
テレス研究員の自宅の地上に出現したSCP-4154実例の一部。
特別収容プロトコル: ほとんどの先進国に於けるSCP-4154統合範囲とその無害な性質のため、国内での民間の住宅を始めとする非財団物件に居住している実例の収容優先度は低いと見做されています。しかし情報、ミーム、及び対抗概念等のセキュリティ上懸念により、全ての財団職員(Dクラス職員を始めとする暫時職員を除く)の自宅はSCP-4154実例の検査に合格する必要があり、場合によっては雇用前の必須要件として除染プロトコルを実行する必要があります。現地状況によっては追跡検査/除染が必要となる場合があります。これら責務には機動部隊エータ-5("クロスポリネーター")が割り当てられています。
機密収容サイト-2のDクラス寮棟には数十体のSCP-4154実例が収容されており、各個体が長期的な心理学研究の一環として、またSCP-4154のライフサイクルとその実用化の可能性に関する研究のためにDクラス職員1名と同居しています。
説明: SCP-4154は概念食性かつ地下性の、知性を持たない蠕虫状生物です。1SCP-4154実例は通常の生物学的構造を持ちません。代わりに対象は再帰的な概念実体であり、それ自体、それ自体の概念、ワームの概念、巻きひげの概念、及び住宅所有者とそのペットとの肉体的接触から吸収された混合概念で構成されています。一方で、SCP-4154実例は質量などの物理的特性を持ち、それゆえに非異常物質と同様に振る舞います
SCP-4154は主に都市部、及びその郊外に存在する裕福な家屋の屋外に寄生します。SCP-4154実体は過去の生活の中でより多くの知性を持たないペットの飼育をしてきた住居に対して顕著な好意を示します。
SCP-4154実例は家屋の敷地内に「巣くい」、それ以降は敷地内の任意の場所への出現が可能となります。実例は既存のペットとの社会的及び肉体的接触を求め、対象となる動物に受け入れられると、その頭部に肉質の長い巻きひげを貼り付けます。これにより実体は対象の記憶、認識、アイデンティティにアクセスができるようになり、より高度な擬態が可能になります。この副次的な影響として、対象となる非異常な動物がSCP-4154実例にアイデンティティを奪われ、本質的に反ミームに類似した、概念的に空虚な実体に変化します。家主もまた、擬態したSCP-4154実例を「撫でる」と同様に影響を受けますが、アイデンティティを喪失するリスクはほとんどありません。2
SCP-4154実例は生涯を通じて対象家庭の生活基盤へさらに深く根を下ろします。居住者が引っ越す、もしくはペットが死亡するなどして世帯構成に変化が生じた場合でも、SCP-4154実例はその場に留まります。ペットを連れずに入居した新たな家主は、巣くったSCP-4154実例が自身のペットであると確信します。
SCP-4154の生殖過程、及び家屋間の移動プロセスは完全には解明されていません。既存の技術ではSCP-4154実体を他の情報媒体内へ転送することは不可能ですが、現在研究が進行中です。予備調査の結果いずれの個体も親が吸収した概念情報を、忠実度は不明ながらも大量に保持していることが示唆されています。