アイテム番号: SCP-4217-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4217-JP及びSCP-4217-JP'はその異常性から財団の収容下にありません。SCP-4217-JP、SCP-4217-JP'によるものと推測される事故が発生した場合は、警察機関および医療機関に潜入しているエージェントが現場へ向かい、関係者に対して記憶処理及びカバーストーリー「不運な事故」「無差別殺人」を適応してください。
説明: SCP-4217-JPは自我を有する全長3cmのまち針であり、頭部にハートの装飾が施されています。SCP-4217-JPは空間把握能力および発声能力を有しており、会話による意思疎通が可能です。
SCP-4217-JPは空間転移能力を保持しており、不定期に日本国内のランダムな人物(以下、対象)の目元へ転移します。転移後を含む一連の行動および現象を「転移イベント」と呼称します。転移後すぐに、SCP-4217-JPは対象の眼球を自身の針の部分で深く刺します。対象が睡眠しているなど、瞼が閉じられている場合は瞼を貫通します。この時、対象は通常の針で眼球を刺された場合と同等の痛みを感じます。また、この際、対象及び周囲の人間がSCP-4217-JPを眼球から引き抜く試みは失敗に終わります。確認された全てのケースにおいて、対象は失明、失神に至りました。対象が失神した時点でSCP-4217-JPは再び転移し、転移イベントは終了します。この際の転移先は不明です。また、一度転移イベントが行われた後約一ヶ月間、次の転移イベントは行われません。
補遺: 20██年██月██日、サイト-81██のDクラス宿舎内にて、D-23102を対象とした転移イベント(事案-4217-JP-Aに指定)が発生しました。以下はその際SCP-4217-JPに対して行われたインタビューです。なお、当該事案によってD-23102は左目を失明しました。
対象: SCP-4217-JP
インタビュアー: ██博士
付記: SCP-4217-JPによる被害を避けるべく、インタビューは遠隔から音声機器を通して行われました。また、宿舎内のDクラス職員はD-23102を除き、全員の避難が完了した状態でした。
<記録開始>
(SCP-4217-JPがD-23102の眼球を刺している。)
SCP-4217-JP: ねえねえ、どう?痛い?痛いでしょ?嘘ついたのが悪いんだよ?
██博士: すみません、少しよろしいですか?
SCP-4217-JP: ん?誰?私?
██博士: そうです。あなたにいくつか聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。
SCP-4217-JP: ふーん。まあ、ちょっとだけなら。
██博士: ありがとうございます。では質問なのですが、あなたはどうして人に対する攻撃を、それも眼球のみに行っているのでしょうか。
SCP-4217-JP: えーと、あのね、私、人間に攻撃したら先輩みたいに強くなれるの。だから頑張って刺してるんだ。で、眼球なのはね、人間が嘘つきだからだよ。
(この時点でD-23102が失神する)
██博士: えぇと、すみません、詳しく教えてください。まず、攻撃によって強くなれる、とはどういうことでしょうか。
SCP-4217-JP: えーとね、そのまま。私たちは人間を刺せば刺すほど強くなれるんだよ。先輩は進化って言ってたかな。そうやって強くなるのが私の目標なんだよ。
██博士: なるほど。次に、先ほどから言っている「嘘つき」というのは。そちらのDクラス⋯あなたが刺していた人間にも言っていましたが。
SCP-4217-JP: 私、前に人間に嘘つかれたの。でもどの人間が嘘つきか分からないの。だから、全部の人間が嘘つきってことにしてる。分からないならしょうがない、って言われたし。
██博士: その嘘について詳しく教えてください。
SCP-4217-JP: うん。私ね、前に、人間が言ってたね、「可愛いものは目に入れても痛くない」っての聞いたの。それで、私は目に攻撃できないんだって、強くなれないって、他のとこも駄目だったらどうしようって、自信無くしてたの。私可愛いから。ハート。可愛いでしょ。でね、それが嘘って聞いて、もう怒ったの。ふざけるな、嘘つきだって。だから復讐のために、体とかじゃなくて、目にグサーってやってるの。痛いだろって。
██博士: (数秒間の沈黙)目に入れても痛くない、ということですか。しかしあれは比喩表現というものなんですよ。
SCP-4217-JP: 比喩?難しいことわかんない。てゆーか、もう質問ないの?帰るけど。
██博士: すみません。最後に一つ、あなたが口に出している「先輩」というのは?聞いている限り、あなたの仲間のようですが。
SCP-4217-JP: 先輩はね、私より強いの。私より進化しててね、いっぱい人間を刺して立派になったの。でもね、私に負けてられないって言って、まだ人間刺してるんだ。 私、先輩の向上心とか、努力家なところとか、大好きなんだ。
██博士: つまり、あなたの他にも人に危害を加えている存在がいるということですか。その先輩について詳しく教えてください。
SCP-4217-JP: 喋りすぎたら先輩に怒られちゃうから、ちょっとだけね。えーとね、先輩は私を可愛いって言ってくれててね、色々私が立派になれるように助けてくれるんだよ。先輩みたいになる方法教えてくれたり、人間の近くにワープさせてくれたり、すごいんだよ。
██博士: ワープ、あなたが一瞬で他の場所に転移することですか。あなた自身の能力では無いのですね。
SCP-4217-JP: うん。しかもね、先輩は私と違って、うまく人間に見つからないように刺してるの。防犯カメラとかも気をつける、って言ってたの。私もあんなふうに強くなりたいなぁ。
██博士: ということは、先輩の姿や能力は今のあなたとはまた違うものなのですか?
SCP-4217-JP: うん。先輩は見た目も力も私とは段違いなんだよ。私は次の次の次ぐらいに先輩みたいになれるの。将来ね、私、先輩みたいに立派な包丁になって、それで、いっぱい(SCP-4217-JPが転移する)
<記録終了>
コメント: もし「先輩」と言われているものがSCP-4217-JPと同様の性質を持っているのなら、失明どころの騒ぎではない。早急に調査を開始するべきだ。-██博士
上記インタビューを受け、SCP-4217-JPによって示唆された「先輩」はSCP-4217-JP'と指定されました。また、過去、国内で発生した原因不明の死亡事故について調査したところ、被害者が「勝手に動く、喋る包丁に刺された」「「追いつかれないようにしないと」という発言が聞こえた」といった旨の証言をしていたという記録が複数確認されました。これらの事故はSCP-4217-JP'によるものとして調査を進めています。
補遺2: インタビュー後、██県██市にて発生した転移イベントにおいて、失神の後の転移が発生せず、SCP-4217-JPは「この前の呼んで」と発声。財団エージェントが駆けつけたところ、SCP-4217-JPとの接触に至りました。以下はその際の会話記録です。
対象: SCP-4217-JP
インタビュアー: エージェント・██
付記: 本イベントの対象となった██氏及びその家族は現場から退出し、病院へ向かいました。そのため、記録開始時に転移イベント発生地点にいたのはエージェント・██とSCP-4217-JPのみです。なお、エージェント・██は保護ゴーグルを着用しています。
<記録開始>
SCP-4217-JP: あー、この前の人間の友達?
エージェント・██: 否定はしません。我々に何か?SCP-4217-JP: (ため息)ちょっとさー、私のこと騙さないでよ。何してくれてんの。めっちゃ怒られたじゃん。
エージェント・██: 騙す?何のことでしょうか。SCP-4217-JP: はぁ?あんたら人間だったじゃん!私、人間じゃないならと思って先輩のこと話したのに!あの時ね、急にワープさせられたから何かと思ったら、先輩にめちゃくちゃ怒られたんだよ!人間にバレたって!話しすぎだって!もう!罰として3ヶ月ぐらいワープさせないって言われたんだけど!謝ってよ!謝れ!
エージェント・██: は、はぁ。申し訳ございませんでした。SCP-4217-JP: もー、人間じゃなかったら罰無しにするって言われたから期待してたのにー。(SCP-4217-JPが転移する)
<記録終了>
上記インタビューより2ヶ月経った現在、SCP-4217-JPによる転移イベントは発生していません。









