶ月ごとに更新されます。SCP-4151はイタリアの██████市内に位置しています。
不定期に、SCP-4151内に異常性を持たない人間が出現します。様々な国籍、人種、年齢及び性別の人間がSCP-4151内で発見されています。SCP-4151内で発見される人間のほとんどがその状況に動揺や混乱を示していることが報告されています。SCP-4151内に出現する人間は全員極度の栄養失調状態で発見され、拘束された人間全ての経歴を多方面にわたって調査した結果、栄養失調状態に陥っている以外に共通点が見られないことが判明しています。発見された全ての人間は財団のデータベース内に存在する既存の人物と一致しています。
SCP-4151の個々の木はSCP-4151-1と指定されます。SCP-4151-1実体の幹、根、枝、葉は異常性を持たないように見え、非異常性のヨーロピアンクラブアップルとは見た目で区別することが不可能です。しかし、SCP-4151-1実体の構成要素を分析したところ、ヒト(学名: Homo sapiens)のDNAが大量に含まれていることが判明しました。
SCP-4151-1の果実はSCP-4151-2と指定されます。SCP-4151-2実体はヨーロピアンクラブアップルの非異常性の果実であると見られ、人間に消化された際のみ異常性が現れます。SCP-4151-2は自身を消化した対象へヘロイン(別名: Diacetylmorphine)と同様の影響をもたらします。SCP-4151-2実体を消化した対象はSCP-4151-3と指定されます。SCP-4151-2実体を消化した後、対象の瞳孔が拡大し始め、その後、対象はしばしば幸福感を露わにし始めます。その後さらに、対象は積極的にSCP-4151-2実体を探し始めます。SCP-4151-2実体が見つけられない、あるいは摂取できないと、対象は少しずつ不安定になっていきます。
SCP-4151-2実体を消化してから2〜4分後、対象の身体のうちSCP4151-2実体の継続的な摂取に必須でない部位が機能を停止し始めます。手や胃といった摂取に必要な部位は急速に膨張し始め、SCP-4151-2実体のより効率的な収集及び消化に特化するように変形していきます。このプロセスは対象の身体がその変化に耐え切れなくなり、死亡するまで続きます。
補遺 1: 以下の表はSCP-4151-2実体を摂取するように指示された後のD-190453の観察記録です。
実験開始からの経過時間 (分:秒) | 観察結果 |
---|---|
00:00 | 被験者はSCP-4151-2実体を摂取するよう指示を受ける。 |
00:32 | 被験者はSCP-4151-2実体を摂取し始める。被験者はこの時点でSCP-4151-3と指定される。 |
01:09 | 被験者の瞳孔がはっきりと拡大している。被験者は「熱雲のような」感覚を報告する。 |
01:17 | 被験者は別のSCP-4151-2実体を摂取し始める。 |
02:04 | 被験者の前腕部が伸び始め、さらに被験者の指先に小さな角質のハサミ1が発生する。被験者は立っていることが困難なように見受けられる。被験者はSCP-4151-2実体の摂取を続けている。 |
02:46 | 被験者が倒れる2。被験者はSCP-4151-2実体の摂取を続けている。 |
03:13 | 被験者の腹部が急激に膨張し始める。被験者はSCP-4151-2実体の摂取を続けている。 |
04:25 | 被験者の下顎骨が頭蓋骨から剥離し始め、咀嚼が不可能になる。被験者はSCP-4151-2の摂取を続けている。 |
04:57 | 被験者の食道の直径が拡がり始める。被験者はSCP-4151-2実体の摂取を続けている。 |
05:32 | 消化が不十分なSCP-4151-2実体が被験者の食道奥部に蓄積しているのが確認される。この蓄積物が被験者がSCP-4151-2実体を摂取するのを妨げているものとみられる。 |
05:47 | 被験者は拳で蓄積物を食道へ押し込もうとする。 |
05:50 | 被験者がSCP-4151-2の蓄積物を食道へ押し込もうとした際、尺骨と橈骨が折れる。折れた骨が被験者の前腕部の皮膚へ突き刺さる。 |
05:52 | 被験者の前腕部が大量出血を起こす。 |
09:46 | 被験者が失血により死亡する。 |
11:12 | SCP-4151-1実体が被験者の腹部から成長し始める。 |
15:53 | SCP-4151-1実体が完全に成熟する。 |
30:00 | 新たな変化は見られなくなる。実験終了。 |
補遺 2: 以下の表はSCP-4151-2実体を摂取するように指示された後のD-591032の観察記録です。
実験開始からの経過時間 (分:秒) | 観察結果 |
---|---|
00:00 | 被験者はSCP-4151-2実体を摂取するよう指示を受ける。 |
01:01 | 被験者はSCP-4151-2実体を摂取し始める。被験者はこの時点でSCP-4151-3と指定される。 |
01:36 | 被験者の瞳孔がはっきりと拡大している。 |
02:38 | 被験者は2つ目のSCP-4151-2実体を得ようとしている。 |
02:39 | 被験者は鎮静剤を投与され、隔離される。被験者は異常性を持たないと判断される。 |
15:44 | 被験者が意識を回復する。 |
16:12 | 被験者が収容チャンバーの壁を拳で叩き始める。 |
18:58 | 被験者の手が出血を起こす。 |
18:59 | 被験者は鎮静剤を投与され、さらに記憶処理剤を投与される。被験者の消化管が空にされ、被験者に滅菌処理が行われる。 |
62:25 | 被験者が意識を回復する。被験者は混乱しているように見受けられるが、それ以外に異常な行動は見られない。 |
80:00 | 被験者は引き続き異常な行動を示さない。実験終了。 |
補遺 3: 以下は、SCP-4151内で発見された人間の一人であるジャック・バウワー氏へのインタビューです。
回答者: ジャック・マシューズ・バウワー
質問者: クレメンティーナ・フローレス博士
前書き: ジャック・バウワー氏はコロラド州デンバー出身の長身の白人男性です。ジャック・バウワー氏はインタビューの23分前に拘束され、既に治療を受けていました。インタビューの前、ジャック・バウワー氏はSCP-4151-2実体への一切の接触を禁じられていました。
<ログ開始>
フローレス博士: 気分はいかがですか、バウワーさん?
バウワー氏: 大丈夫だ、多分。ちょっと混乱してるけど。
フローレス博士: この果樹園へ来る前はどこにいましたか?
バウワー氏: ええと、自宅にいたよ。
フローレス博士: その時は何をされていましたか?
バウワー氏: うーん確か……待てよ、あんたたちはFBIじゃないよな?
フローレス博士: ええ、我々はFBIではありませんよ。
バウワー氏: オーケー、確か俺はその時狂ったように酔っ払ってソファで寝ていたんだ。今思うと、多分数日はそのまま寝っ転がってたと思う。というのも、ちょうど3グラムのヤクを買ったばっかで、ちゃんとパイプも持ってたからそっから動く理由が無かったんだよね。
フローレス博士: あなたは数日間ソファにいたと仰いましたね。その間に何か食べましたか?
バウワー氏: いや、食べてなかったと思う。その前の1週間でスナックを全部食べ尽くして、買い足すのを忘れてた。
フローレス博士: それで、あなたはどうやってこの果樹園へ来たのか覚えていますか?
バウワー氏: えー、小便に行こうとして、そしたらここにいた。
フローレス博士: どうやってここへ来たのか分からないということですか?
バウワー氏: まあ、そういうこと。
フローレス博士: 分かりました。バウワーさん、お時間をいただきありがとうございました。
<ログ終了>
終了報告: ジャック・バウワー氏は記憶処理を受け、解放されました。