SCP-4204

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収容プロトコル: 実験に使用していない時、全てのSCP-4204実例はサイト-12の安全保管庫に保管されます。SCP-4204を保管庫から持ち出す時はプロジェクト研究責任者の許可が必要です。SCP-4204を使用するサイトは、財団技術文書4204-11に概説されている避雷針装備の基準を満たしていなければいけません。

2007年4月以降、SCP-4204の実験に携わった職員は、如何なる状況でもサイト-12を離れることが認められていません。

説明: SCP-4204は直径6cm、厚さ0.75cmの硬貨55枚の総称です。化学分析の結果、これらの硬貨は24カラットの金箔で薄く被覆された鉛・鉄・黄鉄鉱の合金であると断定されています。炭素年代測定はSCP-4204の製造時期を紀元前2000年頃としています。

SCP-4204の表面には様式化された満月の絵と“泥棒が月に言ったとさ”という言葉が、裏面には逆三日月の絵と“直ぐにお前の光を消してやる”という言葉がそれぞれ浮き彫りにされています。この文章は常に視認者の母語で知覚されます。

手順-4204に従って活性化すると、SCP-4204は幾つかの異常性を示します。

  • 月の反射光は、SCP-4204使用者の半径25km以内で完全に視認できなくなります。
  • 使用者が入室/占有した部屋にある全ての白熱灯と蛍光灯は完全に消灯され、使用者が退室してから約28分が経過するまで点灯できなくなります。炎などの自然光源は鎮火し、生物発光は1/10まで減退します。
  • 半径700m以内の全ての監視カメラは、赤外線サーモグラフィや微光撮影機能を備えた物も含めて、SCP-4204使用者を検出できなくなります。
  • 半径200m以内の音声送出が可能な電子機器は、ショーン・ジェームズの楽曲“泥棒と月”を25デシベルで再生し始めます2
  • 錠前などの電子的・従来的な保証装置は、SCP-4204使用者の半径2m以内で機能しなくなります。板を打ち付けたドアなどの単純なメカニズムは影響されません。

SCP-4204の効果は、使用者の所持している硬貨が除去されるか、使用者の居場所が日の出の時刻になるまで続きます。SCP-4204を活性化できるのは夜間のみで、日中に使用する試みは失敗に終わります。

発見: SCP-4204は、フォート・ノックス3への侵入を試みた人物が、金庫から脱出する前に日の出を迎えたことで発見されました。この金庫強盗未遂犯、ジェシー・ホートン(26歳)は内側から金庫ドアを叩いているのを基地の警備員に見つかりました。監視映像の見直しの後、ホートンはFBI異常事件課の拘留下に移されました。

ホートンをUIUの主要拘留施設へ移送する途中、装甲車は雷に複数回撃たれて野原で横転しました。数名のエージェントがこの事故で負傷し、ホートンは無我夢中で拘留下からの逃走を試みました。当時まだ意識があったエージェント数名によると、ホートンは約25m走った時点で12発の連続した落雷に焼却されました。彼が雷に打たれたとされる場所から死体は発見されず、焦げた草の輪が踏み荒らされたばかりの土を囲んでいました。

2年後の2000年4月、SCP-4204とその関連資料は、進行中のUIU捜査に関連する情報と引き換えに財団へ移譲されました。財団の回収機動部隊はジェシー・ホートンの家族が所有していた農場の調査を行い、追加55枚のSCP-4204実例を収めた小さな箱が、トリカブトの一種(Aconitum variegatum)に囲まれたトネリコの木の根元0.5m地点に埋まっているのを発見しました。エージェントたちはこの時、森の中で大きな生物が遠距離から部隊を尾行しているのを見たと報告しましたが、当該生物と交戦・記録できる装備を所持していませんでした。

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