クレジット
ソース: SCP-4165
メタタイトル: まぁ、アイデアは待ってくれないからね
著者: AlanDaris does not match any existing user name
作成年: 2019
アイテム番号: SCP-4165
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4165は気密エアロックドアを備えた標準ヒト型生物収容室に収容されます。遠隔操作によって作動するエアロックには空調システムと4つの排気口が装備されています。全ての機械部品は毎週点検が行われます。 SCP-4165-1が出現した場合、対象はエアロック内部に入れられ、その後SCP-4165-1の物理的状態に応じて空調システムまたは排気口のいずれかが使用されます。
SCP-4165は、2週間に1度サイトの精神科医と面談し、その都度精神状態に関する報告書が作成されます。
説明: SCP-4165は28歳の白人男性です。SCP-4165は著しく低体重であり、主に不眠症および持続的な倦怠感といった様々な軽度の健康問題を抱えています。心理学的検査の結果は、SCP-4165は主にうつ病性人格を有し、全般性不安障害および強迫性人格障害に苦しんでいることを示しました1。
SCP-4165-1は、常にSCP-4165の追跡を行う、不明瞭な人型実体です。実体は完全に黒インクで構成され、その形状、サイズ、および物理的状態を自在に変更できるようです。SCP-4165-1は通常のインクと同じように-40℃以下の温度にさらされると凍結するなどといった物理的要因の影響を受けますが、空気との接触によって蒸発することはありません。SCP-4165はSCP-4165-1の性質または起源に関する知識を持っていないと述べています。
SCP-4165-1は通常、SCP-4165から約50m離れた地点に出現し、実体の持つ多形性能力を用いて障害を回避しながらSCP-4165への接近を開始します。SCP-4165-1は挑発されない限り、SCP-4165以外のいかなる人物にも興味を示さず、それらを無視する傾向があります。攻撃あるいは挑発が行われた場合、実体は攻撃的になり、抵抗を試みる可能性があります。その試みには通常、SCP-4165-1の身体の一部を固体化して個人に損傷を与えること、または個人の鼻腔および口腔にインクを注入することが含まれます。行動不能になる、あるいは身体に著しく損傷を受けた場合、SCP-4165-1は未知の手段でその場から消失します。実体は7日から10日の期間を経て再出現します。
通常、実体は自発的にはコミュニケーションを取ろうとせず、また他者からのコミュニケーションの試みにも反応しようとはしません。 この行動パターンの唯一の例外がインシデント4165-Bの間に記録されました。
補遺 4165-B インシデントレポート 以下のインシデントは、2018年10月20日の午後5時頃に発生したものです。この時SCP-4165を含む敷地内の様々な収容チャンバーの機能に悪影響を及ぼすSCPオブジェクトであるSCP-████の収容違反時にSCP-4165-1が出現しました。
エアロックの機能不全と状況の混乱のため、SCP-4165-1はSCP-4165の収容チャンバーに自由な侵入が可能でした。実体がSCP-4165に接近している間、対象は極度の不安を感じているように見え、おそらく実体から逃れる方法を探すため部屋の内部をせわしなく動き回っていました。対象はその後部屋の角に隠れ頭を覆いました。SCP-4165-1が対象に近づくと、実体の頭部に大きな縦穴が形成され、そこから大量の黒色インクが流出し始めました。
約2分後、 本とペンが目に見えて困難そうにゆっくりと穴から現れ始めました。その後、実体は穴からそれらの物品を引き出し、本をSCP-4165の前で開き、その手にペンを強制的に握らせました。 SCP-4165はこの本を調べ、目に見える感情的苦痛を覚えたようであり、その後、ペンとともに投げ捨てました。
SCP-4165-1はSCP-4165に物品を強制的に与えようとすると同時に、一貫性のない発声を行い、その四肢の1つで対象の顔を殴打しました。数分後、SCP-4165からの応答は無くなりました。SCP-4165-1はその後、体の一部を固形化しSCP-4165を攻撃し始めました。実体は、収容状態を回復するために通報を受けたセキュリティスタッフが到着するまで殴打を続けました。
追記: SCP-4165-1は、チャンバーから引き出された後すぐに行動不能にさせられ、それによってSCP-4165-1は通常通り消失しました。SCP-4165は重傷を負っており、現在収容室内でサイトの医療チームの監視下のもと回復しつつあります。このインシデントに関してSCP-4165へ対する唯一のインタビューの試みは、対象のパニック発作を引き起こしたためいかなる情報も得ることができませんでした。今後のインタビューはSCP-4165の回復まで延期されます。
SCP-4165-1によってもたらされた物品はインシデントの直後に回収されました。それらは一般的な黒いペンとSCP-4165の署名が入ったノートであると確認されました。 しかしながら表紙を含め、ほぼすべてのページがインクで覆われているため、内容の判読が不可能となっています。現在判読できるものは、1ページ目、3ページ目にそれぞれ表記されている「アイデア」、「第1章」という文字列のみです。