アイテム番号: SCP-4155
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 現在47個体のSCP-4155が、サイト-4155に収容されています。サイト-4155はSCP-4155個体群の健康状態を監視し、また市民の立ち入りを防止するため、それらの個体の自然生息地の周辺に設立されました。
飼育下でSCP-4155を繁殖させる試みはすべて失敗したため、SCP-4155が現地での繁殖が可能な個体数の維持を確実にするための措置が取られなければなりません。この措置には、年2回のネコ科の獣医による健康診断、保護活動への匿名での寄付、およびシカゴ地域で減少している野生コウモリの数を増やすための飼育下でのアメリカトウブアブラコウモリ1の繁殖が含まれます。
SCP-4155-1は少なくとも1人のレベル4職員からの書面での許可がないかぎり、毎月のルーティンを妨害されることはありません。サイト-4155の北側の境界に沿った地域は、SCP-4155-1の活動をより容易にするためにサーベイランスの対象から除外されています。
説明: SCP-4155は目および毛が存在しない猫であり、シカゴの郊外に位置する小さな鍾乳洞に生息しています。すべてのSCP-4155個体は異常に長い肢を持ち、部分的な色素欠乏症2および重度のネオテニー34を示します。
SCP-4155は皮膚の毛穴から常に白色の物質を分泌します。この物質を化学的に分析したところ、いくつかの大手ファーストフードチェーンによって販売されているソフトクリームとほとんど同じ組成を持つことが明らかになりました。この分泌物は、非異常性の子猫の毛に相当する場所で、1ヶ月の間に約2cmの厚さまで徐々に蓄積します。
生体解剖ではSCP-4155の生理機能には異常は認められず、また分泌物に含まれる量の糖類を産生するのに必要な量の炭水化物が食事には含まれていないため、この物質の生成は確実に異常性によるものと考えられます。
SCP-4155は、主に生息場所を共有しているアメリカトウブアブラコウモリのコロニーを餌場にしています。SCP-4155は天井にしがみつき、ねぐらに戻ってきたコウモリを捕獲することで狩りを行う、待ち伏せ型の捕食者です。SCP-4155の分泌物の匂いはコウモリの興味を惹くことが観察されており、その異常性は獲物を引きつけるための戦略として進化したとする仮説に信ぴょう性を与えています。
SCP-4155-1は、一般的に15〜20歳の、赤と黄色のドナルド・マクドナルド56の衣装をきた男性ヒューマノイドです。各月の7日に、SCP-4155-1がサイト4155付近の観測されていない場所に、プラスチックバケツとステンレス製のデザート用へらを持って現れます。SCP-4155-1はその後洞窟内部へ進み、スパチュラを用いて各SCP-4155個体の皮膚から分泌物を採取し、それをバケツに入れます。全ての個体から分泌物を集めた後、SCP-4155-1は洞窟を出て消失します。
付録A: 4155-1-Aに対するインタビュー記録
日時: 1998年5月7日
回答者: SCP-4155-1
インタビュアー: ヘレン・マスターズ博士
前書: SCP-4155-1の活動を数ヶ月に及び注意深い観察した後、質問のためにSCP-4155-1を拘留する許可を得ました。
<記録開始>
SCP-4155-1: おい!あー、お前ら警官か?もし警官なら、私は弁護士を呼ぶことができると思うんだが。
マスターズ博士: 我々は警官ではありませんし、別に罰則を与えるつもりでもありません。よろしければ、いくつか質問をしても良いですか?お名前を教えていただけますか?
SCP-4155-1: えーっと、分かった。ロニーだ。ロニー・マッカーサー。
マスターズ博士: どちらにお勤めですか?
SCP-4155-1: マッカス7だよ。わからないか?夏の間だけの仕事だよ。要は、履歴書に書けるようなやつじゃない。だろ? [鼻を掻く] こんなことを30歳とかになってもやり続けるのは御免だね。この仕事を悪く言うつもりはないが。
マスターズ博士: [短時間の沈黙] 「こんなこと」とはどういう意味ですか?洞窟で一体何をしていたんですか?
SCP-4155-1: アイスクリームの採取だ。
マスターズ博士: 何のために?
SCP-4155-1: うーん、目的だって?アイスクリームだ。誰かがやらないと。じゃなきゃ代用品を売らなきゃならない。
マスターズ博士: 代用品?
SCP-4155-1: そうだ。それがどこから来るかなんて知りたくないだろう。うん、興味を持ってくれてありがとう、お嬢さん。でも問題がもし無いのなら、そろそろ行かなくちゃ。バケツはまだ半分しかないし、もし遅れると給料を減らされるんだ……
マスターズ博士: あと1つ2つで済みますよ。アイスクリームはどこへ持っていくんですか?
SCP-4155-1: 倉庫に置いてるよ。そっから飲食店に運んでるのかな?そこまで考えたことは無いよ。
マスターズ博士: それで、倉庫までどうやって運ぶんですか?
SCP-4155-1: ああ、外に車があるんだ。
マスターズ博士: 外に車は見つかりませんが?
SCP-4155-1: いや、でも、外にあるんだ。
マスターズ博士: なるほど。ありがとうございました。それで……その、あくまで好奇心なのですが……なぜそのような服を?
SCP-4155-1: ああ、クソ。聞く必要あるか?人目につかないようにってこれを着させられて恥ずかしいんだよ。
マスターズ博士: でも何故?
SCP-4155-1: 知るか!ただ着させられてるだけだ。
マスターズ博士: そうですか。マッカーサーさん、お恥ずかしい思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。貴重な時間をありがとうございました。警備員、SCP-4155-1を施設にお連れして。
SCP-4155-1: どういたしまし——何だって?
<記録終了>
付録B:インシデント報告書 - 1998年度収容違反
日時: 1998年5月7日から1998年6月16日
前書: 1998年5月7日に、SCP-4155-1は追加の尋問およびその発現した能力の調査のため、一時的に施設に拘束されました。この行為は、重大な収容違反を引き起こし、また、以下のようなこれまで未知であった異常性の発見をもたらしました。
5月7日: SCP-4155-1が財団に拘束される。
5月13日: シカゴ地区のマクドナルド社が所有しているソフトクリームサーバーを使用すると、どんなソフトクリームミックスが充填されていても「しょっぱくて黒いねばねば」が出てくるという事案が初めて報告されました。この物質自体は化学的分析により、主に酵母エキスと食塩から成る、非異常性かつ食用に適したものであることが確認されました。
無害であるにも関わらず、この物質が生成されるという異常な状態は、ソフトクリームサーバーの回収が必要になるほどに、外部へ異常性が波及していることを意味します。
5月14日: イリノイ州以外にあるソフトクリームサーバーがら黒い物質が生成したという事案が、初めて報告されました。
5月15日: ソフトクリームサーバーの異常動作は各地へ拡大し続けています。SCP-4155-1は、この拡大を抑止するか、あるいは収束させる可能性があるとして、拘束から解放され、消失を許可されました。しかし、拡大に対する影響はありませんでした。
5月16日: 財団資産により、衛生上の懸念を理由に、合衆国内のソフトクリームサーバーの強制リコールを行いました。
5月17日: 合衆国外にあるソフトクリームサーバーがら黒い物質が生成したという事案が、初めて報告されました。機動部隊-ラムダ-18("ハンバーグラーの助っ人達")がO5評議会により組織され、事案のさらなる拡大を見越して、全てのまだ影響を受けていない飲食店に配置されました。
5月19日: 機動部隊-ラムダ-18がソフトクリームサーバーが異常動作を示す前に、それを破壊することが有効であることを立証しました。しかし、異常動作が拡大する速度に追いつくことはできませんでした。
5月21日: 財団資産により、マクドナルド社が所有する世界中のソフトクリームサーバーのリコールを行いました。
5月24日: 異常動作を示さなかった最後のソフトクリームサーバーが、黒い物質を生成しました。
6月7日: 前のSCP-4155-1とは肌の色、髪の色が異なり、またニキビがかなり少ない、新しいSCP-4155-1実体がサイト-4155に現れました。このSCP-4155-1実体は仕事を完了することを許可されました。
6月8日: 回収されたソフトクリームサーバーが、正常な動作に戻り始めます。
6月11日: この日を最後に、回収されたソフトクリームサーバーが異常動作しなくなります。
6月16日: リコールが解除されます。回収されたソフトクリームサーバーはメーカーに返却されます。機動部隊-ラムダ-18はO5協議会により解散されました。
最終報告: このインシデントにより、7500軒の飲食店に財団資産が注入され、全世界で22000台以上のソフトクリームサーバーがリコール、回収あるいは破壊されました。
このインシデントに過度の関心を示した計11名のマクドナルドの従業員が拘束され、記憶処理されました。