SCP-4217

評価: +7+x

アイテム番号: 4217
レベル2
収容クラス:
keter
副次クラス:
none
撹乱クラス:
vlam
リスククラス:
danger

特別収容プロトコル: SCP-4217が出没する海域は、英国王立海軍を装った財団の海上部隊が最低でも3隻の戦艦を動員して哨戒を行います。SCP-4217が敵対状態にある間は、不活性状態に戻るまで海上部隊によるSCP-4217との交戦が行われます。SCP-4217による攻撃を受けた民間船舶の生存者は回収され、海事偽情報プロトコルに応じた処理が行われます。

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SCP-4217(1940年頃)

説明: SCP-4217は1941年5月27日に沈没した異常性を有するドイツ海軍の戦艦「ビスマルク」(以下SCP-4217-A)およびその船体の内部に結合している巨大な頭足類に属する生物(以下SCP-4217-B)の総体です。SCP-4217-Bは、SCP-4217-Aの船楼の基部から突出したタコのものに類似した一対の眼と、船尾の開口部から伸びる12本の長さ100~200mの筋肉包骨格1を有します。SCP-4217-Bの存在を除けば、SCP-4217-Aには戦闘および沈没後の数十年にわたる水没に起因する損傷の形跡が見られません。

SCP-4217-BはSCP-4217-Aの設備群を操作する能力を有します。SCP-4217-Bが操作可能なシステムには、主砲8基、副砲44基、高角砲12基からなる全兵装が含まれます。加えて、SCP-4217-BはSCP-4217-Aのスクリュープロペラを操作することによって速度40ノットにまで達することが可能ですが、これは浮上時のみです。海中においては、SCP-4217はSCP-4217-Bの体腔から水を噴出させることによって移動を行います(平均速度は30ノット程度)。

通常時のSCP-4217は、水深500-1100mにおいて潜水した状態を保ちつつある特定の海域を航行しています。しかしながら、SCP-4217は定期的に2浮上し、敵対状態に入ります3。この期間中、SCP-4217は非武装の標的(民間の貨物船など)を捜索し、攻撃を行います。十分な損傷が与えられると、SCP-4217は不活性状態に戻ります。それ以外の場合、ある程度の時間(中央値9時間)が経過すると敵対状態は解除されます。

補遺1 - 歴史: 以前、SCP-4217の指定はビスマルクのみに適用されており、1941年に無力化したものと考えられていました。以下から本報告書の旧版が閲覧可能です。

1985年2月16日、機動部隊ガンマ-6 (“大食らい”)のチームがSCP-4217の現状の確認に派遣されました。1985年2月19日、酸素供給を考慮して許容可能な潜水時間を数時間超過しても潜水チームが海中にいる旨を海上の隊員が報告しました。その直後、海上チームは潜水艇のブラックボックスレコーダーから発信された遭難信号を検知し、回収を行いました。以下はレコーダーの内容の書き起こしです。

その後程なくして、現在の形態のSCP-4217が初めて目撃されました。現行の収容プロトコルが確立されるまでに貨物船2隻とクルーズ客船1隻が沈没する被害が生じました。

これら船舶の遭難についてのカバーストーリーが流布されました。財団の偽情報チームがビスマルクの複製を建造し、SCP-4217が再発見された場所から約100 km東の地点に沈没させました。その後、著名な民間の海洋学者が1989年6月8日に複製を発見するよう各種手配がなされました。

補遺2 - 回収された文書: ソビエト連邦の崩壊およびその後行われたGRU"P"部局の解体に伴い、財団はGRU-Pがソ連によるドイツ占領期間に回収した多数の文書を取得しました。この文書群には、オブスクラ軍団内で交わされた、SCP-4217に関連していると思われる内容の多数の書簡が含まれていました。一部を以下に添付します(原文のドイツ語より翻訳)。

この発見を踏まえ、財団は上の書簡で名の挙がった人物に対する調査を行いました。記録によればオットー・シュミットは1940年、ハンス・マイヤーは1941年にそれぞれ死亡しており、この情報に矛盾する証拠は発見されていません。ディートリヒ・クロスナーはペーパークリップ作戦によって米軍に雇用され、その後1976年に自然死しました。アメリカ国防総省は現在まで彼の戦後の業績に関する情報開示を拒否しています。カール・ロイターの名は1944年までは他のオブスクラ軍団の文書においても言及が見られますが、それ以降の文書では彼に関する新規の情報は発見されていません。

補遺3 - インシデント4217-09: 1993年7月22日、SCP-4217が敵対状態に入ったように思われ、これに応じて財団海上部隊が特別収容プロトコル発動の準備を行いました。しかし、各艦が射程距離内に入る前に、SCPSネヴェズの艦長であるクルト・ウェグナーがSCP-4217が浮上地点から移動していないことに気付きました。これは過去に観察されたものと異なる行動であることから、ウェグナー艦長は自身が調査を行う間その場に留まるようSCPSケサルとSCPSパルサローンに命令しました。SCP-4217はSCPSネヴェズの存在に対して無反応であり、その状況はネヴェズがオブジェクトの200メートル圏内に侵入しても変化しませんでした。短時間の観察の後、ウェグナー艦長は無線を介してSCP-4217との交信を試みました。以下は通信の書き起こしです。


SCPSネヴェズ、SCPSケサル、SCPSパルサローンはそれ以上の問題なくSCP-4217の鎮圧に成功しました。 SCP-4217はこれ以降、通信に応答していません。
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