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The Tetris Prodigy / テトリスの天才
著者:LiterallyMechanical
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連邦記録部門より通達
以下の文書は2106/09/25現在、最新版かつ完全に正確なものと見做されています。新しい情報は青色で強調されています。
アクセスにはレベル2連邦市民権が必要です。
アイテム番号: SCP-4163
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-4163に分類された主要アノマリーは既に無力化しています。SCP-4163の遺体を確保するうえで特段の収容プロトコルは必要とされず、SCP-4163は死後間もなくクック連邦墓地に埋葬されました。SCP-4163の埋葬地は武装した連邦儀礼兵4名によって常時警備されますが、毎年1回、6月19日には創立者記念日の式典のために民間人のアクセスが限定的ながら認められます。
SCP-4163-1からSCP-4163-22はマリアナ・サンティアゴ記念博物館1で一般展示されており、標準的な運動検出・個人識別盗難防止システムで保護されています。これ以外のSCP-4163下位アノマリーは全ての安全な連邦サイト、数ヶ所の公立博物館、個人コレクション、研究施設、大学、企業キャンパスに保管されています。不明な数の下位アノマリーが多数の個人の所有下にありますが、SCP-4163下位アノマリーが規制されておらず容易に複製可能である以上、正確な分類は非実際的です。
説明: SCP-4163は2009年に誕生し、2106年に97歳で死去したヒスパニック系人間女性でした。SCP-4163は“マリアナ・サンティアゴ”の本名で一般社会に知られていました。1つの異常な特性を除いて、SCP-4163は生理的かつ行動的に普通の人間でした。検死解剖結果は、SCP-4163の死因を、その生物学的な直系親族の総意によって行われた生命維持措置の終了による呼吸不全と記録しています。
SCP-4163は2人の子供、3人の孫、1人の曾孫を残しましたが、彼らはいずれも異常性を示していません。2
SCP-4163の異常な挙動は、ゲーム“テトリス”の任意の派生作品を実行できるコンピュータシステムと、直接的な皮膚接触を行う時のみ発現していました。接触後、影響された機器は恒久的に改変され、如何なる操作者にもテトリスの“パーフェクトゲーム”が可能となります。このゲームプレイは操作者が疲労によって操作を続けられなくなるか、機器が動作しなくなるまで連続的に維持できます。ゲームの進行中、操作者は通常の人間よりも数桁速い筋肉反応時間を示します — これは操作中の機器のハードウェアリフレッシュレートによってのみ制限されます。影響された機器に上記以外の異常な動作特性はありません。これらの機器はSCP-4163の下位アノマリーに分類されます。
既知のSCP-4163下位アノマリーは500点以上存在し、その多くは収容後の実験で生成されました。これらのユニットの異常特性は製造時の物理的外形に制限されておらず、機器のデジタル構造に特有のものです。
既知のブロックの有限列が予めゲームセッションにプログラムされている"オフライン版テトリス”の数学的にNP完全な性質上3、SCP-4163-13を応用すれば、NPに関連する任意の数学的問題を線形時間で解くことが可能になります。適切な一連のテトリスブロックによるシーケンスであらゆるNP困難問題は表現できるようになり、それらのブロックで最も効率的にゲームをプレイするための動きはその問題の回答を表すものとして解釈されます。このようなNP困難問題の1つに、SCP-4163-13の収容違反以前、旧式暗号システムの多くの基礎に用いられるほど困難だと見做されていた巨大数の因数分解が含まれていました。
暗号キーをテトリスのシーケンスとしてエンコードできる出所不明の単純なコンピュータプログラムが、一般大衆の間で広く配布されました。このプログラムは、SCP-4163-13と共に、政府機関と民間組織の双方において広く使用されました。これに続いて起きた全世界的な惨事は、世界的に連邦が設立され、その後17年以内に秩序が安定するまでの間、進行中のIK-クラス世界文明崩壊シナリオに指定されました。
SCP-4163によって実現された技術の進歩は、現代社会の現状確立に大きく貢献しています。NP困難最適化問題の線形時間解決は、意味論的言語と視覚情報をリアルタイムで認識できる知的機械知能の開発に繋がると共に、以前は非常に計算量の多い予測シミュレーションを必要とした現象がほぼ完璧に予測できるようになりました。これによって人類と機械種族は画期的な飛躍を遂げ、今日では遺伝子工学、ロボット工学、ナノテクノロジー、宇宙飛行、作曲、医学、詩、輸送アルゴリズム、視覚芸術、仮想現実などの様々な分野が発展しています。
SCP財団は解散しました。かつての財団サイトとその活動は現在SCP連邦の管轄下にあります。2042年のケプラー会議に続き、SCP連邦はその全世界的な主導権を放棄して自由国家評議会の権威に委ねました。連邦はサイト-20の主権月面本部から国際紛争への自発的な中立的仲裁を提供しており、異常な実体とオブジェクトの収容に関してはシステム全体の権威を維持しています。
太陽系の組織社会の回復における連邦の実質的貢献は広く評価されているものの、連邦のルーツが旧SCP財団の秘匿活動にあったことは見過ごされていません。ケプラー会議は、自国が絶対的権威であるという連邦の仮定を非難し、旧財団の基本的な道徳観を再確立しました — 人類にとっての負担を負うことによる文明の防衛です。従って、サンティアゴ宣言に則り、SCP連邦には他のあらゆる考慮事項に優先する3つの使命があります。
確保。
収容。
保護。
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